・来年10月のシノドス総会第二会期に向け、バチカンが世界の司教たちに書簡を送付-”シノドスの道”を歩み続けることを強調するが

Participants in the 2023 Synod of Bishops on synodality in the Paul VI HallParticipants in the 2023 Synod of Bishops on synodality in the Paul VI Hall 

*議論すべき課題

 これまでに明らかになった特定の課題について、書簡は、「一部の課題については世界の全教会のレベルで、またバチカンと協力して、熟考される必要がある」と説明。 具体的には、「ラテン典礼に関する教会法典(CIC)、および東方典礼に関する教会法典(CCEO)の見直しを念頭に置いた予備調査」「 叙階司祭の育成に関する教会法の規定」「教会における司教と修道者の相互関係に関する文書『Mutuae Relationes』、「助祭職、特に女性の助祭叙階を認めることに関する神学的および司牧的研究の深化」などを挙げている

 これらの課題のリストは、シノドス会議の成果として教皇に提出されることになる。 全大陸から選ばれた専門家グループは、シノドス事務局が調整役となるバチカンの担当部局とともに、教皇が示した課題について「シノドス的な進め方」で取り組むよう求められ、取り組みの進捗状況についてはシノドス総会の場で報告されることになる、としている。

*福音宣教で「シノダル(共働的)な教会」となる方法に焦点を当てる

 そして、来月に予定される(専門家グループの)議論は、「復活された主と、主の福音を今日の世界に宣べ伝える、唯一の使命の遂行にあたって、それぞれの信徒、それぞれの教会の、独自性のある貢献を高めるあり方と、そのために取るべき手段を特定するために、『宣教の使命においてシノダルな教会はどうあるべきか』という基本課題に焦点があてられる。

 議論においては、「教会の構造をより効率的にするための技術的、手続き的な改善計画」に限定せず、「シノドスの一致と多様性のダイナミズムを持つ、宣教への取り組みの具体的な形を反映したものでなければならない」とし、教皇フランシスコの出された使徒的勧告「福音の喜び」の27項を引用している-「私は、すべてを作り替えるような宣教、という選択肢を夢見ています。 それは自己保存のためでなく、教会の慣習、物事の進め方、時間とスケジュール、言語と構造を、今日の世界を福音化のために適切に導くことができるように、すべてを変えることのできる宣教の推進力です。 司牧的回心が求める(教会の)構造の刷新は、この観点からのみ理解することができます-構造をより使命志向にする取り組みの一環として(…)」と。

 

 

*2つのレベルで歩みを進める

 

 書簡で、新たに出された指示によれば、来年10月の総会第二会期に至る”シノドスの道”の取り組みは、「常に(シノドス総会第一会期の)総括文書全体を参照」しながら、2つのレベルでなされる必要がある。一つは、 現地教会レベルで、ここでは、「教会は、神の民のすべての成員の使命における多様な『共同責任』をどのように強化できるか」が課題となる。具体的には、「福音宣教の使命に関連する構造、識別プロセス、意思決定プロセスを、どのようにして共同責任を形成し、促進できるか」「 このような共同責任をよりよく表現するために、教会のどの部署や参加組織を刷新、あるいは新規に導入できるか」などだ。 教会と教皇との関係に関わる2つ目の レベルに関しては、「教会全体の次元と現地教会の根幹の動的なバランス」を見出すために、それらをどのように明確に表現するかが課題となろう。

 以上すべてを念頭に置いて、シノドス事務局は、各現地教会にさらなる話し合いを進めるよう求めている。

 

 

*”ゼロ”から始めない

 また書簡では、”シノドスの道”の歩みは、ゼロから開始されるわけではないため、「2021年から2023年の歩みの最初の段階で行われた、耳を傾け、如何を交換するプロセスを繰り返す必要はない」とも説明。 新たな段階では、教区レベルの参加組織とすでに確立されているシノドス・チームに加えて、「神の民の中でさまざまな経験、スキル、カリスマ性、奉仕活動を表現し、その主張を表明する人々やグループを巻き込むことが重要になる…  これらには、神学者や教会法学者、地域の学術機関が含まれる」としている。

 

*世界の各教区からの報告・提言は 2024 年 5 月 15 日までにシノドス事務局に

  世界の各司教協議会と東方教会の同等組織は、教区からの報告・提言を集め、最大8ページに要約して、2024年5月15日までにシノドス事務局に送付する任務を負う。 集められた資料をもとに、来年10月の総会第二会期に向けた「Instrumentum Laboris (討議要綱)が作成される。

*シノダル(共働的)な動きを活かし続ける

 書簡では、現地教会が総会第一会期の総括文書全体に目を通し、それぞれが置かれた状況を反映した具体的な要望を集めるように、求められている。 そうすることで、「神の民全体を巻き込む最も適切な取り組み(例えば、新たな取り組みを始めようとする活動、神学的徹底した研究、教会会議スタイルの祝典、草の根協議、少数民族や貧困の中で暮らすグループの声に耳を傾ける、 物議を醸す問題のためのスペースを作成する余白を作る、など)を推進することが可能になる」と書簡は述べている。

 また、 現地教会は希望すれば、実行された活動についての短い証言と生きた経験を最大 2 ページにまとめて、それぞれの司教協議会に送り、福音宣教の取り組みを成長させるために重要と考えられる優れた実践を共有することができる、としている。

  書簡は最後に、世界の司教協議会に対し、総会第二会期に至る道を「共に歩み、重要と思われる課題に徹底した検討を行い、受け取った報告・提言の概要をまとめ、2024年5月15日までにシノドス事務局長に再度送付すること」を求めている。司教協議会は、教会のシノドス(共働性)と宣教の側面を促進する取り組みを引き続き推進し、教区によって提示された証言と優れた実践を集め、 同じ期限までにシノドス事務局長に提出する必要がある。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 (「カトリック・あい」の見解:この書簡の表現は、あたかも、世界のすべての教会で、”シノドスの道”の歩みが教皇やバチカンの当局者たちが求めている通りに行われてきた、という前提に立っているように思われる。総会第一期では、そうなっていない地域も少なくないことが、議論の中で明らかになったはずだが、それが無視されているように見える。日本を含むアジアのいくつかの国の教会のように、シノドスの道の歩みの最初の段階が満足に行われていない教会はどうするのか、ということが念頭に置かれていないようだ。”成果”を急ぎ過ぎるところに、どれだけ成果を残せるのだろうか。教皇フランシスコの思いに、どこまで近づけるのだろうか。疑問を禁じ得ない)

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2023年12月13日