(2022.12.16 カトリック・あい)
米国の大手通信社、AP通信が伝えたところによると、性的虐待を行ったとして問題になっているイエズス会士で著名な芸術家の司祭について、イエズス会のアルトゥーロ・ソーサ総長が14日のローマでの記者団との会見で、問題の司祭、マルコ・ルプニク神父が性的関係を結んだ女性を赦免したことで2019年に「自動的に破門」になったことを明らかにした。
APによると、総長は、告解の秘跡をこのような形で乱用することは、カトリック教会における最も重大な罪であり、報告を受けた「バチカンの教理省は、そのことを確認し、破門の措置が取られた」とする一方、「破門が解かれるためには、その罪を認め、悔い改めなければならない。そして、彼はそうした」と、司祭としての役務に制限をつけたうえで、現在は破門が解除されていることも認めた。
ただし、現在なされている制限は、告解の秘跡の乱用以前の罪に対するものであり、バチカンの性犯罪取り締まりの部署が、すでに時効になっているとして、昨年、対応を”棚上げ”することに決めた被害者の訴えに対するものではない、とも総長が述べた、とAPは伝えている。
は1990年代の初めにスロベニアの女性修道者生活研究所の指導司祭を務めていた際、少なくとも9人の女性所員を性的虐待し、うち一人は、それが原因で自殺を図ったとされている、とイタリアのメディアLeft.itなどが伝えている。
また、この神父の問題は12月初めにイタリアのメディアによって明らかにされたが、その際、バチカンが、そうした多数の女性に対する性的虐待の訴えについて、「時効」を適用し、”不問”としたことには、疑惑がもたれている。APによると、こうした判断をしたバチカンの部署はイエズス会士が率いており、ナンバーツーは、ローマでルプニク神父と同じ所に住んでいた人物だ、という。