・シノドス総会の前、9月30日にキリスト教各宗派代表参加で、教会一致の祈りの会ー事務局会見

The press conference presenting the Ecumenical Vigil of PrayerThe press conference presenting the Ecumenical Vigil of Prayer 

 10月4日からの世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会を前に、シノドス事務局が8日記者会見し、総会の基本的な進め方と、それに先立つ9月30日の教会一致の祈りの会について説明した。

 当日、バチカンメディアのYouTubeチャンネルで下記の様子がライブ配信される。以下は、ローマ時間(日本時間は+7時間)の予定は、16:30~18:00:祈りに向けたプログラム  18:00~19:00:教皇フランシスコが司式する祈り (東方正教会のバルトロマイ総主教、聖公会のジャスティン・ウェルビー大主教、ルーテル世界連盟事務局長のアンネ・ブルクハルト師等、さまざまな教派の教会指導者たちが出席)となっている。

 「教会一致祈祷徹夜祭」について、シノドス事務局のナタリー・べカール次長が説明。「神の民の2つの基本的な側面—祈りを中心に置き、共に歩むための他者との対話の重要性」に焦点が当てられる、とし、「(キリスト教における)シノダリティ(共働性)と信仰一致の関係を浮き彫りにするものになります」と述べた。

 さらに、この祈祷徹夜祭では「現代の引き裂かれた世界における一致と平和への取り組み、という重要なテーマも強調されます。シノドスを聖霊に委ねながら、すべてのキリスト教徒の一致のための祈りの重要性を証しするものとなります」とし、教皇フランシスコと共に、ギリシャ正教のコンスタンティノープル総主教バルトロマイ1世を含むキリスト教各派の代表12人、また英国聖公会のジャスティン・ウェルビー大主教など、シノドスに参加するカトリック教会以外の宗派の代表数名もに参加することを明らかにした。

 またべカール次長は、若い信徒たちも、祈祷徹夜祭で重要な役割を担うことになる。シノドスの週末、テゼ共同体キリスト教の教派を超えた男子修道会。フランスソーヌ=エ=ロワール県のテゼ村に所在。約100人のメンバーがいる)の責任者、ブラザー・アロイスが訴えた「キリストにおいて既に達成された一致を祝い、それを目に見えるものにするために、今回のシノドス中に教会一のための集まりを持ちたい」という願いに触発されて、40か国以上から約3000人の若者たちがローマに集まり、祈りと礼拝、分かち合い、研究集会などを予定している。

 記者会見に出席したテーゼ共同体のブラザー・マシューは「この若者たちの集まりは、若者を巻き込むことによって、シノダリティ(共働性)をテーマにした今回のシノドス総会の理想と現実を表現することを目的としています」と述べ、祈祷徹夜祭に参加するためローマ市内のラテラノ大聖堂からバチカンの聖ペトロ広場へ巡礼すること、これらの行事に向けた大規模な準備がすでに教会一致のモデルとして進んでいる、と指摘した。

 記者会見の最後に、今回のシノドス総会のパオロ・ルッフィーニ・コミュニケーション委員長が、総会の概要について説明。「総会のプログラムの詳細はまだ最終決定されていない」と前置きしたうえ、総会は、シノダリティ、交わり、使命、参加などの主題に分かれた構成単位と、達成された作業の取りまとめを用意するをもとにした構成単位によって進められる、と述べた。

 また、総会についてのコミュニケーションについて、「シノドス総会のコミュニケーションをどのように進めるかは、識別のプロセスと全教会にとって極めて重要」と強調したうえ、「機密と個人的な秘密を守り、聖霊における対話に一定のスペースを確保することは、他者に耳を傾け、識別し、交わりに基礎をおいて祈りの真の機会となる時を作りたいという強い願いに適ったものです」と説明。「委員会による広報の進め方は、総会参加者たちに、”一つの体”の一部としての他の参加者それぞれを知り、耳を傾けることができるようにすることになるでしょう」と述べた。

 また、総会は、会議の結果を要約した「総括文書」を作成する予定だが、同文書は、総会は来年10月に第二期を予定しており、(第一期の当たる今総会で完結するものではないため)「最終文書」とはならない、と説明した。

 最後のルッフィーニ委員長は、「現代の分断された世界において、コミュニケーションが私たちの交わりの取り組みを正確に伝えられることを心から期待しています」と述べ、記者たちに「私たちに任せてください。皆さん(の取材、報道)を助けるためにできる限りのことをします」と約束した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2023年9月9日