(2021.10.12 Vatican News By Lisa Zengarini)
教皇フランシスコによる10日の”シノドスの道”開始のミサに続いて、17日には世界の教区で小教区、教区レベルの歩みを開始するミサが捧げられるが、英国のイングランド・ウェールズ司教協議会会長のビンセント・ニコルズ枢機卿は、2023年秋のシノドス(世界代表司教会議教会会議)通常総会に至る道を歩む上で”耳を傾ける”ことの重要性を強調している。
*まず、互いの喜びと失望の信仰体験を聴こう
ニコルズ枢機卿は10日、教区の司祭、信徒にあてたメッセージで、シノドス総会に至る2年間の歩みの進め方とその背後にある考え方について説明。
その冒頭で、「教皇フランシスコは、この道を歩み始めるにあたって、私たちが互いの声に耳を傾け、あらゆる喜びと失望の信仰の体験を聴き、互いを強める新たな方法を見つけるように、招いておられます」と述べた。
さらに、 「教皇は、この歩みが『神の存在は私たちの人生にどのようにもたらされるのか』『神の霊は私たちに新たに何をすべきと促しているのか』を識別するのを助け、それによって、私たちがイエスー私たちの道、真理、命ーの呼び掛けに生きいきと新たな意識をもって応えることができるように、願っておられます」とも語った。
*シノドスの道の目的は、沢山の文書を作ることではない
そして、枢機卿は、シノドス事務局が先に発表した”シノドスの道”の準備文書を引用する形で、「今回のシノドスの目的は、数多くの文書を作成することではありません。最大の目的は、私たち皆が希望を高め、信頼を深め、傷を癒やし、新しく深い交わりを濃密にし、互いに学び、橋を架け、心を啓発し、心を温め、(注:福音宣教という)共通の使命を果たすための力を取り戻すことにあります」と述べた。
*体験を共有し、何をすべきかを聖霊の導きの下で感じる
したがって、”シノドスの道”の歩みの主眼は、「さまざまなアイデアについて話し合うことではなく、まず、『体験を共有すること』、それを基に、「何をすべきかを感じようとすること」であり、「祈りと聖霊の導きの下で、すべては形造られます」とし、「話すことは、あらゆる関係に重要ですが、まず、最初にすべきは”聴く”ことです。大事なのは聴くこと、そしてなすべきは、聖霊の重要な教訓と促しを共に識別し、そして主によって与えられた命と使命に全面的に参加することです」と強調した。
最後に枢機卿は、教区の司祭、信徒に、この”シノドスの道”への参加を改めて呼び掛け、「教皇フランシスコが主導されるこの素晴らしい計画は、私たちが教会家族に心配りをする機会です。教皇の開放的で、思いやり深く、教会刷新への熱意で輝いています」とメッセージを締めくくっている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)