Pope Francis blesses a reproduction of the Barque of St. Peter, found in the Sea of Galilee in 1986 (March 15, 2023) (Vatican Media)
(2024.3.25 Vatican News Devin Watkins)
”シノドスの道”のゴールの一つとなる世界代表司教会議(シノドス)総会第二会期が10月に開かれるが、太平洋諸島諸国のカトリック教会は、太平洋諸島司教協議会(CEPAC)北部地域教区が主催して「舟に乗るのに遅すぎることはない」をテーマにオンライン会議を開く。
*太平洋の島々にとって、皆が乗るのは『舟』
Vatican Newsのインタビューに応じたCEPAC会長のライアン・ヒメネス司教(北マリアナ諸島・サイパン等のチャラン・カノア教区長)は、「太平洋の島々のすべてのカトリック教徒は、すべての人に『船に乗ろう』と呼びかけることで、”シノドスの道”の歩みに弾みをつけようとしている」と語った。
”シノドスの道”でこれまでバチカンから出された文書や議論では、イザヤ書 (54章2節) から引用した「(皆が入れるように)あなたの天幕の場所を広くせよ」が頻繁に使われてきた。だが、ヒメネス司教は、「台風が広範囲に被害をもたらすことの多い太平洋の島々では、『天幕』のイメージは異なる。むしろ(皆がともに乗り込む)『舟』が、人々の日々の体験に近い教会のイメージです」とし、ペトロの舟のように、教会を象徴するものでもある、と指摘した。
*大事なのは「多文化性」よりも「異文化性」
またこれまでのシノドスの会議では、多くの異なる文化の本拠地である太平洋地域では、「多文化性」よりも「異文化性」が重要であることが強調されている、とし、「異文化性は交流を促進する。なぜなら、私たちは『他の文化が存在すること』をただ認めるだけの『多文化』教会ではない。私たちは皆、一つのキリストの体の成員だからです… 『異文化』であれば、民族、環境、人種に関係なく、一つの教会。シノドスの精神で一緒になれる、という関係が生まれます」と説明した。
ただ、ヒメネス司教は、10月の総会第二会期に向けて「課題が依然として残っている」とも指摘。具体的に、一部の司祭がこの歩みに依然として「参加していない」ことを挙げ、(島々の教会が、海で隔てられている)私たちのような地域では、カトリック信者たちの関係を維持するために、安定したインターネット接続も課題になる」と付け加えた。
こうした課題を抱えながら、ヒメネス司教は、チャラン・カノア教区が「シノダル教区」のモデルとすることを考えていることを明らかにし、 「教皇フランシスコが『主人公は聖霊です』と言われているように、(”シノドスの道”の)歩みに、聖霊が忍耐強く、協力して働いてくださるように、努めることが、私たちに求められているのです」と語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)