【教皇モンゴル訪問2日】「主の下に全ての教会員を団結させ、シノダルな教会を目指せ」モンゴルの教会関係者たちに

(2023.9.2 Vatican News By Christopher Wells)

    初のモンゴル訪問中の教皇フランシスコは2日夕、首都ウランバートルの聖ペトロ・聖パウロ大聖堂で、カトリックの司教、司祭、修道者など教会関係者との集いを持たれ、講話の中で、イエスが「教会がすべての人に宣べ伝えねばならない福音」であること、そして、神は頻繁に「時間をかけて低いささやき声」で私たちに語りかけておられることを強調された。

 教皇フランシスコは、彼らに「主が善い方であることを味わい、確かめましょう」と呼び掛け、「主の喜びと素晴らしさが、私たちと共にあり、私たちが物事を新たな方法で確かめるのを助けてくださる」ことを思い起こさせた。

*福音のために人生を捧げる

 またこの大聖堂に集まった司教たち、司祭たち、宣教師たち、修道者たち、そして一般信徒の奉仕者たちに、特にモンゴルにおいてキリスト教徒の宣教の使命の果たし方として、福音のために人生を捧げるように促された。そして、 福音のために人生を捧げたこれまでのモンゴルの教会の歴史を振り返られたうえで、現在に目を向けられ、「どうして人は、福音のために自分の人生を捧げなければならないでしょうか?」と問いかけられた。

 そして、「その答えは、神はイエスにおいてご自身を目に見え、触れ、出会えるようにされたことにあります。 イエスは、すべての人々に向けられた良い便りであり、教会が常に宣言し、生活の中で体現し、すべての個人とすべての文化の心に『ささやく』べきメッセージなのです」と強調された。

*仕えている人々の中にイエスを見る

 

 さらに教皇は、集会参加者たちに、常にイエスに立ち返るよう促され、 「主のそばに留まることが、仕えている人々の顔の中に主を見ることにつながります。奉仕は、聖なる感覚を持ち、本物の証しを求めているモンゴルで、必要とされているもの。私たちキリスト教徒は、政治的な理論を広めるためにではなく、イエスと彼の父—今は「私たちの父」となっている方—との関係の新らしさを証しするために、遣わされているのです」と説かれた。

そして、モンゴルの教会でなされている多くの慈善的な活動は、お国の人たちの尊敬、敬意を得ている。このような奉仕の活動を続け、愛するモンゴルの人たちにとって実りのある、有益なものであることを証明してください」と励まされた。

*教会における交わり

 また教皇は、「教会は世俗的な意味で貧しいものであり、信仰と復活された主の力によってのみ支えられています」とされ、「すべての善を生み出す慈しみと真実のメッセージを人々に届けるように」と呼びかけられた。 教会には、キリストを頭に置いた調和が無ければならず、神秘体の中に友愛を築くのに果たすべき司祭の役割を強調された。

 同時に、モンゴルの人たちの心が「ペトロの心」に近いこと、そして世界の教会も、「教会の交わりの大いなるほとばしりにおいて」モンゴルに近いことを指摘。この点に関して、司教の果たすべき役割を強調され、「すべての教会の構成員が、民の中で生きているキリストを代表する司教を中心に、しっかりと団結し、シノダル(共働的)な交わりを作り上げることが重要です」と、司教の責任も強調された。

*モンゴルでイエスを証しすること

  教皇は、モンゴルの教会の司牧者たちとすべての信徒たちに、「自分という存在が、賜物であること」と、「この国で神の愛を証しするよう求めておられるキリストに自分自身を捧げること」の素晴らしさを改めて認識するよう勧められ、「皆さんは、交わりと簡素な生活を培い、人々に寄り添い、気遣い、人生の模範としてイエスを人々に伝えることによって、その素晴らしさを現実のものとされるでしょう」と励まされた。

 講話の最後に、モンゴルのカトリック教会共同体に対し、「たゆまぬ喜びをもって、福音を証しする熱意と熱烈な愛を追求した聖母マリア」に自分を委ねるよう勧められた。そして「神はあなた方を愛しておられます。あなた方を選び、あなた方を信じておられます。神に人に奉仕する人生を送るあなた方のそばに、私もいます。… 忍耐強く、絶えず祈り、創造的に慈善活動をし、堅固な交わりを持ち、何事においても誰に対しても笑みと柔和さを絶やさぬように」と求められた。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2023年9月2日