・菊地・司教協議会会長から司教団ローマ訪問の中間報告

2024年4月12日 (金)アドリミナのために司教団はローマにいます

 今週、日本の司教団は全員で、ローマに滞在しています。といっても司教さんたちが一緒に旅行をしたくなったので団体旅行に出かけたとか言うわけではありません。

 教会法の399条の1項に、教区司教は五年ごとに、教皇様に対して、自分に任せられている教区の状況を報告しなくてはならないと定められているからで、その報告をいつするか、どのようにするのかは、聖座が決めると定められています。

2024adlimina02

 私にとっては2007年、2015年に続いて、三回目のアドリミナです。今回から、聖座から指示された「どのように」の部分が、大きく変わりました。現状の司教の総数では、5年ごとの訪問は不可能となり、いまは、今回が9年ぶりであるように、7年から9年くらいのインターバルになっています。

2024adlimina04

 以前は、日本の教会を管轄している福音宣教省と、教皇様との謁見へは、司教団全員で出かけましたが、今回からは、調整役となる福音宣教省の担当者が定めたスケジュールに従って、ほぼすべての省庁を、司教団全員で訪問することとされました。以前の時は、福音宣教省や教皇謁見以外では、それぞれの司教が担当している委員会などに対応する役所を、それぞれ訪問していました。ですから一人一人の司教がすべての省庁を訪問することはなく、スケジュールには余裕がありました。

  しかし今回は、朝8時半頃から始まって昼の1時過ぎまで、そして午後も3時くらいから6時くらいまで、ほぼ毎日、いくつもの省庁を、全員で訪問しなくてはなりません。ドレスコードもあります。省庁訪問はローマンカラーにダークスーツ。教皇謁見は司教正装です。おじさんたちばかりが黒ずくめの団体で、ぞろぞろ移動して2024adlimina06いる姿は、特にバチカンを訪れる観光客の中にあって、目立ちます。移動するのも、宿も食事も全員一緒です。

 それぞれの省庁に割り当てられた時間は、大体1時間半ほど。すべてがサンピエトロの周囲にあるのではなく、いくつかの省庁は、ローマ市内の飛び地にもあります。2025年の聖年に向けて、ローマ市内は道路やら何やらの工事中で、どこへ行っても大渋滞。移動も簡単ではありません。(なお掲載している省庁の写真は、訪問した省庁のほんの一部だけです)

2024adlimina05

 そのそれぞれの省庁の一時間半ほどで何を話すのか。当然通訳が入りますので(省庁側はイタリア語、こちらは日本語で、相互に通訳が入ります)、実際に使える時間は半分です。まずは省庁側が、自分たちの紹介や、この数年の間に(前回のアドリミナ以降)行った通達や指示などについて説明をし、その後それに対して日本の司教団からの現状の報告を行い、最後にいくつか質問をいただいて、それに答えて、それでほぼ時間は終わります。ですので、何かテーマを決めて、話し合いをするということではありません。基本的に互いの活動の報告をして、聖座側の質問に答えているという状況です。特にこの数年は、教皇様の指示による省庁の再編成が進んでいて、前回のアドリミナの時には存在していなかった省庁や(総合的人間開発省など)、合併で役割が変更になった部署もあります。ですから、その役割について初めて聞くようなこともありました。毎日いろいろと新しいことを学んでいます。そして日本の現状も伝えることができているかと思います。

 もちろん、いくつかの省庁では、日本の司教団から、様々な課題について、対応を質問されたりもしますが、基本的には情報交換です。またいくつかの省庁では、この数2024adlimina08年間に世界中の教区に出した指示を、日本では具体的にどのように生かしているのか、様々に尋ねられたりもします。

  使徒の後継者である司教にとっては、偉大な使徒である聖ペトロと聖パウロの、それぞれの墓所である大聖堂を巡礼訪問し、ミサを捧げることは重要なアドリミナの行事です。また教皇様にお会いして、日本の教会の状況を報告することも大切です。

 今回のアドリミナでは、明日、金曜日の午前中に教皇様とお会いして、2015年以来の日本の教会の現状を報告することになっています。

  今回省庁を訪問して感じていることは、やはりローマから見るとはるか極東にある日本の教会の現状はよく伝わっていないと感じることと、同時に、教皇様の省庁改革によって、それまでの教えてやる、指導してやる、という雰囲気は、少々和らぎ(少々です)、聖座の省庁は、それぞれの教区の手助けのために、宣教活動の支援のためにあるのだということが強調されたことでしょうか。特に、前回2015年と比較しても、いくつかの省庁では信徒の専門家や女性の役職者が見られるようになり、いくつかの部署を除いて、柔軟な雰囲気が広まりつつあると感じさせられます。

  明日の教皇様と司教団の謁見、そして聖ペトロの墓所でのミサ、さらに土曜朝の聖パウロの墓所でのミサで、今回の訪問は終了です。それぞれのバチカンの省庁の皆さんから、日本の教会のみなさん一人一人の宣教活動への貢献と協力に感謝の言葉あることをお伝えします。

(菊地・日本カトリック司教協議会会長・東京大司教)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2024年4月12日