(2023.7.6 Vatican News Svitlana Dukhovych and Francesca Sabatinelli)
6日未明のロシア軍によるウクライナ西部の死者数は、7日朝の時点で10人に上り、内2人はカトリック教徒だが、リヴィウのカトリック・ラテン教会のミエチスワフ・モクシツキ大司教は6日夜、深い哀悼の意を表明した。
ウクライナ空軍当局によると、ロシアの攻撃は黒海の空母や潜水艦から発射されたとみられるミサイルで、民間のアパートの最上階を標的にしてなされ、 市内の少なくとも十数の避難所が閉鎖に追い込まれている、という。この攻撃による犠牲者にはこれまでの調査で、32歳から63歳までの女性3名と男性1名が含まれている
ロシアによるウクライナ戦争開始以来、民間インフラへの最悪の攻撃と言われる事件を受けて、リヴィウ市は現在、悲しみに包まれている。アンドリー・サドヴィ市長は、多くの死傷者が出ており、約50戸のアパートが破壊されたと報告した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はツイッターで、ウクライナはこの悲劇的な事件に確実に対応すると述べた。
同市のカトリック・ラテン典礼教会のモクシツキ大司教は、故人への祈りとウクライナの平和を呼び掛けた。また、Vatican Newsのインタビューで、市内の人々が経験した痛みと恐怖について、次のように語った。
「(このロシアのミサイルによる攻撃で)亡くなった母と娘はラテン典礼のカトリック教徒で、難病の子供たちを支援する財団の会員でした。リヴィウ市内に、空襲警報のサイレンの音が鳴り響き、多くの人が頻繁に避難しましたが、直撃を受けたアパートは夜間だったこともあり、住民は避難所にたどり着けませんでした。 彼らは安らかに眠っていました」。
そして 大司教は「兵士と民間人を問わず、戦争中にウクライナのために命を落としたすべての人々」との連帯を表明。また、「多くの人々が今、攻撃を避けて、安全と思われる国内の地域、さらにはポーランドなど他の欧州諸国に脱出する人も多い。誰もが自分の子供たちを隠して守ることが第一の関心事だからです」と故郷を脱出するのを余儀なくされている人々にも思いをはせた。
そのうえで、大司教は、すべての善意の人々、特に世界中のキリスト教徒に対し、「攻撃の犠牲となった人々の冥福とウクライナの平和のために祈ってください」と訴えた。さらに、「葬儀に参列し、物心両面で援助を提供し、悲しむ家族の心に希望を植え付けるよう努めている」教会の現地での活動力について説明。「私を始め、司教たちは頻繁に祈り、他の人に祈りを求め、常に神に近づき、平和を求める中で慰めを見つけるよう人々を励ましています」と語っている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)