(2021.9.21 Vatican News By Lisa Zengarini)
ドイツのカトリック司教協議会(DBK)の秋季定例総会が、23日までヘッセン州フルダで、68人の司教が参加して開かれている。焦点は、聖職者の性的虐待の危機、10月からの世界的な”シノドスの旅”に先行する”Synodaler Weg(シノドスの道)”、そして「女性の場」のあり方を含む教会の改革だ。
”Synodaler Weg(シノドスの道)”は、ドイツ司教団独自のもので、2019年後半から始められ、現代の神学的、組織的なさまざまな問題と、過去数年、教会を揺るがしてきた聖職者による性的虐待への対処について話し合いを進めて来た。これと整合性を図る形で、10月からの”シノドスの旅”についても、今総会で協議する。
*聖職者の性的虐待を悔い改めることが緊急に求められている
20日の開会式のミサの説教で、DBK会長のゲオルグ・司教は、聖職者の性的虐待に対する悔い改めが緊急に必要になっている、と強調した。また、「福音と現代文化との乖離の拡大、現代社会における従来にない深い亀裂」の責任の一端が教会にあることを、率直に認めた。
そして、「間違いなく、私たち自身がこの混乱の一因となり、福音宣教の失敗をもたらしたのです」と述べ、聖職者による性的虐待に関して、司教たちも応分の責任を負うことにも言及。そして、聖職者の使命は「邪悪なもの、罪深いもの、霊性を持たないもの、そして教会共同体にダメージを与えるものを捨てることを、根本から必要とする」と強調した。
*イエスには、私たちを癒し、立ち直らせる力がある
その一方で、ベツィング会長は、イエスには「癒しの力、不正義と恥辱から立ち直らせてくださる力」があるとも語り、「一言ですべてが新しくなる。神だけがそれをおできになります。神に不可能なことは何もありません。ですから、イエスがどのように私たちに触れられ、私たちを呼ばれたのか、そして私たちが、諸国の光である主の神殿を作るために、どのように集まり、考え、議論し、計画を立て、決定するのか、を語らねばならないのです」と司教たちに訴えた。
*教会の更新プロセスには聖体拝領と神聖さが必要です
また、総会に来賓として参加した駐独バチカン大使のニコラ・エテロヴィッチ大司教は、「教会のすべての改革と刷新の目標は、教会を構成する人々の霊性にあります」とし、「主イエスは、特に現代の課題解決を迫られた教会と社会の課題の中において、ミサ聖祭、カトリックの信仰、そして神聖さの道をたどるように絶えず求めておられます」と語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)