【シノドス総会】「シノダリティ(共働性)は”決まり文句”でなく、日々の実践だ」16日午後の記者会見で

Synod briefing (file photo)Synod briefing (file photo)  (Vatican Media)  cliche

(2023.10.16 Vatican News   Federica Piana)

   シノドス総会の16日月曜午前までの討議状況などについて、バチカン広報局のルッフィーニ長官が16日午後、記者会見した。

 それによると、全体会議や35に分かれた作業部会では、シノダリティ(共働性)の真の意味、多様性における豊かさ、教会での受洗者の役割、宣教活動、キリスト教一致と宗教間対話、女性助祭からみた女性の教会での役割、デジタル革命、 最新技術から完全に切り離されている世界の貧しい国の若者たちの問題、などが忘れないこと、などが話題に上っている。

 長官によると月曜の全体会議は冒頭、教皇が前日15日に出された、リジュ―の聖テレジア生誕150年を記念する使徒的勧告「C’est la confiance」に注目することから始まった。また、これまでの各作業部会からの最初の討議報告についての検討もされた。

 記者会見にゲストとして出席したスリランカ出身の神学者ヴィマル・ティリマンナ神父(C.S.R.)は今総会に出席しての感想について、「シノダリティ(共働性)は、その人が実行するときに起きることを実感した… 総会に参加するまでは『シノダリティ』は単なる決まり文句だ、と思っていた」が、「霊的な対話の仕方に補完された素晴らしい祈りの雰囲気のおかげで、私たちはシノドスの道、シノドスの生活様式が、実際に、どのように生きているかをしることができました」と語った。

 神父は、これがテーブルの配置にもどのように反映されているかを強調し、枢機卿、司教、信徒、特に女性が「ピラミッド型の教会ではなく、同心円状の教会… 互いに肩を触れ合った経験」を指摘。 「この総会には、シノダリティの文化が息づいています。私たちの 課題は、それを会議場の外に持ち出すことです」と述べ、また、シノドスの道は、「教皇フランシスコの個人的な課題ではなく、第二バチカン公会議の継続なのです」と強調した。

 

 女子修道会の世界的な集まりである国際修道会総長連盟(UISG)の事務局長、シスター・パトリシア・マレーは、「シノダリティが、ますます現実のものになっていることを、うれしく思っています」とし、「女子修道会のメンバーとして、私たちは20年以上にわたって、シノダリティ(共働性)を実践してきたと感じています… 特に人生において重要なことについて決断を下し、結論を出した時には、そうでした」と語った。 そして、「イエスと聖霊を私たちの生活の中心に据え、修道会の全員の声に耳を傾けて、今、神が私たちをどこに召されているのか、どこに神が会衆を召されているのかを見極めることが、多くの集会で実践されてきました… ですから私にとって、このシノダリティ共働性)という言葉が普遍的な教会に広まるのは、さらなる喜びです。これが私たちが生き、共にいたい、と願う方法であり、参加、交わり、使命の言葉なのです」と述べた。

 

 プラハ補佐司教のズデネク・ヴァッサーバウアー司教は、リジューの聖テレジアについての使徒的勧告に感動したと述べ、「私は、この使徒的勧告の中にシノドス全体の羅針盤を見ています… これまでの総会の話し合いで、『使命』という言葉が私たちにとって重要なポイントであることをはっきりと認識しました」とした。

 そして、なぜこの使徒的勧告が導き手または道しるべとみなされるのかについて、「まず、私はこの総会で400人の会員全員が毎日、他者の利益や救いを求めて集まっていることに気づきました。 そして、1856年にリジューの聖テレジアは魂の中で感じた暗い夜に言及し、今日も、三千年紀の教会は暗闇の中にある、と言う人がいますが、この総会は、暗闇を照らす光となっているからです 

 LGBTQ+の人々の「痛み」について議論されたかどうかについての記者の質問に、シスター・マレーは「35全部ではありませんが、多くの作業部会で、意見が述べられ、話し合われました。そして、教会がどのようにその傷を表現できるかについても議論されています。また引き起こされた痛みと苦しみについて深い認識があります」と説明。

  別の記者の「同性カップルへの祝福の問題が取り上げられたか」との問いには、ルッフィーニ長官が、その問題は「中心的なものではありません」とだけ答え、その問題よりも、組織形成、聖職者任命、貧しい人々への優遇措置、植民地主義についてもっと議論がなされています」と説明。「カトリックの教義は、総会での議論のすべての中心になっている」と付け加えた。

  さらに、長官は、シノドス総会に出席している中国の司教たちが明日、バチカンを離れる、という情報が間違っていなことを確認し、それぞれの教区に戻る司牧上の理由からそうするのです」と述べた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2023年10月17日