♰「コロナ禍の”Christmas2020”を他者を助ける機会に」教皇、待降節第四主日正午の祈りで

Pope Francis prays the Angelus from the window of the Apostolic PalacePope Francis prays the Angelus from the window of the Apostolic Palace  (Vatican Media)

 教皇フランシスコは20日、待降節第四主日の正午の祈りの前の説教で、神の招きに対するマリアの「はい」を取り上げ、消費主義が私たちの心をクリスマスの真の精神からそらすことのないように注意された。

 説教で、教皇はこの日のミサで読まれたルカ福音書の受胎告知(1章26~38節)を振り返り、「救世主の母となるようにとの、神のマリアへの招きは、純粋な喜びと大きな試練を伴っていました」とされた。

 マリアはヨセフと婚約しており、妊娠していることが分かれば死刑を覚悟しなければならない。

 「神の招きで、マリアの心は光と力で満たされたでしょう。そうした中で、彼女は自分が重大な決断に直面していることに気付きましたー神に「はい」と答え、何もかも、自分の命さえも危険にさらすか、それとも、招きを断って普通の生活を続けるかーという選択でした」。

 

*「はい」は強い希望の言葉

 マリアは前者を選択し、「『はい』と答えますー『お言葉どおり、この身になりますように』と。この答えは「元のギリシャ語では、『強い希望、これから起こること(注:を受け入れようとする)確固とした意志』を意味しています」とされ、つまり、その答えの言葉は、「単純で素直な『はい』ではありませんでした。マリアは進んで、自分を神に結び付けたのです」と説かれた。

 さらに「彼女は、主に完全に、しかも即座にお仕えする用意のある”恋に落ちた女性”です。マリアは、ためらったり、神に条件を付けたりはしません」と付け加えた。

*どのようなコストを払おうとも

 続けて、教皇は、「生活の中で、そして霊的な生活においてさえも、どれほど頻繁に、なすべきことを先延ばししているか」について言及し、「私たちは、祈ることがいいと分かっていても、『時間がない』と言います。そして、誰かを助けることが重要だと分かっていても、今日、それができない。明日にしよう、と」とされたうえで、「それでも、クリスマスの時期になると、マリアが私たちに『どんなコストを払おうと、素早く、勇気をもって”はい”と答えなさい』と促すのです」と強調された。

 

*クリスマスを取り巻く困難の中ですべきことは

 そして、今年のクリスマスを取り巻く困難な状況の中で、「神が,私たちが『はい』と答えるように、どのようにして促しておられるのか」を考えるように勧められ、「今の困難な時期に、『新コロナの大感染でやりたいこともできなくない』と不平を言う代わりに、欠乏している人のために何かをしましょうー自分自身や友人たちに何度もプレゼントをするのではなく、誰にも大切にしてもらえない、助けが必要な人のためにプレゼントをしましょう」と呼びかけられた。

 また、クリスマスに先だって、プレゼントを買うことばかりに心を奪われないように注意され、「消費主義がクリスマスを”盗んで”います。聖家族は、ベツレヘムの馬小屋を、消費主義とは関係なく、貧しさと愛に満たしました」と述べ、「悪から解放され、神を喜んでお迎えし、受け入れるマリアのように」祈りを通して、クリスマスを迎える心の準備をするように、すべての人に勧められた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2020年12月20日