♰「人種差別は絶対に許されない、暴力も」-教皇、一般謁見で

(2020.6.3 VaticanNews)

 米ミネソタ州で黒人男性が警察の拘束下で死亡した事件に対する抗議活動が、全米50州にまで拡大し、一部に暴動の発生も伝えられている。

 教皇フランシスコは3日、水曜恒例の一般謁見で、この問題に言及、米国民に対して、「ジョージ・フロイド氏の悲劇的な死に続いて、過去数日の間にあなた方の国で起きている残念な社会不安を、大きな懸念とともに注目しています」と話しかけた。

 そして 「私たちは、人種の違いを理由とした、いかなる差別や排斥を容認することも、目をつぶっていることもできません。すべての人間の生命の神聖さを守るよう、主張します」と訴えられた。

*暴力を非難する

 そのうえで教皇は、全米司教協議会(USCCB)のホセ・ゴメス会長(ロサンゼルス大司教)がこのほど出した声明を引用する形で、一部地域の抗議行動が暴力化していることを強く批判。「この何日が夜に起きている暴力行為が、自己破壊、自滅を招くことを認識しなければなりません。暴力によって何も得られず、多くが失われてしまいます」と強調された。

 教皇はまた、フロイド氏が殺害されたミネソタ州のセントポールとミネアポリス、そして米国全土のカトリック教会で2日に行われた祈りに、ご自分も”参加”し、「フロイド氏と人種差別の罪深い行為によって命を奪われたすべての人の魂が安息を得るように祈りました」と述べた。

 

*和解と平和への祈り

 最後に教皇は、次の祈りで締めくくられた。

 「(注:人種差別の犠牲になっている)人々の悲嘆に暮れる家族や友人が慰めを得られるように祈りましょう。私たちが切望する米国の全国民の和解と平和を、心から願いましょう… 米国の母、グアダルーペの聖母が、あなたの国で、そして世界中で、平和と正義のために働くすべての人々をとりなしてくださいますように」。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2020年6月3日