【シノドス総会】戦争ではなく、友愛の 追求が、紛争解決の唯一の道だー12日の記者会見で

An image from a briefing on the Synod at the Holy See Press OfficeAn image from a briefing on the Synod at the Holy See Press Office  (Vatican Media)

 ガザ地区での戦闘に関連しては、「イスラエルでは多くの人が、ガザに住む人々と対話の橋を架けることに疑問を持っていますが、私のユダヤ人の友人は、イスラム教徒と同時に祈り、祈りの中で団結することを決意しています」と説明。和平に向けた交渉が再開され、紛争解決が緊急の課題であることを多くの人が認識するように、世界の国、世界の人の協調行動の必要を訴え、 「まだ沈黙が多すぎる。 私の声だけでは成果は出ません。 人権の尊重と民族間の和解を促進するには、世界中の人々の関与が必要です」と強調した。

 

*アフリカとシノダリティ(共働性)

 カメルーンの司教協議会会長、アンドリュー・エンケア・フアンヤ大司教は、「シノダリティ(共働性)はアフリカ文化の一部を形成している。なぜなら、私たちは常に家族として一緒に物事を行うからです」と述べたうえで、「今回のシノドス総会は、アフリカにとって非常に大きな慰めになると思います… アフリカは多くの問題を抱えており、私たちは時々孤立し、見捨てられた、と感じています。 しかし、この総会に参加して、私たちは、ここに参加していない地元の教会の人々と共に、アフリカで起きている問題、特に戦争の影響を受けている国々のために祈ります。これはアフリカにとって、シノドス総会に自らの足跡を残す非常に素晴らしい機会だと思います」と語った。

*「異なる言語を結びつける福音」

  バグダッド保健センターの医師で Congregation of the Daughters of the Sacred Heart of Jesusの会員、シスター・キャロライン・ジャルジスも、今のシノドス総会で「一つの家族」になる経験をした。12日朝の祈りの集いで、他の参加者と共に、自国語のアラビア語で福音書を読み、自分の言葉がどのようにすべての人に理解されたかを知って、衝撃を受けた、という。 「神は、私たちがシノドス総会で行う働きの中におられます。 私たちを選び、ローマに来る前に備えさせてくれました。私たちはすべてを分かち合った最初のキリスト教徒の経験を共にしています」と語った。

*「イラク殉教者たちによってもたらされた教会の豊かさ」

 

 また、シスターは、 「私は戦争中の国から来ています。キリスト教徒は少数派ですが、私たちの教会の豊かさは、殉教者たちの存在によってもたらされています。 殉教者たちの血は、私たちに前へ進もうとする力を与えてくれます。私は、普遍的な教会との交わりの経験から得られる、大きな力を持って家に帰ります」と述べた。

 イラクでは、ラシド大統領からキリスト教の長と認める布告を取り消されたサコ枢機卿がバグダッド総主教庁本部から退出することを決めたことについて、記者から質問を受けたシスターは、「殉教の地で、キリスト教徒として尊厳を持って生きるのは正しいことです。私たちは二級国民ではありません」と答えた。

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 12日の午後、シノドス総会参加者たちは、聖ペトロと聖パウロの遺物を一時保管している聖セバスチャンのカタコンベ、聖カリストスと聖ドミティラのカタコンベへの巡礼をした。

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*8回目の全体会議は「使命における共同責任」がテーマに

 

 13日の朝は、コンゴ民主共和国のアンボンゴ・ベスング枢機卿が司式する聖ペトロ大聖堂祭壇でのミサの後、8回目の全体会議が開かれ、「使命における共同責任: 福音への奉仕において賜物と任務をよりよく分かち合うにはどうすればよいか?」というテーマで、準備要綱の 3 番目のモジュールに取り組む。 これに先立つ「交わり」をテーマにした2番目のモジュールについては、11日午後と12日午前に作業部会の後の全体会議で、各作業部会からシノドス事務局長に報告書を提出している。

 

*7回目の全体会議では36人が発言

 12日の7回目の全体会議には343人が出席し、36人から、 「宗教間および異文化間の対話」「 植民地主義が先住民族コミュニティに与えた影響」「 罪の赦しを求めれば受け入れられる『和解の秘跡』の重要性」、 そして、「イエスに会いたいと願う若者たちの声に耳を傾け、それに参加すること」などをテーマに発言があった。また、シノドス総会の働きの中心として「カルカッタのマザー・テレサの姿と彼女の病人へのケア」が挙げられ、「 カトリック指導者の平和促進への取り組みの緊急性」「疎外された女性たちのドラマ」「教会活動における互いを包み込み、耳を傾ける必要性」なども語られた。

*シノドス総会におけるマリアの存在

 

 記者会見の最後に、ルッフィーニ長官は、12日が「アパレシダの聖母」と「ピラールの聖母の祝日」であることを挙げ、「今朝、シノダル(共働的)な教会におけるマリアの姿の重要性が強調されました。 マリアは母であり、信徒であり、預言であり、対話であり、カリスマであり、聖性であり、生きた福音です」と強調した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2023年10月13日