・COP28議長国のUAEが二国間会談を利用して石油・ガス商談を画策、と英BBCが報道

(2023.11.29 カトリック・あい)

 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)が30日から、アラブ首長国連邦(UAE)で開かれるが、英国営放送BBCが27日、環境問題を中心に調査報道をしている「センター・フォー・クライメート・リポーティング(CCR)」と協力して入手した文書をもとに、議長国UAEが各国との二国間会談を利用して石油やガス取引の商談を画策していた、と報道した。石油や天然ガスなど化石燃料の使用を無くしていこうとする会議の主旨とは正反対の動きを議長国がしていることになり、国際的に批判が出ている。

 BBCとCCRが入手した文書は、UAE側がCOP28の参加国政府代表団との個別会談のために準備した150ページ以上にのぼるもの。各国のCOP28での交渉ポイントのほかに、UAEの国営石油企業ADNOC、国営再生可能エネルギー企業MASDALとの取引や、将来的なビジネスの可能性も記されている、という。COP28で議長を務める予定のスルタン・ジャーベル氏はUAEの産業・先端技術大臣だが、ADNOCの最高経営責任者(CEO)も務めており、「利益相反」との指摘も出ている。

 また米CNNが28日伝えたところによると、COP28の運営チームの広報担当者はCNNの取材に電子メールで答え、「BBCの記事で紹介された文書は不正確で、COP28(の準備)では、これらを会合で使用していない。BBCが信憑(しんぴょう)性を確認できない文書を報道に使用したとみられるのは極めて遺憾だ」と述べる一方、「COP 28の運営チームは、ADNOCから独立して活動しているのか」とのCNNの問いには回答せず、ビジネス上の利益が話し合われていることについて明確に否定しなかった、という。

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2023年11月29日