・アルゼンチンの修道女たちが大司教ら司祭3人を「性的差別による虐待」で提訴(Crux)

(2022.4.29 Crux ローマ支局長 イネス・サン・マルティン)

 ローマ発= 教皇フランシスコのお膝元、アルゼンチンの大司教区で、修道女たちのグループが大司教などを相手取り、司祭から性的差別による虐待を受けたとして提訴した。

 アルゼン​​チンでは今年3月に、サルタ州オランの裁判所が、グスタボ・ザンチェッタ元司教に対し、2人の元神学生に継続的な性的虐待を犯したとして、4年6か月の禁固刑を言い渡している。

 今回の提訴があったのは、同国のサルタ大司教区。教区長であるマリオ・カルグネッロ大司教に対して、跣足カルメル会の聖ベルナルド修道院所属の修道女たちによってなされた。

 訴えの相手は、カルグネッロ大司教とサント・ドミンゴ教区のマルティン・デ・エリザルデ引退司教とルシオ・アジャヤ神父の3人。サルタ大司教区は、この件について沈黙しており、カルグネッロ大司教も、メディアの会見要請に応じていない。

 修道院の弁護士団は、訴状は特定の犯罪に焦点を当てていないが、「大司教自身あるいは他者の助けを借りた威圧的な要求と振る舞いで特徴付けられる、優越的な立場、高慢、”男らしさ”からもたらされる(大司教と修道女の間の)長年にわたる込み入った関係がある」と説明している。

 一方で被告弁護団は、こうした訴えを全面否定し、教会法に定めた修道院が守るべき資質への不服従そのものである、と決めつけている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)
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2022年4月29日