【シノドス総会】第二週始まるー総括報告者、オロリッシュ枢機卿が問題提起、「いかにすれば、私たちを全人類の一致の道具にできるのか」

Synod participants begin the 4th General CongregationSynod participants begin the 4th General Congregation  (Vatican Media)

 全体会合ではまず、オロリッシュ枢機卿がモジュールB-1の内容を確認。モジュールAをもとにした先週の全体会合、分科会で「私たちは過去2年間にわたる神の民の”共に旅する”経験を思い起こし、包括的なビジョンとして、シノダル(共働的な)教会の在り方について、さらに注目するよう努めました」と振り返った。

 そのうえで、次の段階として、「神の民の声に耳を傾けることから明らかになり、この会合が洞察力を働かすよう求められている3つの問題のうちの1番目に取り組む」ことを提案。

 その主題は、「四方に広がる交わり」であり、「どうすれば私たちは、もっと完全な神との結び付き、全人類の一致のしるしとなり、道具となることができるのか」を考察することが優先事項になる、と述べた。

  ホレリッヒ枢機卿は総会参加者たちに、これからの先にあるものを繰り返し指摘し、 「9日の午後と10日の朝、私たちはすでに実践した聖霊との対話に触発された共同体の識別の仕方に従って、Circuli Mineres(小さな集まり=分科会)で作業をします。私たちは互いの声に耳を傾け、御霊の声に耳を傾けます… 私たちはそれぞれの分科会の報告書の草案を作り、報告者が全体会合で行うスピーチの準備をし、共通の認識をさらに深めるために、分科会が全体会合に提起したいと考えている点に焦点を当てます」と説明した。

 オロリッシュ枢機卿のあいさつと会議の進め方についての説明の後、参加者たちは討議要綱のモジュールB-1に示されたテーマに関するいくつかの意見を専門家などから聞いた。

 (注:英国のドミニコ会の修道士で説教師の)ティモシー・ラドクリフ師からは、「井戸に水を汲みに来たサマリア人の女」(ヨハネ福音書4章7-30節」について霊的な考察があり、 英国のダーラム大学神学・宗教学部のンナ・ローランズ教授からは、「交わり:小羊の婚宴」というテーマでの神学的な考察がされた。 

 また、カトリック教会と正教会の神学対話国際委員会の共同委員長であるギリシャ正教のジョブ・ゲッチャ・エキュメニカル総主教からは、正教会におけるシノダリティ(共働性)についての考察を述べ、マレーシアのクラレンス・ダヴェダサン師は、「どのようにすれば私たちはより完全に神との結合、そして全人類の結合のしるし、手段となることができるのか」について語った。香港出身のカトリック教徒、シウワイ・ヴァネッサ・チェン氏は、シノダリティ(共働性)と文化、特に「シノダリティとアジア文化」について語った。

 この後、9日午後から分科会が再開され、討議要綱のモジュールB1をもとに分かち合いが行われた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2023年10月10日