♰「”受け入れ、守り、夢見る”聖ヨセフの姿に学べ」19日の聖ヨセフの日を前に

幼子イエスと聖ヨセフ幼子イエスと聖ヨセフ

  (2021.3.18 バチカン放送)

 教皇フランシスコが18日、教皇庁立ベルギー神学院の関係者と会見され、翌19日が同神学院の保護者でもある聖ヨセフの祭日であること、現在が「聖ヨセフの特別年」となっていること、を指摘したうえで、「聖ヨセフの霊性から多くを学び、司祭生活に活かすように」と司祭・神学生らを励まされた。

 教皇は、聖ヨセフは「受け入れる父」であるとされ、「ヨセフは個人的な人生の計画を保留し、自分が描いていた家庭生活のビジョンとは異なる形であっても、マリアとイエスを愛し、受け入れ、驚くべき神秘を信仰をもってそのままに受け取りました」と語られた。

 そして、「たとえば、司祭がある小教区に新たに派遣されるとき、彼はその小教区の歴史や豊かさや問題点を見ることになりますが、自分の理想や計画をいきなり押し付けようとせず、まず、共同体を『無償で愛する』ことが大切です… そのように愛するうちに、その共同体を深く知ることで、新しい道を見出すことができるでしょう」と説かれた。

 また、「聖ヨセフは『守る父』であり、『守り、保護する』ことは、ヨセフの召命と使命の本質です」と指摘。「ヨセフは、神から託されたマリアとイエスを、目立たず、謙遜な、沈黙の態度のうちに、常なる寄り添いと完全な忠実をもって守り、彼らの善と幸福を願い続けたのです」と語られた。

 「ヨセフにとってそうであったように、司祭にとっても、『守る』ということは、託された人々を優しさをもって愛し、彼らのためを常に優先すること… 『守る』とは、目覚め、祈る心を持ちながら、常に他者を見つめる内的な態度です」と述べられた。

 さらに、教皇は、「聖ヨセフは『夢見る父』… それは、『現実から離れた夢見人』を意味するのではなく、目の前に見ているものの彼方を『預言的眼差しで見、神のご計画をそこに認める力を持つ人』のこと。実際、ヨセフは、マリアとイエスの中に、神の働きと、神の現存を見ていたのです」とされた。

 そして、司祭も、「愛する共同体をただ守るだけでなく、宣教的な視点で、その回心と刷新と成長を助けなければなりません」と諭された。

 最後に、「神の御旨に忠実に、託された大きな使命を謙遜と従順のうちに、創造的に遂行する僕、ヨセフの姿を、この特別年に祈りにおいて観想するように」と勧められた。

 この日の会見は、ベルギー神学院の創立175周年を記念して行われたもの。ベルギー司教団の支援を受けており、後に聖ヨハネ・パウロ2世教皇となるカロル・ヴォイティワ神父も、1946年にポーランドで司祭に叙階された直後、ローマへ派遣され、この神学院で生活しながら教皇庁立聖トマス・アクィナス大学(アンジェリクム)に通っておられた。

(編集「カトリック・あい」)

 

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2021年3月19日