・シノドス総会第2会期・10月8日の記者会見:ガザの聖家族教区に資金援助を実施、会見に菊地大司教ら新枢機卿3人も

世界代表司教会議(シノドス)総会第2会期の会合6日目、8日に行われた記者会見には、新たに選出された21人の枢機卿のうち3人が出席。また、総会参加者がガザのカトリックの聖家族教区に6万2000ユーロを資金援助したことが明かされた。ルッフィーニ長官によると、総会参加者などから集められた寄付金は、エルサレムの教区大使館を通じて、ガザの聖家族教会の教区司祭、ガブリエル・ロマネ​​ッリ神父に渡された、という。

 会見は、シノドス情報委員会委員長のパオロ・ルッフィーニ広報省長官の司会で行われ、新枢機卿に予定される21人の中から、コートジボワール・アビジャンのイグナチェ・ベッシ・ドグボ大司教、東京のタルチシオ菊地功大司教、ブラジル・ポルトアレグレのハイメ・スペングラー大司教が同席した。

 

 

 

*ルッフィーニ情報委員長:「全体会議で、総会最終報告の起草委員会の委員7人が投票で選出」

 

 ルッフィーニ委員長によると、7日の会合で、シノドス事務局のグレック局長から、バチカンの「いのち・信徒・家庭省」が2018年のシノドス後に設立された国際青年諮問機関(IYAB)のメンバーとして新たに20人を任命したことを発表の新メンバーを任命したとの発表があった。

 さらに8日の午前中の全体会議では、今シノドス総会の最終文書の起草委員会の14人のメンバーのうち7人が投票によって選出されたが、投票に先立って、起草委員会のリカルド・バトッキオ事務局長から、「委員会の使命は、最終文書の”物理的”な起草ではなく、作業を監督することにある」と説明された。

 またこの全体会議では、言語グループから「この会合の目新しい点」について報告があり、具体的に、「報告者が、キリスト教の入信と、よりシノダル(共働的)的な教会を創る上での関係の重要性、そして必要なシノドス的かつ関係的な改宗を強調した」ことを挙げた。「カリスマと聖職の関係」も強調され、「聖職者の”ナルシズム”を避ける方法、奉献生活の重要な役割、傾聴の聖職、宣教に関連する聖職に関する差別化された識別、文化的および地域的状況」について考察した、という。

 

 

 

*ピレス情報委員会事務局長:公開討論で「教会内のスキャンダルで傷ついた関係の修復、シノダルな教会の歩みに信頼が重要」などの意見

 

 シノドス情報委員会のシーラ・ピレス事務局長からは、公開討論では、18人の講演者がキリスト教の入信をテーマに意見を述べ、そのうちの何人かからは、小グループの報告者がすでに行ったように、改宗を中心に据える必要がある、との発言があった。また、ある講演者は、性的虐待問題を取り上げ、「教会内のスキャンダルによって傷ついた関係を修復する必要性、そしてシノダル(共働的)な教会の歩みを強化するために、信頼が重要性」を強調した。

 他の講演者からは、教会を刷新するために助祭職についてより深く研究することの提案や、「神の民の教会論と慈善と宣教の重要性」の指摘があり、ピレス事務局長は「貧しい人々への愛は、聖体から生まれ、福音が教え​​るように、特に疎外され、拒絶され、時には教会からも排除されていると感じる人々に対して思いやりを持つ必要がある、と強調する意見も出ました」と説明した。

 

 

 

 ・「”世俗化”した世界で、私たちは福音の証人、“預言者”になる必要」「教会指導者に女性が就くことを議論すべき」との意見も出た 

 講演者たちからはまた、「世俗化した世界では、キリスト教の入信のプロセスがますます重要になっている。福音の証人となるためには、私たちは預言者にならなければならず、コミュニティ全体を巻き込んだ若い頃からの信仰形成のプロセスが必要」との意見も出た、という。さらに、「今会合では教会の指導者に女性が就くことについて議論する必要がある」との指摘あった。

 キリストの愛に関連する赦しもテーマに取り上げられ、講演者たちは「共同体なしには、キリスト教への入信はあり得ない」と繰り返し発言し、「新しく洗礼を受けた人々への寄り添いにのさらなる取り組みを求める意見」も出た。

 最後に、ピレス事務局長は、一部の講演者から「シノドス総会の準備要綱は、教会の現実と活動の一部に十分な注意を払っていない。その重要性は認識されるべきだ。シノドス総会の文書も含め、すべての人々が理解できる分かりやすい言葉で書かれるべきだ」との主張がされた、と説明した。

 

*新枢機卿、イグナス・ベッシ・ドグボ大司教:「私たちは、教会の生き方を変える過程にある」

 

続いて、新たに枢機卿に指名された3人が発言し、まずコートジボワール・アビジャンのイグナス・ベッシ・ドグボ大司教は、今シノドス総会の主なトピックの1つ「洗礼の秘跡」に焦点を当て、「そのおかげで、私たちはキリストに倣い、神の子、キリストの兄弟として自分たちを認識することができる。私たち一人一人が、今度は他の人の中にイエスの人格と顔を見て、見つけることができるのです」と述べた。

そして、普遍教会で起きていることと、今週のシノドス総会の会合で起きていることを比較し、「互いに耳を傾け合う」こと、会場のパウロ6世ホールで「交わりと共有の並外れた雰囲気」の中で経験された関係の重要性を強調。 「教会を物質的に変えるわけではないことは承知していますが、私たちは近い将来、教会の生き方を変えることになる過程にあります」と述べ、「傾聴する能力は相互認識から生まれ、各人が教会共同体の生活の中で自分の場所を持つことができるのです」と強調した。

*新枢機卿、タルチシオ菊地功・大司教:「”シノドスの道”における共通の基盤の構築」

 

 次に菊地功大司教は、日本の教会の経験に焦点を当て、傾聴についても語った。「私の国では、2回のシノドス会議の間に、真のシノドスの基礎を築きました… 15の教区は全国会議を開催し、司祭、信徒、ボランティア、聖職者がさまざまな活動に参加し、バチカンでも実践している聖霊による対話が強化されました」と述べた。

 2023年5月から国際カリタスの総裁を務める菊地大司教は、共通の目標は「”シノドスの道”において共通の基盤を求め、見つけ、構築することです」と語った。

*新枢機卿、ハイメ・スペングラー大司教:「枢機卿に選出された驚き」

 

続いて、ブラジルのハイメ・スペングラー大司教は、枢機卿に選出された驚きについて語った。

「故カルロ・マリア・マルティーニ枢機卿の『セクエラ・クリスティ』という素晴らし著作を読み終えた頃、携帯電話が鳴り始めました。たくさんのお祝いのメッセージを受け取りましたが、その理由が分からなかった。その後、多くの友人が、教皇が私のことに言及されているので、教皇の正午の祈りの録画を見るように勧めてくれ、その時、(何が起きたのか)理解しました」と語った。

そして、「枢機卿になることは教皇と教会に仕えることを意味すると認識しているので、枢機卿任命は当然、大きな喜びだった。世界、人類、そして教会共同体自体の歴史における、今ような微妙な時期に協力する機会を与えてくれた教皇に感謝します」と述べた。

*シノダリティ(共働性)型の統治に移行する必要

 

この後、枢機卿に選ばれた3人の大司教は、記者からの質問に答えた。

「シノドスが採用すべき統治スタイル」について尋ねられたシュペングラー大司教は、「民主主義の危機」の影響を受けた世界における問題の「複雑さ」を指摘し、その結果として、「権威の問題」が重要になる、と指摘した。そして、「人は、教師よりも証しをする人に注意深く耳を傾ける。教師に耳を傾けるのは、彼らが証しする人だからです」と語ったパウロ6世教皇の言葉を挙げ、「権威は、『社会学的要因』からではなく、『倫理的、道徳的、宗教的』な証しから生じるもの」と述べた。

これに関連して、菊池大司教は、「ピラミッド型」から「シノダリティ(共働性)型」に移行する必要性を強調したうえで、「これは『コンセンサス』だけによる意思決定に帰結してはならない。私たちは、シノダリティ(共働性)型を同じように理解していることを確認する必要があります… 共通の識別力があっても、最終的な決定を下す人がいるのです」と語った。

 世界の3つの異なる地域から新枢機卿に選ばれた3人は、それぞれの教会共同体の特徴を特定するよう求められ、全員が「賜物の交換」というシノドスの理想に従うことに同意した。

 菊地大司教は、このことが「以前は西から東へ、先進国から発展途上国へ」起きたが、今ではパラダイムの変化があり、教皇フランシスコが言われた「周辺」が、かつては欧州大陸だった「中心」の不可欠な部分になっている、と述べた。

 一方、ベッシ・ドグボ大司教は、アフリカの教区の「精神的な」豊かさを強調し、「信​​仰が喜びとともに生きる」と述べ、自分が枢機卿に選出されたことを聞いた村の教会共同体の人々が通りに出て、地元のバンドが祝賀のために演奏したことを語った。 「アフリカは、小さなことで幸せになる貧しく謙虚な人々の、この単純な喜びを共有せねばなりません」と語った。

 スペングラー大司教は、ラテンアメリカの福音伝道における「ドイツ人、イタリア人、ポーランド人、ウクライナ人、日本人の移民たちの貢献を強調し、彼らはしばしば「騙され」、「苦しんだ」が、「非常に美しい資質、つまり決意」を持っていたことを指摘。

 また、アマゾン地域で「ミサが行われずに何か月も、何年も過ぎてしまう先住民の教会共同体のための特別な儀式を創設する可能性について、いくつかの質問に答え、大司教が議長を務めるラテンアメリカ司教会議(CELAM)では、担当のグループ、そのような課題実現の可能性に取り組んでいるが、それと並んで、伝統的なローマの儀式を地元住民の間で”文化化”するという考えもある、と指摘。伝統的な儀式を執り行う先住民の信者の「尊厳」を挙げ、「たとえそれがどんなに厳粛なものであっても、私たち自身のミサでは、もはやその価値を見いだせないことがある」とも述べた。

 気候変動と、リオグランデドスル州で最近発生した洪水による甚大な被害についても、記者から質問があった。この洪水は同州史上最悪の自然災害である。2024年には、南米の国で火災が76%増加し、過去14年間で最悪を記録している、とした大司教は、「シノドスが分析したさまざまな課題の中でも、『私たちの共通の家』との関係には大きな注意を払う必要がある。人類の生存に対する単なる脅威を超え、地球を神の創造物と考えると、さらに重要な次元を帯びるものになっている」と指摘した。

*「”既婚司祭”の問題には、神学的側面と時代のしるしを念頭に取り組める」とスペングラー大司教

 

 最後に、スペングラー大司教は、司祭の独身制という「デリケートな」問題について質問を受け、すでに採用されている「終身助祭」制度経験を踏まえて、「おそらく将来、これらの男性は特定の教会共同体の司祭に任命される可能性がある」と語った。そして、今後の道は「分かりませんが、神学的な側面と時代のしるしを念頭に置いて取り組むことが可能です」と結論付けた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2024年10月9日

(評論)改めて問う、「シノダリティ(共働性)に関するシノドス」とは何だろう?(La Croix)

(2024.10.7  La Croix  Mikael Corre(in Rome))

 総会第2会期の会合が開催中の「シノダリティ(共働性)に関する世界代表司教会議(シノドス)」の概念は、多くの取材者にとって、依然として理解しにくい。La Croixのバチカン常駐特派員が、この世界最小の国家での会議の舞台裏に関する洞察を語る。

・・・・・・・・・・・

 バチカンの高官の一人が信じているように、シノダリティ(共働性)に関するシノドスは、第2バチカン公会議以来、教会にとって最も重要な瞬間なのだろうか?  10月2日の午後遅くから始まった総会第2会期の会合で何が起こっているかを正確に知っている、と言いたいところだが、そう言うことはできない。

 今のところ、このシノドスの会合は、「司教の伝統的な集まり」と「教会の新しいコミュニケーション技術」による探求が融合したもの。まるで、6世紀の東ローマ帝国の皇帝)ユスティニアヌスが、シリコンバレーの「対話のファシリテーター」と会合をしているかのようだ。

 バチカンの聖ペトロ大聖堂から数メートル離れたパウロ6世ホールのバルコニーに数人の仲間のジャーナリストと腰掛けて、教会の指導者たちが円卓の周りに着席するのを見おろす。

 バチカン広報によると、テーブルは36あるが、私が数えてみると38だった。女性や「司教以外の人々」も数人招待されているが、368人の招待客のうち350人が出席した会合は、主に赤(枢機卿)と紫(司教)で構成されている。そして、緑のアクセント、プラスチックのヤシの木が12使徒になぞらえたのか12本、ホールに並んでいる。

 装飾とセッティングは結婚式場に似ている。少し高い位置にある”名誉テーブル”には、シノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿、シノドス総括報告者のジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿、教皇フランシスコ、シノドス事務局次長のシスター、ナタリー・ベカールなど数人の高官が席についている。他のテーブルも同じように、男性たちの間に女性が1人ずつ座る。

 「司教でない参加者の存在は、この会合の『司教的』側面を減じるものではない」と教皇は語っている。それは何を意味するのか?

 教皇が「調和」(教皇は10月2日の会合の冒頭のあいさつで、この言葉を12回使った)について語るのを聞いていると、会合に参加したちが歌い出す様子を想像できるかもしれない。世界中から集められたメンバーで構成する合唱団が、会合が終わる10月27日まで、完璧に調和して歌うことが求められているのだ。

 「合唱団」のイメージはそれほど的外れではないかも知れない。パウロ6世ホールでは、毎日の会合が聖歌で始まり、不協和音と相違の表現を混同しないように注意が払われている。「私たちは”交響曲の芸術”を共に練習するよう求められています」と教皇は語っている。

 東ローマ帝国のビザンチン時代、「交響曲」はコンスタンティノープル総主教と皇帝、つまり信徒の間で最初に理解し合う理想の形だった。私たちはもうその時代にはいないが、教皇フランシスコが望んだ今回の世界代表司教会議(シノドス)の会合は、教会の歴史における非常に古い疑問に触れている。権威を持つのは誰か? 教皇か、それともシノドスか?

 シノドスは、昨年10月の第1会期の会合にオブザーバーとして招待された正教会の高位聖職者にためらうことなく答えている。今回のシノドスの会合に対する、その高位聖職者の懸念は、2つの側面に基づいていた。1つ目は、一般信徒の存在(教皇の「司教的」性格に関する発言を説明するのに役立つ)。2つ目は、この会合が「審議、決定する会議」ではなく、「諮問会議」にすぎないということだ。

 「正教会の『シノダリティ(共働性)』に関する理解は、この会議が提示する『シノダリティ(共働性)』の定義とは非常に異なっている」と正教会のジョブ・ゲッチャ大主教(トルコ・ピシディア)は語っている。

 例えば紀元451年のカルケドン公会議で起きたように、「教皇は司教たちの声の中の1つに過ぎない」と司教たちが宣言することを、2024年10月のバチカンの状況において想像するのは難しい。そして、バチカンの広報局長官は、記者会見で「シノドス総会第2会期会合のまとめを『最終文書』と呼べないかもしれない。何と呼ぶか​​まだ決めていない」と説明した。

 ただ一つ確かなことは、議論の最後に、教皇が「最終決定を下す」ということだ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。
LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.
2024年10月8日

・シノドス総会の全体会議で、10の課題検討グループの代表が作業の現状と見通しを説明

(2024.10.3  Vatican News   Salvatore Cernuzio)

   2日に行われたシノドス総会第2会期の初の全体会議では、教皇フランシスコが2月にさまざまなテーマの神学的および教会法的な側面を探求するために設置した10の検討グループのメンバーが、他の3つの委員会の代表者とともに、これまでの作業状況と今後の見通しについて説明した。

 これらのグループのそれぞれの主要テーマは、「教会における女性の役割と女性の助祭の可能性」「戦争による東方教会の消滅の危険性」「アフリカの一夫多妻主義者に対する司牧的アプローチ」「デジタル時代における福音の宣教」「司教と司祭の関係、そして神の民との関係:司教候補者の選出基準」「各国での教皇大使の活動に関する『シノドス』的視点とエキュメニカルな対話」など。

 総会第2会期の初回の全体会議は2日午後、教皇の冒頭講話とシノドス事務局長のグレック枢機卿およびシノドス総会総報告者のジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿によるスピーチで始まり、教皇が昨年2月に神学および教会法のレベルで特定のトピックを探求するために設置した10の検討グループの各代表者に発言の機会が与えられた。

 各グループの代表者は、短いビデオで紹介され、最大3分間のプレゼンテーションを与えられ、これまで実施された作業と、シノドスの父と母と研究グループの間で継続的な対話(シノドスと「並行」する道を仮定した人々とは反対)を見据えた今後の計画について概説した。

 グループがまとめる「回答」は、今総会終了後の2025年に教皇に提出されるが、取りまとめに当たっては、総会の貢献と成果が考慮される。オロリッシュ枢機卿は、グループのメンバーたちを「旅の仲間」「対話者」と表現した。検討グループの代表による説明は次の通り。

*「一夫多妻制―最大10人の妻を持つ男性とどう関わるべきか自問中」

 

 アフリカのさまざまな国における「一夫多妻制」という複雑な問題を扱っているグループの検討状況は、アフリカ・マダガスカル司教協議会(SECAM)会長のコンゴのフリドリン・アンボンゴ枢機卿が報告した。検討は「一夫多妻制の状況にありながらキリスト教の信仰を受け入れた人々」あるいは「改宗後に一夫多妻制で暮らす洗礼を受けた人々」に教会が司牧面でどのように寄り添うことができるかという問題から始まった。

 数か月前、同性愛者への祝福の可能性(信任状宣言によって導入された)に反対を表明したアフリカの教会は、現在、子供の存在、経済的困難、感情的なつながりなどの問題を考慮し、最大10人の妻を持つ男性と、どのように関わるべきかを自問している。

 枢機卿は、「SECAMはこの現象のさまざまな形、関係者の動機、教会の教義を分析するつもりである」と説明した。カトリックの教義では、一夫多妻は「神が望んだ夫婦の理想ではない」とされているが、現状から、これだけでは十分ではない。「親密さ」「積極的な傾聴」「サポート」が必要だ。専門家によって進められている検討作業は、文書にまとめられる予定だ。。

*「教会における女性の役割と女性助祭」の問題は「縮小」と教理省長官

 

 バチカン教理省のビクター・マヌエル・フェルナンデス長官は、この問題を検討するグループを代表して「聖職者の形態」について発言。その中で、「教皇フランシスコの使徒的勧告「福音の喜び」、同「愛するアマゾン」、カテキスタの使命を定めた自発教令「アンティクム・ミニステリウム」などで示された見解の一部が復活する」ことを予想し(これらの文書は「あまり受け入れられなかった」)、長官は「教会の活動と指導への女性の参加という差し迫った課題」に焦点を当てた。

 この課題は、教皇が設置した2つの委員会が取り組んでいるテーマで、女性を助祭に迎え入れる可能性の問題も含まれている。だが長官は「教皇がこの問題はまだ成熟していない、と公に表明していることは承知している… 教皇の心の中には、一部の女性に助祭を与える可能性について急いで話し合う前に、まだ検討して解決すべき問題が他にもあるのです」と自己の見解を述べた。

 長官によると、助祭職が「一部の女性にとって一種の慰め」となり、「『教会への参加」という、より決定的な問題がなおざりにされるリスクがある」とも説明した。

 さらに長官は、この課題については信仰の教義と関連して「徹底的な研究」を続けており、教会史における「真の権威を行使した」女性たち(カノッサのマティルダ、ビンゲンのヒルデガルト、ジャンヌ・ダルク、アビラのテレサ、ママ・アントゥラ、ドロシー・デイ)の分析と、インドネシアやアフリカなど”遠隔地”においても教会で重要な役割を担う今日の女性たちの声に耳を傾けることとを合わせて検討している」としたうえで、女性助祭職の問題は「縮小」されており、「私たちは『より決定的な女性の存在のためのスペース』を広げようとしている」と述べた。

 

*「女性を含め最も貧しい人々の叫びに耳を傾けている」

 

 女性の役割は、地球と貧しい人々の叫びに「耳を傾ける」ことに専念するグループの検討の中心課題でもある。グループのコーディネーターのオーストラリア人、サンディー・コーニッシュ氏は、キリスト教コミュニティと慈善、正義、開発のために日々働く人々との絆をいかに強化するかを考察の中心に据え、「女性は世界のあらゆる場所で、最も貧しい人々の中の最貧困層に属している」と強調した。

 グループの検討作業では「彼女たちの声」のほか、貧困や疎外を経験する人々と共に「歩む」ボランティアや専門家の声も取り入れる。また、「カースト差別の被害者など、長年排除されてきた集団」にも注目する。コーニッシュ氏は、「障害についてすでに話し合っている司教や教区指導者も参加するが、これらの障害は創造性と具体的な対応を刺激する可能性があります」と指摘した。

 

 

 

*「爆弾、戦車が、人々も、希望も破壊し、東方教会は『消滅の危機』に瀕している」

 

 バチカン東方教会省のクラウディオ・グジェロッティ長官は、最近の東方教会を取り巻く状況について、「爆弾、戦車が人々だけでなく希望も劇的に破壊している」、そして「戦争で荒廃した地域の小さく脆弱な東方カトリック教会を標的にしている」と説明。「彼らは消滅の危機に瀕しており、彼らの喪失は教会にとって取り返しのつかないものとなるだろう」と警告した。

 そして、東方教会省として、「より強く、より組織化されたラテン系の信者たちに、大量移住後の兄弟たちの暮らしを良くする手助けを依頼する」任務を引き受けたい、と述べた。また、「一部の教会の信者たちの大半が戦争で荒廃した自国ではなく、国外に出る」などの現状があり、実態などを把握するアンケート、東方教会省の下でシノドスの道”の枠組みを超えた旅を始めることも検討されている、と説明した。

 

 

*「デジタル社会の急激な進展に対応した福音宣教」

 

 現実世界からデジタル世界へ― アメリカ人専門家のキム・ダニエル氏は、仮想世界における福音宣教に関する検討グループの活動を説明。「教会活動における新しい福音宣教のページは、周縁部に到達できるようにし、主を知らない世界における最初の主の福音の宣教を表しています。もちろん、この『流動的な場』の機会と課題を見極める必要があり、それには、教会にとっての『文化融合の原動力』も含まれます」と述べた。

 グループには、教会と学界のさまざまな分野の専門家が参加しており、活動は、デジタル文化ネットワークに携わる若者を中心に、広範囲に傾聴することで特徴づけられている。プロジェクト「教会はあなたの声に耳を傾けます」、ソーシャルメディアに関するコミュニケーション部局の司牧的考察「完全な存在に向けて」などだ。

 

 

 

*信仰一致の枠組みにおけるペトロの首位権

 

 シノダリティ(共働性)と首位権の関係、聖餐における相互の友好的な歓迎、そしてキリスト教復興運動とのつながりが、マロン派のポール・ルーハナ司教が代表を務めるこの検討グループのポイントだ。

 作業内容には、「教会の実践における信仰一致の旅の受容の成果」の分析と、「新しい信仰一致の取り組みの枠組みにおける『ペトロの奉仕』の実践に関する実践的な提案」が含まれている。教皇文書「ローマの司教」は、会議や考察の基礎となり、宗派を超えた結婚、家族、運動の経験は、聖体でのもてなしについての考察を広げるのに役立つ。また、「賜物の交換の精神から何を学べるか」を理解するために、宗派に属さない運動を「前向きに」見ていく、という。

 

*「司教たちに求められる『透明性』の向上、地域の状況への配慮…」

 

 司教、司祭、助祭の奉仕と神の民との関係に関する検討グループの仕事は、より厳密に教会的なものだ。ミュンスターのフェリックス・ゲン司教は、「神の民の期待」である「透明性」の向上、地域の状況へのさらなる配慮、「陰謀の疑いを避けるために候補者の選出に地域教会がさらに関与すること」、そして「真にシノドス的な教会」のイメージを回復する必要性を考慮して、「司教と地方教会の関係を深める」必要性を強調した。

 

 

 

*「司教たちと奉献生活者の関係の生かし方における違いなどを検討」

 

「交わり」、「位階制」、「シノドス性」、そして「信頼」、「友愛」、「姉妹愛」は、司教と奉献生活の関係に関する検討グループを導くキーワードだ。そして、司教会議、上級司祭、教会の集合体、地方教会間の協力関係。

 奉献・使徒的生活会省の次官、シモーナ・ブランビッラ修道女は、特に「司教たちと奉献生活者の関係の生かし方における違いとニュアンスを検討している」と説明した。世界の一部の地域では「関係は効果的で実り多いが、他の地域では困難であり、奉献生活は機能主義的に捉えられている」とも。

 

*「司祭のための指針のシノダル(共働的)の見地からの見直し」

 ホセ・コボ・カノ枢機卿は、司祭の生活、養成、奉仕に関する1985年の文書である「司祭制度に関する根本指針」の見直しを担当するグループの作業状況についてビデオで説明。

「指針」は「まだ受け入れられている段階であり、明確な指針が必要である」とマドリード大司教は述べた。多くの「断片」の提案と洞察を通じて、神学校の養成、司祭の奉仕、召命の司牧、司教との関係、シノドス性に関する教育などの問題に関する指針の大きな「モザイク」が準備されるだろう、と述べた。

 

 

 

*教皇大使の新しい働き方

 

 最後に、シドニーのアンソニー・フィッシャー大司教は、最後のテーマの検討グループは、「教皇大使の現在の役割を再考する」という任務を負っており、これまで果たすことが求められてきた”外交機能”よりも、「司教間の一致、友愛、シノドス性」を促進する教皇大使としての責任に関するもの、と説明した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2024年10月6日

・「シノドス総会第2会期の冒頭からー教会における女性の役割はこれほど無視されていいのか?」女性神学者が訴え(LaCroix)

(2024.10.5 La Croix   Anne Soupa)

 世界代表司教会議(シノドス)通常総会第2会期が始まって早々、この会合で、女性の役割について具体的な議論することが拒否されたことが分かった時、フランスの神学者でエッセイストのアンヌ・スーパ女史は深い失望を表明、聖職者による女性の「侮蔑」、さらには女性の「悪魔化」の長年の歴史の一部となった、と批判し、次のようにLa Croix に語った。

(Photo from pexels.com / CC0)

 

 

*女性を「聖職者階級」から排除する教皇の姿勢に疑問

 

 「女性の役割」を今会合の具体的な議論から除外することは教皇フランシスコの決定であり、「聖職者階級」から女性を排除することを再確認するものです。

 教皇が女性を「聖職者化」したくないことはよく知られており、代わりに、男女を問わず信徒が洗礼によって教会の使命に参加することを認める司祭職に頼ることを好まれる。しかし、なぜこの屈辱的な決定と女性のための前向きな措置とのバランスを取らなかったのでしょうか。

 教皇の心の中で、そしておそらく同性愛に関するバチカン教理省の宣言「 Fiducia Supplicans」 をめぐる論争*に巻き込まれる中で「女性は重要ではない」と思っている、という印象を与えます。

 相反する圧力に直面して、教皇は慎重に舵を取ることで満足しているようです。左に1ストローク、右に1ストローク、そして教会はこの問題で漂流しています。しかし、これらの微妙な戦略の背後には、人類の半分がいるのです。彼らはどのように見なされているのでしょうか?

 *「カトリック・あい」注:バチカン教理省は2023年12月に、祝福の司牧的意味に関する宣言「Fiducia supplicans」を発表した。その内容は、「結婚に関する教義を変えるものではない」としたうえで、「司教は状況に応じてその適用を識別できること」「司牧的祝福は典礼的・儀式的祝別とは同等ではないこと」を確認するものだったが、それ以来、世界の司教や司教協議会からさまざまな意見が出され、混乱を招いたことから、2024年1月初めに改めて教理省長官名で声明を出している。

 

*教会に女性を”統合”するとが、なぜそれほど難しいことなのか

 

 二つ目の驚きは、女性の教会への”統合”を進めることが、なぜそれほど難しいのか、ということです。”世俗的”な組織が、変化の流れに抵抗するのは驚くべきことではありません。gender corporatism(例えば女性の貢献を過小評価するような集団的概念)と特権の維持は強い力をもっています。

 しかし、教会は”世俗的”な組織ではありません。友愛と姉妹愛を体現する存在であるべきです。イエスは、女性を従属的かつ目に見えない存在に追いやったことはありません。女性に男性と同じように自由であってほしい、と願われたのです。イエスの教会は「人間性の専門家」であり、私たちは「愛する姉妹たちよ、教会の扉はあなたたちに大きく開かれています。一緒に王国を築きましょう!」という呼びかけを聞かされるべきです。

 

 

*イエスの言葉に反し、教会は1000年以上も女性を男性より劣った存在と見做してきた

 

 しかし、現実の教会は、そうではありません。1000年以上もの間、聖職者は、女性を怖がり、女性を遠ざけ、「貞潔の誓いを脅かす存在」と見なし、悪者にしてきました。そして、男性だけの聖職者は、神の「男らしさ」を誇張してきました。これは欠陥のある根深い概念であり、女性がキリストを代表することは、考えにくくなっています。時が経つにつれ、男性と女性が反対側に分かれ、性別の役割が固まっていきました。

 そして、これを正当化するために、ローマは「違い」という概念を強調し、女性に妻や母になるという「使命」を与え、聖職から排除してきました。今や教会は、イエスの精神とはまったく無縁の「存在論的不平等」を確立しています。明らかに、福音の教えよりも”世俗的”な共同体の概念に固執しています。女性を「男性よりも劣っている」と見なすことで、教会はカトリックの女性信者たちを”西洋世界の最後の植民地”にしているのでしょうか。このリスクに直面して、教導職がこの”アパルトヘイト”を終わらせようと急いでいないのは驚くべきことではありませんか。

 

*なぜ女性たちは現在の状況を容認しているのか?自尊心がないのか?

 

 3 つ目の驚きは、私たち女性自身の問題です。なぜ私たち女性は、このような状況を容認しているのでしょうか? 私たちは自尊心をあまり持たず、自分自身をあまり尊重していないのでしょうか? 神の目に私たちは価値がないのでしょうか?人権、解放のモデルとなるべき組織の中で、私たちは永遠に脇役に追いやられることをいとわないのでしょうか?16 世紀のフランスの政治理論家エティエンヌ・ラ・ボエシが私たちに思い起させるように、私たちは自発的な奴隷状態に加担しているのでしょうか?

 一部の司祭が今でも修道女たちにささやきます。「身をかがめることで謙虚さが得られる」-この言葉を信じてはいけません。「服従することで、主イエスの苦しみを静かに分かち合うのです」-いいえ、この偽りの謙虚さは怠惰にすぎず、美徳に偽装した恐怖に過ぎません。創造主から与えられた才能を無視することは、聖書にたとえ話として出てくる「才能を投資しなかったとして、主人に叱責された不誠実な管理人」の態度に似ています。

 私たちの才能は創造主の賜物であり、私たち自身のものではありません。管理人は自分自身を軽視することで、主人に対する敬意も示しました。「私はあなたが厳しい主人だと知っています」ー私たちは神に、このように語っていますか?自尊心は、何よりもまず、神の創造行為に対する感謝から生まれます。「私は素晴らしく造られています」と詩篇作者は言います。それを尊重するためにあらゆることをしないわけにはいきません。

 

 

*イエスのメッセージに忠実でありたいなら、「女性」は全信者にとって緊急の課題だ

 

 女性に対する教会の”父権主義的”な姿勢は、穏やかで、一部の人にとっては慰めに見えるかもしれません。対立から距離を置き、二次的な役割を受け入れることで緊張を解消することを望む… しかし、これは自尊心を持つことにはまったく役立ちません。確かに、女性の尊厳は認められているが、それは天国でのみ。確かに、褒め言葉はあふれ、時には過剰なほどだが、実際的な意味合いはない。確かに、責任は与えられるが、それは司牧職の核心からはほど遠い…。私たちは騙されやすいのでしょうか?

 では、私たちは何を望んでいるのでしょう? 家父長制の保守主義の静かな魅力か、それとも福音の自由か? 教会がイエスのメッセージに忠実でありたいなら、女性問題は、すべてのカトリック教徒にとって緊急の課題なのです。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。
LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.
2024年10月6日

・シノドス総会出席の菊地大司教が国際カリタス本部で「今日の日本のカトリック教会」をテーマに講演

「今日の日本のカトリック教会」をテーマにした菊地功大司教の講演 2024年10月4日 ローマ、国際カリタス本部「今日の日本のカトリック教会」をテーマにした菊地功大司教の講演 2024年10月4日 ローマ、国際カリタス本部 

(2024.10.5 バチカン放送)

 シノドス参加のためローマを訪れている日本の司教協議会会長の菊地功・東京大司教が4日、大司教が総裁を務める国際カリタス本部で「今日の日本のカトリック教会」をテーマに講演した。

 講演の冒頭で、菊地大司教は、東北のある小教区を司牧訪問した際に撮影した一枚の集合写真を映し出し、多くの外国出身の信者と、わずかな日本人の信者で構成されたこの共同体の写真を、今日の日本のカトリック教会を表す一例として示しつつ、各種のデータとともに「リアル」な日本の教会の姿を様々な角度から紹介した。

 現代の日本のカトリック教会につながる教会の歴史を振り返り、1549年のフランシスコ・ザビエルの到来から始まった福音宣教、北から南まで日本全土を吹き荒れた迫害と殉教、その後、長く厳しいキリスト教の禁教とキリシタン潜伏の時代を経て、1862年に来日したプチジャン神父による信徒発見などを紹介。さらに、信徒発見以降の歩みを見つめる中で、宣教師たちが、隠れキリシタンたちを困難を伴いながら探し求め続けることから教育を通しての宣教に重点を移すことを決意した1890年を「日本の宣教における優先事項の転換点」と位置付け、教育分野への取り組みが、日本の各界にカトリックの人材を輩出することにつながった、と説明した。

 そして、1873年の高札の撤廃でキリスト教禁制が廃止された翌年には、東京では築地教会と神田教会が設立されるなど再出発していく日本のカトリック教会の姿を映像で示したのに続いて日本のカトリック教会の諸教区の分布とその管轄を紹介。各教区が置かれた環境がそれぞれ異なることを示すために、首都圏を中心とした東京大司教区、地方の教区である新潟教区、元々カトリック信者が多い長崎大司教区の、信者数や、人口比、小教区数などの統計を比較した。

 さらに、今日の日本の教会のリアルな姿を反映するものとして、菊地大司教は、かつて司教として司牧を託されていた新潟教区、また現在司牧している東京大司教区の小教区の例を語った。大司教は、新潟教区に属する秋田県のある小教区をかつて司牧訪問した際に、当時の主任司祭から「今日は大勢の信徒がいる」と聞いて聖堂に入ると10人くらいしかいなかった、というエピソードを回想。「このシノドス総会でも様々な大陸・地域の参加者たちが「小教区」という言葉を何度も口にしますが、各々の「小教区」の環境や条件は全く異なっており、地域の現実を尊重することが大切です」と話した。

 また、特に地方においては神道や仏教の存在感が強く、カトリック系の学校や病院等が整っていても宣教が難しいのは、「キリスト教には献身が求められるから」とし、「たとえば、キリスト教は毎週日曜日にミサに行かねばなりませんが、神道や仏教では、神社や寺には行きたい時、必要な時に行く、という大きな違いがある。多くの日本人が宗教の必要を感じていなくても、日本人は本来、非常に宗教的な人々。しかし、こうしたコミットメントの要求が日本におけるキリスト教の広がりを難しくしている」と語った。

 別の問題として、日本における人口の減少と、社会の高齢化、少子化を挙げ、これらの問題がカトリック教会にも影響を及ぼしている、と指摘。その一方で、日本には、中国人、韓国人、フィリピン人、ベトナム人、ブラジル人などの、定住者や、労働ビザで来日した人々など移民の存在があり、その中に多くいるカトリック信者たちが、日本のカトリック教会に活気を与えている、と述べ、その例として、地域のフィリピン人たちの共同体の努力で創立された新庄教会(新潟教区・山形県)を挙げた。

 さらに、日本の司教たちのバチカン定期訪問(アド・リミナ)が今年4月に行われたが、参加した17人の司教のうち外国人が5人を占め、司教団も国際化していることを示している、とし、東京大司教区の小教区を核に形成された様々な外国人信者の共同体や言語別のコミュニティーを紹介しながら、「多様性における一致」が大きな課題となっていることを説明した。

 そして、バチカン福音宣教省のタグレ副長官(初期宣教部門担当)が、海外にいるフィリピン人たちに会うたびに語る「あなたがたがここにいるのには、それぞれ理由があります。皆さんは神様に遣わされました。皆さんは宣教者です」という言葉を引用し、「これは日本のカトリック信者にも言えること」と述べた。

 最後に、東日本大震災の被災地のベースでカリタス・ジャパンが根強く復興支援の活動を続ける中で、人々がカリタスのボランティアを「カリタスさん」と呼ぶようになった、とし、「人々が『カリタス(神の愛)』とはどういう意味かを問うことで、福音宣教の一つの形になっていくでしょう」と締めくくった。

(編集「カトリック・あい」)

2024年10月6日

新*10月5日の記者会見:総会第2会会期の討議の4日から5日の模様について

(2024.10.5 Vatican News   Antonella Palermo)

 世界代表司教会議(シノドス)通常総会第2会期の 5 日、定例記者会見に出席した参加者数名が4日午後から5日朝にかけての討議などについて語り、会合が平和と人権尊重を求める機会となることを期待するとともに、現在世界中に広がっている戦争の原因となっている、あらゆる形態の原理主義や武器取引を非難し、皆が「平和の職人」となるよう呼びかけた。

 

 

*レバノンのマロン派司教「危機的状況に世界は沈黙を続け、暴力にゴーサインを出している」

 

 イスラエルの無差別攻撃で危機的状況にあるレバノン情勢について、バトゥルンのマロン派のムニール・ハイララー司教は「残念ながら、世界は沈黙を続け、あるいはこの暴力すべてにゴーサインを出しています。キリスト教の価値観とは無関係な政治的、経済的利害関係が多すぎるからです」としながら、「希望はまだ残っており、この国が平和のメッセージであり続けることができる」と語った。

 そして、2つの国家と2つの民族(イスラエルとパレスチナ)の承認に関する決議がイスラエルの政治家によって常に拒否されてきたことを思い起こしつつ、「私は、イスラエル人全員が暴力に賛成しているとは言いません… だが、自国の利益が最優先され、西側諸国でさえ、私たちを支持しないのです」と述べた。

 そうした中で、今回のシノダリティ(共働性)のためのシノドス総会が「暴力と貧困に最も苦しむ人々の重要性を改めて強調する良い機会」になる、とし、「教会がシノドス総会を通じて、共に生きること、他者を尊重すること、他者への恐怖から自分たちを解放することの必要性を伝える使者となることが、最も大きな決断となるでしょう… これは人類に対する偉大な提言の第一歩となる」と総会への期待を表明した。

 

 

*ハイチの大司教「慢性的な不安定、武装団による虐殺…私たちは絶望している」

 

 ハイチのカパイシャンのローネ・サトゥルネ大司教は、ハイチが慢性的な不安定な状態にあることを指摘。「これまで秩序と平和をもたらすはずだった人々は、その責任を果たしてこなかった… 人間の尊厳の尊重にはほど遠い現実があります」と嘆いた。

 大司教は、武装ギャング団によって70人が死亡し、多くの家屋が放火され、多くの人が避難を余儀なくされた、3日に起きた虐殺事件を取り上げ、「ギャングたちは暴力行為を予告していたにもかかわらず、それを防ぐための措置が何も取られなかった… 私たちは絶望しています、ハイチの首都では人口の70%が避難を余儀なくされている」と指摘。カトリック教会の多くの教区が閉鎖されたため、若者の生活と教会の使命に悪影響が及んでいることを強調。「経済的な観点から見ても、国が南北に分断され、連絡が取れないため、過去5年間は何の進歩も見られなかった」とも述べた。

 だが、このような中で希望もある。大司教は「交わり、参加、使命」が強化されるべき基本的な価値観として浮上しており、「多くの宗教団体が、新しい世代にこれらの価値観を伝え、いつの日か彼らがこれらの価値観に基づいた社会を築けるようにしようとしている」と説明。ハイチ司教協議会も、いわゆる”政治的移行期間”が長くなりすぎないように求め、政治的移行の責任を引き受ける「多国籍軍」のスポークスマンとして活動してきた、と述べ、ハイチの司教たちは、カリブ海諸国での出来事に関心を示してくれた教皇に深く感謝している、と語った。

*フィリピンの司教「国際、国内の人の移動の中で、地方の人々を脅威とみなす問題も」

 次に、フィリピンのカルーカン司教でシノドス情報委員会のメンバーであるパブロ・ビルヒリオ・S・ダビド司教が発言。シノドス総会の昨年10月の第1会期からこれまでに行われた教区司祭の大陸レベルの協議について語り、フィリピンに影響を与えている人の移動に照らして、シノダリティ(共働性)と宣教の関係を説明した。 フィリピンの人の移動は、「海外で働くために出国するという国際的なもの」と「地方から都市に移動するという国内的なもの」があり、国内に関しては、一部の都市住民が地方の人々を脅威とみなすなどの問題が起きている。そうした中で、「2015 年にフィリピンに来られた教皇は、私たちに郊外での活動に力を入れるように言われ、私たちはそうしました。私の教区に 20 の宣教施設を作りました。教区は宣教の観点から大きく変化しています」と述べた。

 

 

*カナダの大学教授「”グローバル・サウス”が対話の中心的な役割を担うようになってきた」

 

 カナダ・オタワのセントポール大学で組織神学を教えるカナダ人教授キャサリン・クリフォード氏は、総会第2会期の最初の週の印象を語った。

 「総会参加者の間には、昨年10月の第1会期に参加した方も多く、お互いを知っているため、誠実で率直な雰囲気が広がっていました」としたうえで、「西洋世界も、教会コミュニティが直面している変化を受け入れなければならない… 私たちは、グローバル・サウスが私たちの会話においてますます中心的な役割を担っているのを感じていますす」と述べ、人口動態の観点から多くの課題が出てきており、教会が空になるプロセスがあるにもかかわらず、「教会は消滅していない」ことを明確にすることが重要、と指摘した。

 

 

*バチカン広報長官「貧しい人々、若者、女性を積極的な参加者として迎え入れる必要が話し合われた」」

 

 最後にルッフィーニ長官が4日午後と5日朝に議論されたトピックを要約。「貧しい人々の叫びに耳を傾け、彼らを単なる受益者ではなく参加者として迎え入れる必要」について話されたことが特に印象に残った、と述べる一方、「教会における女性の役割」に関して多くの発言があり、「教会に奉仕したいと強く思っている女性やLGBTQ+の人々が疎外されることがあってはならない」との声も出た、と説明した。

 また、さまざまな考察の中心にあった問いかけの1つは若者に関するもので、「今日、彼らを教会に惹きつけるものは何か?」だった。最も広く理解されているのは、「若者は呼吸する必要がある」ということ、そして「大人も若者と共に呼吸せねばならない」ということで、そこに、いわゆる「新しい福音宣教」の完全で理解しやすい意味が与えられる可能性が高い、との印象を語った。

 このほか、エキュメニズム、教区レベルのシノドス、今回のシノドス総会など一連の会合後の教皇の役割などの話題も取り上げられ、シノダリティ(共働性)が「聖職者主義」と戦う方法を提供していることも明確になった、という。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

2024年10月6日

・「『女性助祭』の否定は、『壊滅的』な対応」ー女性信徒の団体がシノドスへのバチカン教理省の対応に抗議(Crux)

(2024.10.5 Crux  Staff )

  世界代表司教会議(シノドス)総会の第2会期の冒頭で、バチカンの教理省長官が「女性助祭を認める余地は現時点ではない」と言明したことに、カトリックの女性信徒の改革グループ「Catholic Women’s Council(CWC)」が「壊滅的」と批判、抗議活動の計画を発表した。

 CWCのレジーナ・フランケン欧州議長は5日、ドイツの司教協議会の公式サイトKNAに「バチカンには、教会のオフィスで働く女性の問題に真剣に取り組む意欲は見当たらない」と強く批判した。教理省のフェルナンデス長官は2日午後の第2会期の全体会合で、教理省は女性助祭の叙階について、「これまでの検討の結果、その余地はないと判断した」と述べたうえで、この問題のさらなる検討の継続とともに、女性の助祭叙階なしの教会のおける指導的な役割についてより深い検討を進める」と語っている。

 フランケン議長は、これを「遅延戦術」と呼び、「女性たちは、もはやこのような戦術を受け入れない」としたうえで、「フラストレーションは今や生産的な怒りに変わりつつある」と述べ、今後数日以内にローマで抗議行動を行う、と明言。「私たちは、教会で女性を”癒す”ために使われた戦略や操作的な戦術を、ローマと世界のソーシャルネットワークの両方で可視化したいのです」と語った。

 また、「さまざまな教会の役職に対する女性の適格性に関する神学的研究は60年以上にわたってなされてきましたが、結果に失望しています。これまで、私たちの組織は、常に教会の責任者たちと協力する意欲をもっていたが、今や問題は、そうした協力が可能かどうか、という段階です」と述べている。

 彼女だけが不満を口にしているわけではない。ドイツのカトリック慈善団体「 Renovabis 」のリーダーで、シノドスのオブザーバーでもあるトーマス・シュワルツ神父は、自身の経験についてブログに投稿し、「あれは何だったのか? シノドス会場での熱狂ではなく、幻滅」というタイトルで、「バチカン教理省の長がついに、女性の助祭職の問題に関して、『教皇がすでに予見可能な将来にこれについての決定はないことを明確にしており、教理省から公式文書が間もなく発表される予定だ』と発表した時、 私は”少し濡れたプードル”のように感じた」と書いた。

 そして、「シノダリティ(共働性)の原則を実践し、教会活動のあらゆる分野でシノダリティをより深く実践する任務を負っている会合の参加者として、私は、このようなやり方とは異なる手続きを期待していました」とし、「正直に申し上げて、私はかなりイライラしていました。内容的にも、シノドスの会合の扱い方にも、です」と告白。

 さらに、「このように感じているのは私だけではないことを知って、慰めになりました… 3日の休憩中の会話で、初めて小グループに分かれた”円卓会議”に集まった時に、分かりました。シノドス・ホールに集まった総会参加者の多くが、現状を”体系化”することで、『男性中心で、還元主義的な人類学』の非難に身をさらすことに気づいている印象を受けた。そうだからこそ、叙階された聖職への女性の参加に強い懸念を抱いている人々や、完全に反対している人々でさえ、真剣で神学的に健全な議論を求めているのです」と語った。

 また、シュワルツ神父は、シノドスの参加者の間で「他人の立場に立とうとする」雰囲気があることを称賛し、それが「私をより和解的で、若干の希望に満ちた者ものにしています」とも述べている。

 現在、CWCのウェブサイトには、12日に予定されているローマでの2つの公開イベントに関する情報が含まれている。その一つは、同日夕にシノドス・ホールの外で「平等」と書かれたポストカードを参加者に配布するための集まり、もう一つは「バチカネッレ」と呼ばれる午後の演劇のパロディで、「女性司教」と「シスター教皇」と表現されたキャラクターが。男性が司祭職の資格があるかどうかについて話し合うものだ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。
 Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.
2024年10月5日

・「女性の助祭職に”積極的に判断”する余地はまだない」ーシノドス総会第2会期の初日に、バチカン教理省長官(Crux)

(2024.10.3   Crux   Senior Correspondent    Elise Ann Allen)

 世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会の第2会期初日、2日午後の全体会議で、バチカン教理省のビクトル・マヌエル・フェルナンデス長官(枢機卿)が、2021年10月の”シノドスの道”の始まりから議論になってきた女性の助祭職について、”積極的”な判断をする余地がまだない、との判断に達したことを明らかにした。

 長官は、全体会議の参加者たちに対して、女性の助祭職について「我々がこれまで検討してきた次の結果を、この場で共有したい」としたうえで、「教皇が設置された女性の助祭職に関する二つの委員会での検討結果を考慮に入れたうえで、教理省は、女性の助祭職に関し、教導職が、叙階に踏み切るという積極的な決定をする余地はまだない、と判定する」と述べた。

 教皇フランシスコは、女性の助祭職の問題を研究するために2つの異なる委員会を設けたが、いずれの委員会も最終的には結論に至らず、検討結果だけを教皇に提出していた。

 女性の助祭叙階は、昨年のシノドス総会第1会期の会合でも最も熱く議論されたトピックの1つであり、関連して、司祭の独身制、女性の司祭の叙階、LGBTQ+コミュニティの広範な受容など、他のデリケートな問題にも触れられていた。

 だが、教皇は今年5月、これらの問題をシノドス総会での議論のテーブルから外し、代わりに、シノドスの議論中に浮かび上がったさまざまな点について引き続き熟考するために自身が設置した10の検討グループにそれらを委ねた。同じ月に放映された米CBSニュースとのインタビューで、「女性が助祭となり、教会の聖職者として参加する機会」があるのかとの問いに、「それが聖なる使命をもつ助祭を指すのであれば『ノー』です。しかし、そうならなくても、女性はこれまでも助祭としての機能を持っていたと言えるではありませんか。女性は、聖職者としてではなくても大きな奉仕をしています」と語っていた。

 3月にシノドス事務局が発表したように、10の検討グループには以下のテーマが割り当てられている。

 ①東方カトリック教会とラテン教会の関係 ②貧しい人々の叫びに耳を傾ける ③デジタル環境におけるミッション ④宣教師シノドスの視点から見たRatio Fundamentalis Institutionis Sacerdotalisの改訂 ⑤特定の聖職者形態に関する神学的および教会法上の事項 ⑥シノドス宣教師の観点から、司教、奉献生活、および教会協会との関係に触れた文書の改訂  ⑦司教の人物と聖職のいくつかの側面(司教職の候補者を選ぶための基準、司教の司法機能、アドリミナ・アポストロラム訪問の性質とコース) ⑧宣教師シノドスの視点における教皇代表の役割  ⑨論争の的となる教義的、司牧的、倫理的問題の共有識別のための神学的基準とシノドスの方法論  ⑩教会の実践におけるエキュメニカルな旅の果実の受容

 世界中から集まった教皇庁の職員や専門家で構成されるこれらのグループは、シノドス総会第2会期に提出する作業計画を策定する任務を負い、来年6月までに検討結果をまとめ、教皇に提出することを目標にしている。

 女性の叙階職の検討は、上記⑤の「特定の聖職者形態に関する神学的および教会法上の事項」に関する検討作業の一部として教理省に委ねられた。その作業部会のメンバーは発表されていないが、教理省のフェルナンデス長官以下、規律部門担当次官、ジョン・ジョセフ・ケネディ大司教、次官補のフィリップ・クルベリエ大司教、そして数人の女性、それに同省非常勤次官のチャールズ・シクルナ大司教(マルタ教区長)もメンバーになっている。

 フェルナンデス長官は、このグループが検討テーマに関する文書の起草を進めることを決めており、女性助祭問題を研究した2つの委員会の研究結果の「最も興味深い」部分が含まれることになる、とし、「教会の意思決定プロセス、そして指導的地位における女性の地位を適切に発展させるために、この文書は一連の異なる主題に焦点を当てる」と述べ、「これらの主題には、秘跡の力の性質、聖体に由来する秘跡の力との関係、そして、宣教を視野に入れた神の聖なる民の世話と成長に必要な他の教会の奉仕活動との関係が含まれている」と説明。

 また、奉仕活動の起源、教会のカリスマ性、聖なる叙階の秘跡を必要としないさまざまな教会の機能や奉仕の探求、奉仕としての聖なる叙階、そして「教会の権威の誤った概念から」生じる問題も含まれる、という。

 そして、このような課題について検討を重ねた後で、「教会の活動と指導的立場への女性の参加、という差し迫った問題に適切な注意を払うことが可能になる。それには、女性が助祭職にアクセスできるかどうかの問題も含まれる」と述べた。教理省がこれまでに実施した研究は、「教会の使命を支援する真の権威と力を持つ女性」の活動について詳細な分析を行うことを求めている、とも指摘。それは、秘跡に直接関係しないが、洗礼と堅信に根ざした「カリスマまたは教会奉仕の役割の確立」に関するものだ、と述べた。

 長官はさらに、カノッサのマチルダ、ビンゲンのヒルデガルト、スウェーデンのブリジット、シエナのキャサリン、アビラのテレサ、フアナ・イネス・デ・ラ・クルス、エリザベス・アン・シートン、マリア・モンテッソーリ、アルミダ・バレッリ、ドロシー・デイ、マドレーヌ・デルブレルなどの歴史に名を残す女性たちを挙げ、「彼女たちと同じ様に、神の民の中で主導的な役割を果たしている今日の女性たちや、彼女たちが属する教会に耳を傾けることが極めて重要になる… その意味で、女性の助祭職の問題は別として、「彼女たちのキリスト教徒としての多面的な証しを深く研究することは、今日、深い洞察力をもつ女性に教会における広範な役割を果たす機会を生み出すことのできる新しい形の奉仕を想定するのに役立つ」と語った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。
 Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

 

2024年10月5日

・10月4日・総会第2会会期の討議の模様について記者会見

(2024.10.4    Vatican News   Salvatore Cernuzio )

 シノドス広報が4日夕行った記者説明によると、アッシジの聖フランシスコの祝日を迎えた同日、シノドス総会第2会期の会議は、全体会合で5 つの言語別グループからこれまでの報告を聞き、「カリスマと聖職」「典礼」「文化や宗教との対話」などのテーマについて 30 名以上の講演者と公開討論を行った。

 4日のパウロ6世ホールでの全体会合は朝、教皇フランシスコとフランシスコの名を持つすべての人々への祝い挨拶で始まった。 351 名のメンバーが出席して、5 つの言語別グループの報告を聞いた。

 言語別グループの共通のテーマとなったのは、「シノダリティ(共働性)を”テクニック”ではなく”スタイル”として受け止めること」「教会における女性と信徒の役割、教会の規定に従っていないために疎外感を感じている人々の声に積極的に耳を傾けること」など。記者会見に出席した会合参加者たちは、「孤児の世界で、教会は家族のいない人々の家族を代表することができる」という考えについても熟考した、と指摘した。

*「すべてのカリスマが教会の聖職で表現される必要はない」

 記者会見は、パオロ・ルッフィーニ広報省長官とシーラ・ピレス総会情報委員長および事務局長による、この日の会合のハイライトの説明で始まり、「教会はキリストの体であり、一つの体に多くの聖職とカリスマがあるというイメージが何度も思い起こされた」とし、その文脈で、教会における信徒、特に「女性の役割」というテーマについて意見交換がなされた。そして、「すべてのカリスマが重要だが、すべてのカリスマが教会の聖職で表現される必要はない」とうことも強調された。

*「教会における女性の役割と貢献」

 

 会合では、一部のグループから、検討課題が「イデオロギー的かつ偏見的」なアプローチで、「真の教会の識別」ではなく流行の傾向やイデオロギーの結果として提起されていないかどうか、を検討すべき、だとの主張があった。

 「女性と聖職の秘跡の問題に関して、一部の会合出席者は「慰めの奉仕」などの奉仕の可能性についてより深く研究する可能性を挙げ、これまで女性が教会内で果たし、これからも果たし続ける重要な貢献を思い起こすことの重要性を強調した、という。

 また、出席者からは、洗礼を受けたすべての人の「平等な尊厳と共同責任」が強調された。「教会生活の意思決定プロセスに一般信徒、特に女性と若者を含めることについて考えるための基礎」との考えからだ。

 「男女の関係」という文脈では、一部のグループから「特定の立場の背後にある恐れや不安を特定する必要性」が指摘された。その理由を「教会におけるこうした恐れが、女性に対する無知と軽蔑の態度につながっている。そうした恐れを特定することで、教会の識別の取り組みをさらに進めることができる」と説明があった。

 

*「”西洋言語の産物”であるいくつかの定式を改めてほしい」

 言語別グループのいくつかは、第2会期準備要綱では、信徒や家族の「家庭教会」についてほとんど触れられていない、との指摘があった。また、「それぞれの現地の教会は、地域の文化によって形成されながらも、それ自身であり続ける。現地の教会と文化の関係もさらに探究する必要がある」とし、関連して、言語の問題にも触れられ、「欧州中心主義と西洋の視点の産物であるいくつかの定式」を変更するように、との要求が出された。

 そして、「人生は理論よりも大切であり、司牧の経験と現実から始めること」「戦争、暴力、虐待に引き裂かれた貧しい人々の顔を見ること」の2つの呼びかけがあった。

*「女性の叙階を求める声が上がっている、女性を関係の作業グルーに参加を」

 

 5つの言語グループの発表の後、希望者による発言の場がもたれ、 36 人が意見発表を行い、「一般信徒の重要性」「教会における女性の役割」などに言及。ある発言者は、「女性を”慰め役”としてしか見なさず、説教したり組織を率いたりできる人として見ない」という考えを「欠点」と表現した。

 また別の発言者は、世界中で教会共同体を率い、宣教活動に携わる人々の中に女性がいることを挙げ、「女性の中には、神から(司祭や助祭として)叙階を受けるよう召されていると感じ、教会に叙階を求める人もいる」と指摘。女性を聖職とカリスマに関する作業グループに参加させ、総会での協議に助言や識別の材料を提供できるように、との要求も出された。

 

*「疎外を感じている人にもっと耳を傾ける

 

発言者たちから、シノドスの精神性、積極的な傾聴、親密さ、偏見のない支援、自分と異なると感じる人々、心地よく感じない人々に対しても支援することの重要性が繰り返し述べられた。一部の発言者からは、「神の民を一つにする」ために、「他の文化、哲学、宗教とのさらなる対話」の必要が主張され、「他者」を尊重し、認識する必要性が強調された。

「傾聴」に関しては、「テントの空間を広げよう」というテーマにヒントを得て、総会参加者に対し、「貧困や苦しみの中にある人々、離婚した人々、疎外された人々、いわゆる『LGBTQ+』コミュニティにいて、社会や教会から疎外されていると感じている人々に、もっと深く耳を傾けるように」との主張がされた。

 

 

*典礼における「空間の拡大」

 

発言者の中には、「聖職者主義」の問題に触れ、「教会には主人も従属者もいません。主はただ一人、そして私たちはみな兄弟です」と訴えるこえもあった。

ルフィーニ長官は、典礼の「繰り返され、祝われる」テーマに言及し、それが「シノドスの鏡」となり得る、と語り、「シノドス総会参加者による次回の共同典礼で、”テントのスペース”を広げること」を提案した。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

4日の記者会見には、総会に参加しているラバト(モロッコ)大司教で北アフリカ地域司教協議会(CERNA)会長のクリストバル・ロペス・ロメロ枢機卿、オセアニア・カトリック司教協議会連盟(FCBCO)会長のアントニー・ランダッツォ司教、ナンテール(フランス)のマチュー・ルージェ司教、ニカラグア出身でソーシャルメディアとデジタル福音伝道の専門家のシスター、シスキア・ルシア・ヴァラダレス・パグアガ修道女の4人が出席した。

 

 

*「これまでの小教区、教区、国、大陸レベルの”シノドスの道”の経験は」ロメロ枢機卿

 

4人は、小教区、教区、国家、大陸というそれぞれのレベルで歩んできた”シノドスの道”の経験を語った。

ロペス・ロメロ枢機卿は、アフリカでの「シノダリティ(共働性)に関する交流と考察の運動を生み出した一人の修道女」の経験と、「一人で多くの司教会議よりも多くのことを成し遂げた」経験を振り返り、モロッコでのさまざまな会合について、「キリスト教徒自身が、100か国以上に属する自分たちが誰なのかを発見することができた。並外れた豊かさを経験したが、、生きた交わりにはいくつかの困難もあった」と語った。

ルージェ司教はナンテールでの「シノダリティ(共働性)の実践」について語ったうえで、バチカンでのこの大規模な集まりにもっと焦点を当てたい、とし、「私たちは再び会えてとても嬉しく思っている。昨年10月の総会第1会期には、誰もが疑問と不安を抱えてやって来たが、聖霊における対話という方法で、私たちは深い霊的体験をし、それを各教区で共有しようとしました」と述べた。また、教皇フランシスコの「シノドスは、”議会”ではない」という言葉を取り上げ、「昨年は教皇はこの言葉を2回。今年は1回だけですが、それは、私たちが理解していると思われたからです」と語った。

*「オセアニア諸国の豊富な資源を手に入れようとする先進国の貪欲さを非難」ランダッツォ司教

 ランダッツォ司教の発言で、それまでの欧州中心から、オセアニアの広大な地域に焦点が移った。

 オセアニアは地球の大部分を占めているが、教皇が最近訪問したパプアニューギニア、ソロモン諸島、して時には見捨てられたような感覚に苦しむ太平洋のさまざまな群島などを考えると「脆弱」だ。そうした中にあって、教皇が先日の東アジア・オセアニア歴訪でPNGの首都ポートモレスビーに到着された際、人々が幸せそうにしているのを見ての大きな喜び、教皇が「地球上で最も脆弱な地域」の1つを訪れる時間を見つけてくださったことへの感激を語った。

 また、この地域は豊富な資源に恵まれているが、先進国は、それを得るために貧しく脆弱な国々に自分たちに有利の合意や妥協を求める先進国の「貪欲さ」を批判。「コミュニティ全体の苦しみにつながる天然資源の破壊がなされている」と訴えた。また「海面上昇により故郷を離れざるを得ず、より安定した国へと移ろうとする住民たち」がいることも指摘した。

 そして、「オセアニアの人々にとって、シノダリティ(共働性)の概念は新しいものではない。何千年も前から知っていて実践してきたもの。『皆で集まり、敬意を持って、互いに耳を傾ける』ということです。海、森林、漁業について、そして信仰についても語ります」とし、「豊かな西洋文化が抱える問題が、世界の他の国々が直面している深刻な問題よりも注目されている」ことに不満を述べた。

 さらに、記者からの質問に答える形で、「教会が企業の組織モデルを受け入れる傾向」を嘆き、ビジネスマンの間で使われる「ネットワーキング」などの言葉に不満を表明した。そして、「教会の言語は『交わり』、つまり『共にいる』ことの言語であるべきだ。教会の一部の人々は『洗練』されることに強すぎる関心を持ち、人々を排除する危険を冒している」ことを批判した。

 

 

*「教会の本当の”スキャンダル”は女性の排除」

 関連して、ランダッツォ司教は、数十年にわたって議論されてきた女性の(司祭、助祭の)叙任の問題を挙げ、「西洋の少数派が。この問題に執着している。だが、本当の”スキャンダル”は、女性が教会に無視されていることにある。そして、さらに悪いことに、疎外され、家庭内暴力の被害者となり、職場環境から排除されることもある。これは福音に対する”スキャンダル”だ!」と強調した。

 

 

*「デジタル宣教への取り組みは緊急課題」シスター・シスキア

シスター・シスキアは、新技術と人工知能の時代の今、「デジタル宣教」への取り組みが教会の緊急課題となっていることを強調。「世界の人口の65%が”デジタル・ストリート”を頻繁に訪れています。物理的な貧困はソーシャル・メディアにも見られます」と指摘した。

 そして、”シノドスの道”の歩みが始まってから、世界の司教協議会の中に、「独自のオフィスを設け、宣教師との会議を組織し、デジタル宣教師の経験が共有する」動きが出ているとし、そのような宣教師は、「ウェブの”ストリート”で、真理を求め、傷つきながらこの世を歩んでいる疎外された人々に寄り添い、傍にいようとする人々」と述べた。

 また彼女がしている仕事は、教皇から“Samaritanear”という造語をもって個人的に与えられた。つまり、「デジタルの道を歩んでいる人々に手を差し伸べる”善きサマリア人”になること、つまり『福音の価値を再発見したいと希望する人々』、『イエスの名前を聞いたことがない人々』に手を差し伸べることにある、と説明した。

*「私たちの教会は西洋化されすぎ、だが、アフリカの人も自慢すべきでない」ロメロ枢機卿

 ロメロ枢機卿はまた、”シノドスの道”を歩む旅の豊かさについて語り、「このシノドスは非常に充実している。私たちの教会はまだまだ、欧州化、西洋化されすぎている。私たちに必要なのは、互いに助け合いながらこの旅を生きること。そうすれば、教会は、今よりもっとカトリック的、普遍的なものになるでしょう」と期待を表明。

 この点について、枢機卿は、多くの召命と受洗者を出したあるアフリカ人司教の例を挙げ、「彼は、自分に教訓を与えようとした欧州の司教を非難した… 私たち欧州人がもっと謙虚さを学ばねばならないのは当然だが、アフリカ人も自慢すべきではない。成功は数に左右されるものではないからです。私たちは福音を生きるために互いに助け合わねばなりません」と指摘。

 さらに、「前進、後退、出会い、衝突はあるでしょうが、忍耐をする成熟さが必要です。早く進む人は、遅く進む人を待つことです」としたうえで、「問題が存在するのは良いことです。問題に対処し、覆い隠さないようにすべきです」と語った。

*「教理省文書「Fiducia supplicans」も”シノドスの道”を歩むべきだった」

 「同性関係」にある人々に祝福を与える可能性を示したバチカンの教義声明「Fiducia supplicans」がアフリカ教会内部から反対を受けているが、ロメロ枢機卿は、「この文書は、(作成に当たって)”シノドスの道”を歩むべきだった」と述べた。

 そして、「この文書はシノドス事務局からではなく、教理省から出されたもの」と指摘し、「自分の属する司教協議会が他のアフリカの司教協議会と異なる結論に達した… アフリカ大陸を代表した他の国々が、アフリカの全ての司教協議会に相談することなく決定を下した。そのことを私たちに謝罪した」とし、「これもシノダリティ(共働性)だが、そのことを学ぶのは、容易ではない」と強調した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2024年10月5日

・10月3日・総会第2会期の会議についての定例記者会見が始まる

(2024.10.3 Vatican News  Isabello Piro and Deborah Castellano Lubov)

 バチカン報道局は3日、記者会見し、シノダリティ(共働性)をテーマとする世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会第2会期の開会について説明。会議の主要テーマになるはずの平和、赦し、女性の役割、そして10の研究グループの作業状況などについて、それぞれの担当者が語った。

 会見に出席したのは、今総会の特別秘書であるジャコモ・コスタ神父、シノドスの特別秘書であるリッカルド・バトッキオ大司教と総会代表議長のシスター、マリア・デ・ロス・ドロレス・パレンシア・ゴメス(聖ヨセフ修道女会)、テキサス州ブラウンズビルのダニエル・アーネスト・フローレス司教、そして、バチカン広報省長官で総会の広報担当責任者、パオロ・ルッフィニ氏。

 

 

 

*ルッフィーニ広報省長官「会議の中心にあるのは霊性と祈り」

 

 会見の冒頭、ルッフィーニ長官が始まった総会第二会期の会合について説明。それによると、3日朝の総会の会議には出席予定者365人のうち356人が出席。各グループの報告者が選ばれ、今会議のための討議要綱の「基礎編」に焦点を当てた5つの作業の初回が行われた。会合では「精神性と祈り」の重要性が強調され、すべての参加者、特に戦争で荒廃した地域や苦しんでいる地域から来た人々の心と精神に、現在の世界の情勢が重くのしかかっている、と説明。教皇フランシスコが繰り返し述べておられる「暴力を止めるためにあらゆる手段を講じること」、「平和への道を開くこと」の必要性が確認された。

 また、長官は、2021年に始まった現在の”シノドスの道”の進展に不可欠な役割を果たしている 10 のテーマごとの作業グループの重要性を強調した。

 

 

*コスタ神父「 作業グループはシノダル(共働的)な生き方の”実験室”」

 

 コスタ神父は、「シノドスは”議会”ではなく、傾聴と交わりの場だ」とされる教皇フランシスコの注意喚起を繰り返し、「この言葉は単なる”修辞的”な発言ではなく、生きた経験です」と述べた。そして、作業グループを「シノドス生活の実験室」とし、世界のすべての信者の声に開かれ、作業結果を取りまとめる来年 6 月まで意見を受け入れるよう勧めた。そして、「10の作業グループは閉鎖的な委員会ではなく、教会が協力することを学ぶ”共同スペース”。彼らの使命は、総会第二会期の準備要綱の内容に関連するが同一ではないトピックについて“ミニ・シノドス”を行うこと」と説明。

 また今総会の第2会期と昨年10月の第1会期の違いについて、「第1会期の会議の目標は、(世界の司祭、信徒たちの)多様な視点、つまり『教会の物語』に耳を傾けることだった。第2会期の会議の役割は、統一を生み出すことなく調和を促進することを目指し、これまでの歩みの成果として教皇に指針を示すこと」と指摘。

 「会議でとられている方法は、より深い分析のための重要なポイントを『霊的な対話』を通じて特定すること、さらなる探求の余地を残し、厳格な結論を避けることに役立ちます」と述べた。

 

*バトッキオ大司教「赦しと神学者の重要性」

 

 神学者のバトッキオ大司教は、10月1日夜に聖ペトロ大聖堂で教皇が主導した悔悛の徹夜祭でテーマとされた「赦し」について語り、徹夜祭は「教会であることの意味についてのモデル、意識を提供した。罪人は、”部外者”ではなく、私がその重荷を担うのを手伝わねばならない人。私たちの教会は、神の慈悲の受け手としての教会でなけらばならない」と強調。

 また、「会議における議論に「神学的理解」を提供する、という任務を負った神学者に貴重な役割が与えられています。それは、第1会期に比べて、第2会議の会合では、神学者たちの席がもっと中央に配置されていることからも明らかだ」と語った。

 

*シスター、パレンシア ゴメス「女性の役割の認識が強まっている、『女性助祭』は探求が続けられるべき」

 

 シスター、パレンシア ゴメスは、会議における「大きな自由と大きな熱意」について語り、参加者が「この世界の極端な現実を認識しながらも、それを私たちの父である神の目を通して見ながら」共に歩んでいる様子を説明。「このレンズを通してのみ、私たちはシノダリティ(共働性)と使命の具体的な経験の中で成長できるのです」と強調した。

 また、記者から、「教会における女性の役割」について聞かれたのに対して、「女性の役割については、さまざまな状況や大陸で、すでに大きな進歩が遂げられています」とし、中南米での自身の経験に基づいて、「女性の役割、その賜物、貢献は、シノダル(共働的)な教会でますます強く認識されています」と述べた。

 女性の助祭職の問題については、「まだ機が熟していませんが、教会の歩みの中で引き続き探求されるべきです」と語った。

 

 

*フローレス司教「『沈黙』はシノダリティ(共働性)の基本部分」

 

 フローレス司教は、10月1日にシスター、マリア・イグナシア・アンジェリーニが行った瞑想に言及し、”シノドスの道”における「沈黙」の重要性を強調。「『沈黙』は何もない空間ではなく、言葉が浮かび上がる意味に満ちた空間。沈黙は、シノダリティ(共働性)の基本的な部分であり、世界に対するより深い精神的理解を可能にします」と述べた。

 司教は、会議における「地域の視点がもっている価値」についても取り上げ、「地域の視点は、真実の敵ではない。教会が規律正しく忍耐強く耳を傾けることを可能にします。これは、世界におけるキリストの存在をより広い視点で捉えることに繋がります」と指摘。さらに、「今シノドスの課題は、今日の教会の生活と経験を表現する一貫した声を見つけること… 集合的な『私たち』がシノドスの活動に不可欠であり、個人の視点よりも大きな価値を持つことを思い起させます」と語った。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2024年10月5日

☩「神の民と共にいないなら、司教たちは奉仕を生きることはできない」最初の全体会議のあいさつで

(2024.10.3バチカン放送)

 世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会・第2会期がミサと共に開幕した2日午後、教皇フランシスコが出席され、第1回目の全体会議が行われた。

 総会第1会期と同様、会場のパウロ6世ホールには、参加者らの交わりと対話をスムーズにするために、大きな円形のテーブルがいくつも設置され、教皇をはじめ、すべての関係者はそれぞれの円卓に互いに向かい合う形で着席した。

 教皇はこの最初の会議で関係者一同に挨拶され、「シノドス第16回通常総会は、神の民が共に歩む姿をオリジナルな方法で表しながら、ついに第2会期にたどり着きました」と述べられた。

 そして、1965年、聖パウロ6世が世界代表司教会議(シノドス)を創設されて以来、もたらされた豊かな実りを回顧され、「それから60年が経った今、私たちはシノドスの中に、すべての地方教会と普遍の教会の一致への奉仕において、教皇を効果的な方法で助けつつ、カトリック教会の歩みと宣教を支えることのできる、多元的かつ交響的な性格を認めることを学びました」と指摘。

 さらに、「シノドス第16回通常総会のために、目立つ数の信徒や、奉献生活者、助祭、司祭を招集したのは、地方教会の一致の目に見える礎としての司教が、神の民の中に、そして神の民と共にいないなら、自らの奉仕を生きることはできない、と考えたからです」と説明された。

 また教皇は、シノドスの総会は、「各々が他の立場に取って代わろうとすることを意味するものではなく、皆が異なる役務やカリスマを活かしながら、交響楽団のような一体性をもって、神の慈しみのために共に奉仕することが求められています」と語られた。

 続けて、「イエスの弟子たちを導いて真理をことごとく悟らせる聖霊(ヨハネ福音書16章13節参照)は『共に歩む、宣教的な、慈しみあふれる教会であるために、どうすればいいのか」という問いに答えるために、(”シノドスの道”の)3年間の歩みの末にここに集った私たちをも導いておられます」とされ、「託された困難な使命を自覚しつつ、希望と感謝に満ちた心をもって、皆が確かな導き手、慰めである聖霊の働きに、自らを開くことができますように」と祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

2024年10月4日

☩「まず、平和で開かれた場所を心に持たねばならない」教皇、シノドス総会第2会期の開会ミサで

(2024.10.2 バチカン放送)

「共に歩む教会のため − 交わり、参加、そして宣教」をテーマにした「シノドス第16回通常総会」の第2会期が、10月2日、荘厳なミサと共に開幕した。

 この朝、バチカンの聖ペトロ広場で教皇フランシスコによってとり行われた開会ミサには、枢機卿、司教、司祭、助祭、修道者、信徒代表など、同シノドスの参加者はもとより、およそ2万5千人の巡礼者らが参列した。

 典礼暦で「守護の天使」を記念したこの日、教皇はミサの説教で、第一朗読『出エジプト記』(23章20-23節参照)で、神が、約束の地を目指して歩む民に、ご自分が遣わす「天使の声」に聞き従うようにと命ずる箇所を提示され、「シノドスもまた一つの歩みであり、そこで神は私たちの手に偉大な民の歴史と夢と希望を託され、私たちは同じ信仰を持つ兄弟姉妹たちと共に、神がお望みになる場所へたどり着くための道を見極めることになりますが、どうしたら『天使の声』に耳を傾けることができるのでしょうか」と参加者たちに問いかけられた。

 教皇は、祈りと御言葉の光のもとに、聖霊の助けをとおして、教会に語りかける神の「声」と共に、人々の「声」に、すなわち、「人々の考えや、望み、提案に耳を傾ける大切さ」を強調されたうえで、「シノドスは議会ではなく、交わりのうちに傾聴し合う場所であり、そこでは兄弟たちの益になるよう神から与えられたもののエコーとして、すべての言葉に感謝と素直さをもって聞き入る必要があります」と強調。

 「私たちの間に、経験豊かで、力強い考えや、優れた直感を持った卓越した人々が多くいることは、一つの豊かさであり、刺激の源です… しかし、これらの恵みを、時には緊張を緩め、ひざまずき、温かい抱擁のように互いに与え合う能力と一致させる必要があるのです」と語られた教皇は、「抱擁し、守り、いたわり合うことは、教会の本質の一部… 平和的で開かれた場所―母の腕の中にいる子や、父に抱き上げられ頬ずりされた子のように感じることができる場所―としての教会を、まず、それぞれの心に持たなければなりません」と説かれた。

 そして教皇は、「いったい誰が、天の国で一番、偉いのでしょうか」と尋ねる弟子たちの前に、イエスが一人の子を呼び寄せて、彼らの中に立たせ、「この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。私の名のためにこのような一人の子供を受け入れる者は、私を受け入れるのである」( マタイ福音書18章1-5節)と言われたエピソードを引用され、「イエスは、私たちのこの会議でも、テーブルの真ん中に子供を立たせ、『自らに託された使命にふさわしい者となるためには、小さき者となり、謙遜に互いのありのままを受け入れ合うことが唯一の道だ』ということを思い起させてくださいます」と話された。

(編集「カトリック・あい」=聖書の日本語訳は「聖書協会・共同訳」を使用)

2024年10月3日

・シノドス開会を前に、悔い改め、ゆるしを願う祈りの集い

(2024.10.2 バチカン放送)

 シノドス開会の前夜、バチカンで悔い改めとゆるしを願う祈りの集いがとり行われた。

 「共に歩む教会のため − 交わり、参加、そして宣教」をテーマにした「シノドス第16回通常総会」の第2会期(2024年10月2日−27日)が、2日開幕した。

 今回のシノドス開会に伴い、9月30日(月)と10月1日(火)、関係者らによる黙想が行われた。

 そして、黙想終了後の1日夕方、バチカンの聖ペトロ大聖堂で、シノドス開会前夜の、悔い改めとゆるしを願う祈りの集いが教皇によってとり行われた。

 この集いでは、司祭から性的虐待を受けた信徒、イタリア司教協議会の移民司牧組織の地方責任者とコートジボアールからの移民、シリアの修道院で戦争を体験した修道女が、それぞれ虐待や、移民、戦争の苦しみを語った。

 これらの証言に参加者らが深く耳を傾けた後、7人の枢機卿が教会の声となって、性的虐待、権力や良心の悪用、戦争、植民地主義や搾取、移民への無関心、いのちの尊厳への認識の欠如、女性に対する尊重の欠如や搾取、受刑者の環境への無関心と死刑制度、若者から希望を奪うこと、教義の悪用、虚栄、権威に取って代わった権力などが人々にもたらした傷と苦しみを列挙し、これらについて神にゆるしを願われた。

 これに続く説教で教皇は、わたしたちは御父の憐れみを乞う存在であるが、先ほど枢機卿たちが読み上げたゆるしの嘆願を書き記すことを望んだのは、われわれの罪を言葉にする必要があったからである、と話された。

 罪は常に神との関係、兄弟姉妹との関係を傷つけるもの、と述べられた教皇は、兄弟姉妹や、大地とすべての被造物にゆるしを乞わずして、どうして神の名を呼び求めることができるでしょうか、と話された。

 また、教皇は、和解なしに、どうして共に歩む教会を実現できるえしょうか、キリストにおける交わりを再び取り戻させるゆるしを願い、また与えることなしに、どうして共に歩みたいと明言することができるのでしょうか、と強調された。

 そして、教皇は、この日、教会暦で記念された宣教の保護者、幼いイエスの聖テレジアの取り次ぎを願いながら、神に「わたしたちのすべての罪をおゆるしください。わたしたちの罪によって傷ついた人々に、恥入りつつ、ゆるしを乞いたいと思います。真の回心のために誠実な悔い改めの勇気をお与えください」と祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

2024年10月3日

・3 年の”シノドスの道”の歩みを経てシノダリティ(共働性)に関するシノドス(世界代表司教会議)の議論が終盤を迎える(Crux)

(2024.9.30  Crux Staff)

 昨年の総会第一会期の際と同じように、黙想はドミニコ会のティモシー・ラドクリフ神父とベネディクト会のイグナツィア・アンジェリーニ修道女が主導し、2 日間で 4 つの「瞑想」が行われる。

 一日目の今夜は聖ペトロ大聖堂でミサが行われ、2日目の夕方には教皇の臨席のもとで告解の典礼が行われ、虐待、戦争、移民への無関心などによって被害を受けた人々などが証しをする。そして、虐待、教義を硬直した石のように扱うこと、戦争や暴力、先住民や移民、女性、家族、若者に対する侮辱など、数々の罪について赦しが願われ、2021年10月に始まった”シノドスの道”の主要テーマである「傾聴、交わり、参加」の欠如についても赦しが願われる。

 今回の参加者368人のうち、272人が司教で、それ以外は司祭、助祭、男性修道者、女性修道者、一般信徒。また、教皇が指名した「特別ゲスト」も8人おり、第一会期と同様に、海上で移民の救助活動をしていることでイタリアで「不法移民を優遇している」と非難されている”Mediterranea Saving Humans” の共同創設者ルカ・カサリーニ氏も含まれる。

 他の教会の代表者の数は第一会期の12人から16人に増え、シリア正教会とルーテル世界連盟の代表者も含まれるが、ロシア正教会は引き続き欠席している。

 10月2日は、ローマ時間午前9時30分に聖ペトロ広場でミサが行われ、総会第二会期が公式に始められる。午後4時からは、教皇の挨拶で始まる最初のワーキング・セッションが開かれ、全体会合と36の小グループに分かれての作業部会で意見交換が繰り返される。作業部会は言語別に5つの円卓会議に分かれ、英語が2つ、イタリア語が1つ、フランス語が1つ、スペイン語が1つ、ポルトガル語が1つだ。

 全体会議は作業部会から意見を聞き、総括文書の作成に向けて動き出すことになるが、シノドス事務局によると、今回の会合は”結論”を出すものではなく、教皇に提案を伝える手段という位置づけで、教皇は提案をもとに、教会とより広い世界に提示する内容を自ら決定する、という。

 昨年10月の総会第一会期と同様に、参加者が議論の途中経過などについて開始することに制限が設けられるが、その代わり、約1か月にわたる会合の途中、9日に2回、16日にさらに2回の計4回の公開セッションがバチカンの近くのアウグスティノ会が運営する研究所とイエズス会本部で開かれることになっている。公開セッションのテーマは、「神の民、使命の主体」「シノダル(共働的)教会における司教の役割と権威」「地方教会と普遍教会の相互関係」、そして「首位権の行使と司教会議」だ。

 また11日金曜日には、ローマの Piazza of the Proto-Martyrsでエキュメニカルな祈祷会が行われる。伝承によると、聖ペトロはここで逆さまに十字架にかけられたという。同日は、1962年の第2バチカン公会議の開会62周年にあたる。今回、総会第二会期には、さまざまなキリスト教会の代表者16名が参加し、ローマにいる他のエキュメニカルな代表者も参加を予定している。

 20日日曜日には、スペインのフランシスコ会のマヌエル・ルイス・ロペス神父と10名の同行者(フランシスコ会の仲間と、ローマと交わりのあるマロン派教会に属していた3名の信徒を含む)の列聖のミサも行われる。彼らは1860年にシリアでドゥルーズ派の過激派に捕らえられ、ダマスカスのキリスト教コミュニティを一掃する試みの一環として最終的に殺害された。1926年に教皇ピオ11世によって列福され、今回、教皇フランシスコによって、聖人と宣言される予定だ。他の列聖予定者には、コンソラータ宣教師会の創設者ジュゼッペ・アラマーノ、聖霊への献身で知られる教皇レオ13世の友人エレナ・ゲッラ、カナダ人の修道女で「聖家族の小さな姉妹会」の創設者マリー・レオニー・パラディスがいる。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。
 Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.
2024年9月30日

☩「聖職者主義は悪魔が使う最も巧妙な手段の一つ、神の民から離れてはならない」シノドス総会第2会期を前に、東アジア・オセアニア4か国歴訪でイエズス会士たちに

Pope Francis during his encounter with Jesuits in Jakarta, in Indonesia, on Sep. 4, 2014. (Credit: Vatican Media.)
(2024.9.26 Crux  Managing Editor  Charles Collins)

 「彼がバンコクで行った最後の演説は、イエズス会に宛てた遺言でした。『祈りの中でのみ、社会の不正義に対処する力と霊感が得られる』と彼は言いました。フランシスコ・ザビエル、マテオ・リッチ、その他多くのイエズス会士の人生も見てください。彼らは祈りの精神のおかげで前進することができたのです」と教皇は付け加えた。

 また、9月10日に東ティモールでイエズス会士に語った際、教皇は「聖職者主義」に警告を発した。これは、「シノダリテイに関するシノドス」の第一会期で提起された問題事項だ。「聖職者主義はどこにでも存在します… バチカンには強い聖職者文化があり、私たちは今、それをゆっくりと変えようとしている。聖職者主義は、悪魔が使う最も巧妙な手段の一つです」と教皇は言明。

 さらに、「聖職者主義は、聖職者の間に存在する世俗性の最も高い形です。聖職者文化は世俗的な文化です。だからこそ、聖イグナチオは世俗性、世の精神を究明することを強く主張しました。なぜなら、私たちの罪、特に第一線にある者にとって、知的世俗性、政治的世俗性の中に罪があるからです」とされ、「私の見方では、私たち司祭にとって、この精神的な世俗性は、克服するのが最も難しい病気です」と警告された。

 また教皇は、「教会が守るべき課題は、常に神の民から離れないこと。同時に”教会のイデオロギー”から離れねばならない。これが私が皆さんに託す課題です。最も貴重な財産である人々から、目を背けないでください」と念を押された。

 このように9月にアジアのイエズス会士たちに教皇が語られた言葉は、10月に開かれるシノドス総会第二会期の参加者にも向けられているのかもしれない。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。
 Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

 

2024年9月27日