(2023.4.13 Vatican News Christopher Wells)
“シノドスの道”のオセアニア地区の大陸レベル会合が13日、これまでの話し合いの結果をまとめた報告書を発表した。環境危機への対応、女性の役割、若者たちへの積極的な対応の必要を強調している。
報告書はまず、オセアニア地域の豊かな多様性とシノダリティ(共働性)に関するこれまでの前向きな経験を指摘。神の民が本当に自分たちの声を聞いてもらえるのか、シノダリティが結局、教会にとって害のあるものになるのではないか、などを心配しつつも、これまでの識別のプロセスの中で、多くの参加者が共働的な教会への世界的な呼び掛けに大きな感銘を受け、バチカンのシノドス事務局の大陸レベル会議に向けた世界各国レベルまでのこれまでの”シノドスの道”についての取りまとめた準備文書がシノダリティの全地球的な経験をとらえる内容になっている、と述べた。
*女性の役割、若者のケア、生涯養成、性的虐待…
報告書の中心部分では、識別プロセスの「成果」と出された共通の認識が示され、「教会内の分裂についての懸念」「様々な差異を包含することが必要だとの認識」「 教会の教えと教会における女性の役割に関する問いかけ」「 若い人たちに手を差し伸べることの重要性」と、「すべての信徒の生涯養成の重要性」などが具体的に挙げられた。
また、教会内部での緊張、さまざまな文脈で生じたさまざまな司牧上の問題の存在などを指摘し、 「性をめぐる多様性を持つ人々の経験と、この問題に対する教会共同体の対応」「教会の教えに関する問題」「性的虐待がもたらす教会の危機」「文化的な包括性の問題」なども真剣に取り組むべき問題として指摘している。
*10月の世界代表司教会議では環境や信教の自由の危機、信徒の役割などにもっと関心を
さらに、バチカンの準備文書に対しては、オセアニアの人々に強い関心のある環境危機にもっと注意を払う必要がある、としたほか、宗教生活、結婚の召命、一般信徒の役割、生命に関わる問題、信教の自由に対する規制の強まりなども、もっと注目すべき分野として挙げている。
10 月に開かれる世界代表司教会議に向けて、世界レベルでの”シノドスの道”の優先事項を特定し、使命に関して明確な方向性を打ち出す必要と、小教区から教区、国、大陸などあらゆるレベルでもっとシノダル(共働的)な教会となる必要性を強調。世界代表司教会議で扱うべき優先事項として、「私たちの”共通の家”のケアのあり方」「教会における女性と若者の役割」「あらゆるレベルでの信仰養成」を挙げた。
*「さらに多くの信徒が参加するように」