(2019.8.3 VaticanNews Robin Gomes)
教皇フランシスコは3日、最終日を迎えた 「Euromoot 2019 」に欧州20か国以上から集まった5000人の男女スカウトたちと謁見。
期間中に彼らがイタリア中を旅した聖パウロ、聖ベネディクト、アッシジの聖フランシスコ、シエナの聖カタリナについて思いを深めたことを指摘され、聖人たちは「自分のために何もとっておくことをせず、他の人たちのために命をささげました」。そして「福音は、人生の地図です。この地図で、イエスは幸福へのはっきりとした道筋を示しておられます。『与えなさい、そうすればあなた方も与えられる』と」説かれた。
そして、イエスにとって、出発点は「与えること」で、「手にすること」ではなかった、とされ、それは、肘掛け椅子の心地よさからもたらされるものと、この世に少しばかり良い物を提供するために野に出かけることから成っている、と語られた。
*与えることの報酬は
教皇は、与えることで自分の手元に何も残らない訳ではない、なぜなら、神はあなた方から何かを取り去るように見える時、「もっと多くの、もっと良いものをあなた方にお与えになるからです」とされ、イエスは「外からではなく、心のうちからあなた方を幸せにしてくださいます。物を消費することが幸せなのだという間違った思い込みから、あなた方を解放してくださるのです」と言明。
さらに、「与えることによってのみ、与えられる。それが人生の秘訣です… 最新型のスマホ、最速の車、あるいはファッショナブルなドレスーそれでも決してこれで十分ということはない物-が、『愛されている』『愛している』という喜びの気持ちをあなた方にもたらすことは、決してないでしょう」と強調された。
また教皇は、スカウト用語である「出発」という言葉ースカウトが生き方として「奉仕」する責任を負い、他者に心を開き、善をなすことによってスカウトの兄弟姉妹愛を生きることを意味する言葉ー
を価値のあるものと評価され、「あなた方が他の人たちに橋を架けるなら、他の人たちはその橋を渡ってあなた方のところに来ることでしょう」、そして「自分の手を御覧なさい。その手は、工作をし、奉仕し、与え、自分自身にこう言うために出来ているのです-『私は心を配り、他の人たちは私を気遣ってくれる』と」説かれた。
*天地創造の意味
「与えなさい、そうすれば与えられる」というイエスの言葉は、天地創造にも当てはまる、と言われた教皇は、「もし、私たちがそれを大事にすれば、明日も住まいを得るでしょう」とされ、「天地創造は、私たちは人と会うために、交わりを作るために、この世にいる、それは私たち全員が互いに結び付けられているから、ということを教える”開かれた本”。天地創造は神と、そして私たちの間を結び付けるためになされました」、そして「それが、神の”ソーシャル・メディア(注:誰もが参加できる手段を用いて、社会的相互性を通じて広がっていくように設計されたメディア)”なのです」と付け加えられた。
*欧州のスカウトとして
スカウトのローバー、レンジャーたちの愛情が共通の祖国、欧州のためであるとしても、その愛情は、気配りのきいた観察者だけでなく、刷新された欧州に命を与える和解と統合の社会の積極的な建設者が、場を守る者でなく、出会いを作り出す者として求められている、と呼びかけられた。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)