・カンタラメッサ枢機卿の四旬節説教②「イエスは聖なる方、私たちを聖なる者にしてくださる」

Cardinal Cantalamessa preaches a Lenten sermon (file photo)Cardinal Cantalamessa preaches a Lenten sermon (file photo)  (ANSA)

 教皇の説教師、ラニエロ・カンタラメッサ枢機卿による四旬節説教の2回目が5日、バチカンで行われ、「すべての人間にとって完璧な模範としてのイエスの人間性」がテーマに取り上げられた。

 枢機卿はまず、教皇フランシスコが教会にとっての4つの座標として「信仰」「聖体」「ミサ典礼」そして「祈り」を指摘された、とし、その指針をもとに、イエスを「これまで以上に真に私たちの人生の主」にするのを助けることに焦点を当てて考察した。

*イエス・キリストは真の神であり真の人間

 枢機卿は瞑想の基礎として、カルケドン公会議*で確認された教義-キリストは完全な神性と完全な人間性を備えているーを思い起こした。(注:カルケドン公会議=西暦451年秋にカルケドン(現在のトルコ・イスタンブール市のカドゥキョイ地区)で行われた公会議で、キリストに神性と人性の両方があることを確認した。)

 この基本理念から、枢機卿はイエスの完全な人間性に注目。「カルケドン公会議は、イエスが真の人間であるという教義を擁護し、この真理が確保されていることで、イエスが『新しい』人間ー他のすべての人は、その方の似姿ーであるという、福音書の見方に、私たちは重きを置くことができるのです」と語った。

*イエスの神聖さ

 イエスの完全で真の人間であることを確認することは絶対に必要だが、聖書はイエスの神聖さも強調している、としたうえで、枢機卿はこう述べたー「福音書は、その人生のすべての時を生き抜いたイエスの神聖さを示しています… 山上説教でなさった『至福の教え』…はイエスが人々のために描いた美しい計画であるだけでなく、弟子たちに示された、ご自身の、人生そのもの、そして経験なのです」。

*神聖さは賜物

 そして、「だが、これは私たちにとって何を意味するのでしょうか」と枢機卿は問いかけ、「イエスを『聖なるかた』とお呼びするように、私たちも『聖なる者』と呼ばれるかというと、それほどではないでしょうが、イエスは私たちに、神聖であることを無料で伝え、認め、与えてくださるのです、イエスは聖なるかたであり、私たちを聖なる者にしてくださいます。イエスは神の子であり、私たちを神の子どもたちにしてくださいます」と強調。

 さらに、「私たちはこの賜物を、何よりも信仰を通して、いただけます。キリストが私たちのために勝ち取ってくださったものを、私たちは信仰を通して、自分のものにするのです」とし、 「私たちは、イエスに倣って、人生にそれを当てはめ、『古い自分』を脱ぎ、『キリスト』を身に着けるように、呼ばれているのです」と説いた。

 また枢機卿は、「キリストに倣う義務について聞く機会は、他にもたくさんあります」と述べ、「一つの小さな実践的な決意」で説教をこう締めくくったー 「いかなる決定をする、あるいは答えを出す場合もその前に、できるだけ頻繁に自分自身に問いかけてみましょう-『この場合、イエスに喜ばれることは何だろうか』。そして、その決定、答えをただちに行うことです」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年3月7日