(2021.3.19 カトリック・あい)
ロイター、AP、AFPなど複数の国際ニュース・メディアが18日、ベルリン発で伝えたところによると、ドイツのカトリック教会で最有力のケルン大司教区で浮上した多数の聖職者による性的虐待問題で、現在ハンブルク教区長を務めるステファン・ヘッセ大司教が同日、辞職することを明らかにし、ケルン大司教区でも補佐司教がにした、という。
この問題についての調査していた独立機関が同日発表した報告書で、その実態と高位聖職者を含めた聖職者の事実の隠ぺいなどが具体的に明らかになったのを受けたものだ。
独立調査機関は、ケルン大司教のライネル・マリア・ウエルキ枢機卿の依頼を受け、複数の弁護士で構成され、1975年から2018年までの性的虐待案件について調査を行ってきた。800ページの及ぶ報告書によると、加害者は聖職者や一般信徒202人。被害者は314人に上り、うち大半が虐待を受けた当時14歳未満だった。
また、報告書は聖職者による性的虐待に関して問題行為があったとされる高位聖職者として、ステファン・ヘッセ・ハンブルク大司教や、ウエルキ・ケルン大司教の前任者、故ヨアヒム・マイスナー枢機卿らの名をあげ、ヘッセ大司教については、11件について「果たすべき義務に違反した」としている。
これに対し、ヘッセ大司教は「隠蔽工作に加わったこと一度もない」としつつ、「間違いを犯したこと」を認め、「ハンブルク大司教区が損害を受けるのを避けるために、教皇フランシスコに辞表を提出し、速やかに受持してくださるようにお願いする」と、記者たちの取材に語った。ヘッセ大司教は、1966年8月生まれの54歳、ドイツで最年少の大司教として将来が嘱望されていた。
また、ウエルキ枢機卿は、報告書でやはり、果たすべきを義務を果たさなかったと名指しされたケルン大司教区のドミニクス・シュワデルラップ補佐司教と教区幹部一名を停職処分にし、報告書を詳細に検討したうえで、来週中にもさらに具体的な措置をとる、としている。
今回の報告書と教会側の対応について、虐待被害者団体のメンバーは、「調査の範囲が狭すぎ、対応が遅すぎる。虐待の責任を負うべき人たちの多くがすでに死亡してしまっている。虐待が表面化してこれまでの十数年、教会の責任者たちは公正な調査、処分を妨げ続けてきたのが、その理由です」と不満を隠さない。
ドイツのカトリック教会では、これまでに聖職者による性的虐待の被害者が過去70年にわたって合計で3700人に上っていることが報告され、2018年に司教団として被害者たちに謝罪しているが、同国で最大の聖職者数、信徒数を持つケルン大司教区で、問題が再燃したことが、ドイツの教会全体の信用失墜を加速する、と懸念している、という。