・三輪先生の時々の思い ㉕若人よ、真剣に国家を考え、国家学を学べ

 戦前から戦後にかけて日本の政治学は「国家学」に過ぎず、behavioral scienceになっていないと言われたものですが、今は逆に「国家観」が欠落した小手先の政治があるだけのようです。中国に色目を使う野心家の政治屋も目につきます。そんな気まぐれなスタイルでいいわけがありません。立ち止まって考え直してほしいと思います。

 金にならないからと有為な人材は実業界に向かいます。その結果でしょうか、政界は人材払底のようです。ここで鶴見祐輔流の「英雄待望論」にそそのかされたりすると、とんだことになりかねません。ワイマール憲法下のドイツがヒトラーの弁舌に毒されていったような顛末を迎えるでしょう。

 若人よ、政治のみではなく、よりもっと真剣に国家を考えよう。国家学を学べ。その先に政治のあるべき姿が浮上してくるのに気づくだろう。

(2020・12・1)

(三輪公忠=みわ・きみただ=上智大学名誉教授、元上智大学国際関係研究所長、プリンストン大博士)

*三輪先生のコラムは、今回でいったん終了します。これまでのご執筆に感謝します(「カトリック・あい」)

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2020年12月1日