・「地球と人類の健康のために食料システム全体の再編が必要」教皇、世界食糧デーに

BANGLADESH-ECONOMY-AGRICULTUREBANGLADESH-ECONOMY-AGRICULTURE  (AFP or licensors)

(2021.10.15 バチカン放送)

 16日の国連の「世界食料デー」にあたって、教皇フランシスコが国連食糧農業機関(FAO)の屈冬玉(チュー・ドンユィ)事務局長あてにメッセージ送られ、「『世界食料デー』は『飢餓を完全に撲滅する』という高い目標に私たちを向き合わせるもの」とされた。

 そして、「未来は私たちが創る。より良い食料生産と栄養改善が、素晴らしい生活と環境につながる」という今年のこの日のテーマは、「環境に最大限の配慮をし、適正価格を保証し、食料がすべての人に届くようにする」ために共同行動が必要であることを世界の人々に訴えるもの、と指摘。「私たち一人ひとりが、人と地球のためになる食料システム変革へ役割を担い、それぞれが自己の文化と経験、能力をもって自然保護に協力するように求められています」と訴えられた。

 さらに、「必要な栄養をとることができない人々が多くいる一方で、誤った食生活や習慣で肥満になる人が多く存在する」という世界の”逆説的な現状”に触れながら、「地球と人類の健康のために、あらゆるレベルで食料システム全体の再編が必要です」とも語られた。

 また教皇は、特に「農地」「海洋」「食卓」「無駄の軽減」の4分野で、生産者の努力を促し、消費者に倫理的で持続可能な選択を求め、若者が世界の飢餓問題への関心を高めるような対応を強く希望された。

 「自分の生活と簡単な行動から始めることが、『飢餓撲滅』という大きな目標への貢献につながり、私たちの「共通の家」を認識し、守ることが、地球環境保護への第一歩となります」とされた教皇は「この問題に取り組むためには、市場の冷酷な論理を超え、連帯の論理を強化することが大切」と指摘。FAOをはじめ、すべての人の基本的権利のために努力する人々に対するバチカンとカトリック教会の協力を約束しつつ、希望と調和の種を蒔く人たちのために祈られた。

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2021年10月16日