♰「防壁から外に出、社会経済を変えるための勇気を」教皇、巡礼者たちと正午の祈り

教皇フランシスコ、バチカンの広場に戻った巡礼者たちを祝福 2020年5月31日 教皇フランシスコ、バチカンの広場に戻った巡礼者たちを祝福 2020年5月31日   (Vatican Media)

 教皇フランシスコは31日午前、聖霊降臨の主日のミサを聖ペトロ大聖堂で捧げられた後、正午のレジーナ・チェリの祈りを、3月1日以来、ほぼ3か月ぶりにバチカン宮殿から眼下の広場に集まった巡礼者たちと共に唱えられた。

 教皇は集いの初めに、「今日は広場が開かれました。また元のように戻れます。うれしいことです」と挨拶された後、説教で、イエスが弟子たちの宣教を励ますためにおくられた聖霊の力について話され、この聖霊降臨の日に、私たちの中に宿られる聖霊の活力を改めて意識し、「cenacoli(注:イエスが弟子たちと『最後の晩餐』と聖霊降臨の場所とされる宿の2階の広間)」の防壁から外に出ていく勇気をもつよう促された。

 祈りに続いて、巡礼者に挨拶をおくられ、その中で教皇は、6か月前に終了したアマゾン地域のためのシノドスを思い起こしながら、「新型コロナウイルスの大感染という厳しい試練に直面するアマゾンの教会と社会のために、光と力を聖霊に祈り求めたい」と語り、この地域の新型ウイルスの感染者や犠牲者の間に、最も脆弱な環境に置かれた先住民族の人々もいることを教皇は示しつつ、「この愛する地域をはじめ、世界の最も貧しく最も無防備な人々に、医療支援が欠けることがないように」と聖母の取り次ぎを祈られた。

 教皇は「人々を治療することは、経済のための節約より大切なことです。私たち人間は聖霊の神殿ですが、経済は違います」とされ、「このような危機を経て、前とまったく同じような状態に戻ることはありません。前より良くなるか、悪くなるかです」と語り、大感染危機後の社会経済の再構築が以前より良いものをもたらすように、「変えるための勇気」を願われた。

(編集「カトリック・あい」)

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2020年6月1日