・ニカラグア独裁政権の教会弾圧ー今度はイエズス会の法的立場を取り消し、土地、建物没収

ニカラグアにおけるイエズス会の法的ステータス取り消しに、同会中米管区は非難を表明

(2023.8.24 バチカン放送)

 ニカラグアのオルテガ政権が教会に対する弾圧を強める中で、今度は、現地で活動中のカトリック修道会、イエズス会の法的立場を取り消し、活動を停止させるとともに、会の所有する土地、建物を没収した。

 一連の政権による行為は、法的手続きを無視して強行され、イエズス会には、公平な法的判断を求める機会も与えられなかった、という。

 オルテガ政権は、今回の強硬措置に先立って、イエズス会が設立、運営している「ニカラグア中米大学(UCA)」と、マナグアのイエズス会の施設を「テロとの戦い」を理由に閉鎖、没収している。その際、施設で生活していたイエズス会士たちに、個人的な身の回り品を持ち出すことさえ認めなかった。

 このような政権の不当行為に対して、イエズス会の中米管区は声明を発表。「我々の修道会に対する攻撃であるにとどまらず、ニカラグア国民に対する国家レベルの組織的弾圧の一部だ」と強く非難。「国民や教会に対する弾圧を直ちに中止し、真理、正義、対話、人権と法治国の尊重が勝る理性的解決に努めるよう、同国の政治家たちに訴えた。

 オルテガ政権による教会や教育機関に対する弾圧はここ一年、特に強まっており、マタガルパ教区のロランド・アルヴァレス司教は昨年8月に逮捕された後、裁判も開かれないまま、「国家反逆罪」という罪状で26年の懲役を科せられた。

 ニカラグア国内の大学に対する圧力は増し、マナグア大司教区のインマクラーダ・コンセプシオン大学をはじめ、多くの私立大学が「自主的解散」という名目で大学としての扱いを取り消され、閉校に追い込まれている。

(編集「カトリック・あい」)

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2023年8月26日