・「聖霊の働きに身を委ねる勇気を持とう」ー菊地大司教の聖霊降臨の主日の言葉

2023年5月27日 (土) 週刊大司教第126回:聖霊降臨

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   28日は聖霊聖霊降臨の主日です。

   教会の誕生日とも言うべきこの日、東京カテドラル聖マリア大聖堂では、午後から教区合同堅信式を執り行います。昨年までは、様々な制限を設けたり、開催できなかったりのことが続きましたが、今年は新型コロナ大感染前と同様に、教区内のいくつかの小教区からの受堅者を迎えて行いたいと思います。合計で何名になるのかは、また後ほど報告します。

 堅信を受けるために準備されてきた皆さん、おめでとうございます。また堅信のための学びを導かれた皆さんにも、感謝いたします。

 以下、本日午後6時配信の、週刊大司教第126回、聖霊降臨の主日のメッセージ原稿です。

【聖霊降臨の主日A 2023年5月28日】

 「聖霊来てください。あなたの光の輝きで、私たちを照らしてください」

 聖霊降臨の主日に、私たちはこの言葉で聖霊の続唱を歌い始めます。続唱には、この聖霊の光が、「恵み溢れる光、信じる者の心を満たす光」であると記され、その光は「苦しむ時の励まし、暑さの安らい、憂いの時の慰め」である、と記しています。

 この三年間の暗闇の体験を振り返る時、まさしく私たちは、苦しみと憂いの中にたたずんでいました。世界を席巻した新型コロナの大感染にも、やっと終わりが見えてきました。新たに道を歩み始めようとする私たちの周りは、グローバル化した利己主義と暴力によって大きく変化してしまいました。新たな歩みを始める今だからこそ、私たちは光である聖霊の照らしを願いたいと思います。

 それは、続唱にあるとおり、「あなたの助けがなければ、全てははかなく消えてゆき、誰も清く生きてはゆけない」からに他なりません。今、聖霊の導きが必要です。

 教会は、”シノドスの道”の歩みを通じて、聖霊の導きを識別しようと努めています。

 第二バチカン公会議の「教会憲章」は、聖霊は「教会をあらゆる真理に導き、交わりと奉仕において一致させ、種々の位階的たまものやカリスマ的たまものをもって教会を教え導き、霊の実りによって教会を飾る」と教えています。その上で、「聖霊は福音の力をもって教会を若返らせ、絶えず新たにし、その花婿との完全な一致へと導く」(4項)とも記し、教会は、「キリストを全世界の救いの源泉と定めた神の計画を実現するために協力するよう」聖霊から迫られている(17項)と記します。

 2021年9月に発表された今回の”シノドスの道”の準備文書も、共に旅を続けることを通じて福音を告げるためには、「聖霊に耳を傾ける必要がある」として、次のように記しています。

 「この問題に共に取り組むためには、聖霊に耳を傾けることが必要であり、その聖霊は、風のように『思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない』(ヨハネ福音書3章8節)のです。聖霊が途上で必ず用意してくださる驚きに心を開いていなければなりません。このようにして、ダイナミズムが活性化され、シノドスによる回心の実りの一部を収穫し始めることができ、それが徐々に成熟していくのです」(2)

 教会には聖霊がいつも働いています。あの五旬祭の日の出来事以来、今に至るまで、聖霊は教会に働き続けています。聖霊は常に既成概念を打ち破り、固定観念を打ち砕き、父である神の御旨のままに、様々な方向へと吹き続けています。その息吹に、身を委ねる勇気を持ち続けましょう。

(編集「カトリック・あい」)

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2023年5月27日