(2017.6.26 CJC)バチカン(ローマ教皇庁)のカンチェレリア宮殿で6月23、24の両日、「勧進能」が宝生流・金剛流の合同で行なわれた。23日は能『翁』(宝生流)と、能『羽衣』(金剛流)が、24日は能『翁』(宝生流)、と復曲能『復活のキリスト』(宝生流)が演じられた。バチカンでの本格的な能楽公演は1984年以来という。
日本とバチカンの国交樹立75周年記念行事の一環で、『復活のキリスト』は宝生流の唯一のキリスト教演目。公益社団法人・宝生会主宰によるもので、在バチカン日本大使館が共催した。
『復活のキリスト』は1957年4月21日、ドイツ人宣教師ヘルマン・ホイヴェルス神父原作、17代宝生流宗家・宝生九郎の演出により、宝生能楽堂で初演。63年に、キリスト能制作事業として『キリスト文化と日本古典芸術祭』での再演が最後となったものを復活した「復曲能」。今回の上演では、主役のキリストを宝生流宗家の宝生和英さん(31)が務めた。□
――――――――
◎バチカン科学アカデミー新会長にドイツの経済学者ブラウン氏
【CJC】バチカン科学アカデミーの新会長に、教皇フランシスコはドイツの農業経済学者ヨアヒム・フォン・ブラウン氏を任命した。
ブラウン氏は、ボン大学教授(経済と技術)兼開発調査センター長。栄養失調に関する権威として知られる。ゲッチンゲン大学、キール大学教授、国際食料政策研究所(IFPRI)所長などを歴任、科学アカデミーには2012年から会員に選ばれている。□
(2017.6.13 Vatican Radio)全世界司教会議(シノドス)準備事務局が13日、来年10月開催する「若者たち、信仰と召命の判断」が主題のシノドスを準備するための専用ウエブサイトを14日から開設する、と発表した。全世界の司祭、信徒を巻き込んだ準備作業の一環で、全世界の若者の積極的な参加、質問への回答を含めた意見表明を期待している。アドレスはhttp://youth.synod2018.va。
発表文によると、このウエブサイトは、シノドス準備のために全世界からの若者たちの幅広い、対話方式による参加してもらうように企画された。使用言語はイタリア語、英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語で、若者たちに直接、質問を投げかけ、回答を受ける。回答は、事務総長あてで、締め切りは11月30日。シノドスの準備書面の作成に生かされる。
(2017.6.16 Tablet by Catholic News Service)
インドネシアの数十人のカトリック司祭が、同国フローレス島の担当司教が10万ドル(約1100万円)の教会の資金を私的に使い込んだしとして、これに抗議して職務を放棄した。Ucanews.comによると、同国ルーテン教区の少なくとも69人の司祭が、6月中旬、司教代理や小教区管理者としての職務を放棄、辞表を提出し、ウベルトス・レテン司教が彼らの「教区経営の全面見直すように」との要求を受け入れるよう、強く求めた。
これについて、レテン司教は12日、記者たちに「司祭たちには、職務を離れてほしくないが、辞任は彼らが自由に判断することだ」と語り、「もし教会を愛するのであれば、人々の不安を静めねばならない」と述べたが、自らに対する申し立てに対してはコメントを拒んだ。
抗議中の司祭たちのスポークスマンとなっているマーテン・チェン師は「教会が聖霊の導きに沿ったものとなる」ために教区経営の全面見直しは絶対に必要、と強調し、「教会運営、財政管理とともに、司牧活動についても、刷新が必要です」と訴えている。何人かの司祭はucanews.comに対して、自分たちがこのような行動にやむを得ず出たのは、レテン司教と話し合いによる問題解決が全くなされなかったため、と説明した。
抗議行動に加わっているある司祭は匿名を条件に、「前向きな反応があれば、このようなことをしなかっただろう」としたうえで、レテン司教の具体的な問題行動として、司教がインドネシア司教団から9万4000ドル、司教区から3万ドルをそれぞれ内密に借り入れたが、会計報告に記載しなかったことを明らかにし、その使途について、ある会合で、彼が司祭たちに「米国でパイロットになる勉強をしている貧しい家庭の若者への資金援助に使った」と説明したものの、その具体的な中身の説明を求められたのに対して、「そのようなことを知る必要はない」と回答を拒否した、という。
同司祭によると、この問題に関して昨年、同教区の167人の司祭の内112人がレテン司教を信任しないとする文書に署名した。その理由は、問題の使途不明金がレテン司教と恋愛関係にある女性に渡っているという疑念を持っているからだという。2014年に、司教のこうした関係について知っていると言明した司祭が、司祭職を辞め、その内容を公けにしたが、司教はこの訴えを「中傷だ」と批判している。
別の司祭によれば、この問題はインドネシア司教協議会で調査が行われ、報告にまとめてバチカンに送ったが、「バチカンはまだ何の対応もしていない」と語っている。
(翻訳「カトリック・あい」南條)
(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher” and that you quote our website address http://www.thetablet.co.uk)

教皇フランシスコ、教皇庁諸宗教対話評議会の関係者と
(2017.6.10 バチカン放送)教皇フランシスコは9日、「普遍の兄弟愛の教育における女性の役割」をテーマに定例総会を開いた教皇庁諸宗教対話評議会(議長:ジャン・ルイ・トーラン枢機卿)の関係者とお会いになった。
この会見で、教皇は「多様化、グローバル化した今日において、社会の中で普遍の兄弟愛を教える女性の役割を、もっと認識する必要があります」と強調し、「女性がその賜物を共同体の中で発揮する時、社会がそれを認識することで、良い方向へと変容しながら、人類家族の本質的一致について一層考えを深めることができるのです」と話された。
そして、「女性が地域・国内・国際社会の様々なレベルで、社会・経済・政治、そして教会生活に関わっていく」ことを希望され、「受容と相互尊重を生み出すことができる女性たちは、教育者として特別な召命を持っています」と指摘。「女性たちは母としての役割以外にも、家庭教育の中心を果たし、教育界におけるその貢献は計り知れません」と語られた。
さらに、「男性も女性も、すべての人が、それぞれの感受性と役割をもって、兄弟愛と平和の教育に参加するよう求められ」ており、「中でも生命の神秘と密接に結びついた女性は、命を大切に守る心と、愛だけが世界で皆の共存を可能にするという確信によって、兄弟愛の精神を推進する大きな力を備えているのです」と念を押された。
「普遍の兄弟愛の教育では、友情や相互尊重を築くとともに、諸宗教対話を学ぶことが必要」と強調され、「女性は、生活の面からも諸宗教の対話に取り組み、多文化的な現実について理解を深めるために貢献できますが、同時に宗教体験や神学などのレベルでも、意見を交わすことができます」としたうえで、「人に耳を傾け、受容する力と、寛大に開かれた心をもって、女性が諸宗教対話において、一層、活躍できるように」と希望を述べられた。

U.S. President Donald Trump stands with Pope Francis during a meeting, Wednesday, May 24, 2017, at the Vatican. (Credit: AP Photo/Evan Vucci, Pool.)
(2017.5.24 Crux スタッフ) 教皇フランシスコとトランプ米大統領の初の会談が24日朝、バチカンの教皇執務室で行われ、会談後に教皇庁から発表された声明で「両者は共通の関心事項について30分間の話し合いを持った。命、信教の自由、良心を重視するjoint commitmentについても話われた」ことが明らかにされた。
声明は通常の外交辞令的な表現で、両者の会談は「誠心誠意」なものだった、とし、米国におけるトランプ政権とカトリック教会の関係について、「医療保険、教育、移民への支援の分野での人々への対応において、穏やかな協力が期待される」と今後への期待を表明した。
このほか、会談ではさまざまな国際問題についても話し合われ、声明は「国際問題に関する多様なテーマ、政治的な交渉と宗教間対話を通しての世界平和の推進について意見が交換された。その中で特に、中東情勢とキリスト教共同体社会の保護に言及があった」と説明した。迫害されているキリスト教徒の保護はトランプ大統領が選挙戦で主要課題に掲げていたもので、この問題を米国の外交政策の要石にすると公約しており、教皇にとっても重要課題となってきている。教皇は、あらゆる宗派の新たなキリスト教徒による殉教によって分かち合われる「血の広大な信仰一致」に繰り返し言及している。
声明はまた、トランプ大統領が外交儀礼として、教皇の側近であるパロリン国務長官、ギャラガー外務局長とも会見した、とした。
今回の会談に先立って、バチカンとホワイトハウスの高官たちは、2人の友好的な会合を期待していることを強調していたが、発表された声明はまさにそうしたトーンに貫かれていた。トランプ大統領が言明しているメキシコからの移民流入防止の国境への壁の建設問題や地球温暖化防止のパリ合意からの離脱、そして教皇が回勅 Laudato’ Siで推奨している地球温暖化防止策の推進などには、直接触れられることがなかった。
もっとも、教皇は賢明な策をとった。会談後に大統領に手渡した贈り物に、「(家庭における)愛の喜び」「福音の喜び」の二つの使徒的勧告とともに、Laudato’ Siの文書を入れることで、意思を示したのだった。
この会談について、ホワイトハウスはいまのところ、声明を出しておらず、教皇のほかにイタリアの大統領、首相とも会っているが、記者説明も予定されていない。
(翻訳・「カトリック・あい」南條俊二)
トランプ氏「光栄です」、法王は無言…会談冒頭
(2017.5.24 読売新聞 ローマ=佐藤友紀)トランプ米大統領は24日、バチカンを訪れ、ローマ法王フランシスコと会談した。 両者は移民問題への対応などをめぐり対立した経緯があるが、和解の糸口を探った模様だ。
会談冒頭、トランプ氏は報道陣の前で握手した後、「(お会いできて)大変光栄です」と語りかけたが、法王は無言だった。会談は約30分間行われ、ローマ法王庁によると、中東情勢やキリスト教徒をめぐる問題など国際情勢について幅広く話し合ったという。トランプ氏は会談後、記者団に「法王は偉大だ。会談はすばらしかった」と述べた。
米ホワイトハウスによると、トランプ氏は黒人公民権運動を率いたキング牧師の著作の初版本などを法王にプレゼントした。法王は、平和の象徴とされるオリーブの木がモチーフのメダルをトランプ氏に贈った。
ローマ法王は昨年2月、トランプ氏が米大統領選でメキシコ国境に壁を築いて不法移民の流入を阻止すると主張していたことについて「キリスト教徒ではない」と厳しく批判。トランプ氏も「宗教指導者が個人の信仰に疑問を投げかけるのは恥ずべきことだ」と反撃していた。環境問題を巡っても、地球温暖化に懐疑的なトランプ氏と、環境問題への対応を求める法王の間には意見の隔たりが目立つ。
一方、キリスト教徒が国民の約7割を占める米国で、法王は米国民の尊敬を集めており、トランプ氏がローマ法王との対立を続ければ支持者離れにつながると懸念する声があった。トランプ氏は今回の初外遊で、カトリック教会(キリスト教)の総本山であるバチカン訪問に先立ち、イスラム教の聖地メッカがあるサウジアラビア、ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」も訪問した。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の3大宗教の中心地を回ることで、宗教による分断の修復をアピールする狙いがあり、法王との会談を重視していた。