Sr阿部のバンコク通信④仏教国もクリスマス!

 バンコクの街はクリスマスになると、とても素敵に輝いて美しく変容するのです。タイ国に派遣されて『え?』と感じた事の1つです。仏教国でありながら、クリスマスにはそれは盛大な飾り付けで、たいそう驚いたものでした。

   1970年ごろから観光政策が打ち出され、アセアン諸国の上位に躍り出ようとの商魂、海外から流れる人々への至れり尽くせりの対応…。そうした状況の中でクリスマスは格好の機会です。ホテル、デパート、商店街は専門家による飾り付けで、一気にクリスマスムードに。街路樹は星を散りばめたように豆電球で覆われ、夜の街に繰り出せば、なんともいい気分。暑い熱い常夏のクリスマスに、人口の雪さえも降り出したり・・・。

クリスマスの素敵な理由は、12月5日が今は亡きプーミポン国王様の誕生日で、街のイルミネーションは国王様のお祝いのため。それがそのまま、クリスマスのお祝いを輝かせていたわけです。 今年は、国王様の喪に服しながら、静かなベトレヘムの救い主のご降誕を偲ぶクリスマスになることでしょう。

  この日人々は家族を思い、プレゼントを買って家路を急ぐ、いずこにても、いずれの信仰にせよ、聖なる夜に救い主の降誕を祝っている、宣教地で噛みしめるクリスマスの味わいです。『馬槽の中の小さなイエス、真の光と喜びを人の心に授けて下さい、アーメン』。

 (阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

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2016年11月29日 | カテゴリー :