♰「私も(あのシスターのように)ミャンマーの街路に跪く-暴力は止めなさい!」

(2021.3.17 バチカン放送)

 教皇フランシスコは17日の水曜恒例の一般謁見で、、ミャンマーの緊迫した情勢に対し、暴力の停止を強く訴えられた。

 「ミャンマーの悲劇的な状況を前に、大きな悲しみと共に、再びアピールしたいと思います」とされた教皇は、「ミャンマーでは、若者たちをはじめ、多くの人が祖国に希望をもたらすために、命を落としています。私も(注:警察の保安部隊の攻撃を止めるために、彼らの前に跪いたシスターのように)ミャンマーの街路に跪いて叫びます。『暴力を止めてください!』。そして、腕を広げて叫びます。『対話が勝りますように!』」と語られた。

  *教皇は、シスター、ヌ・ソーンの勇気ある振る舞いに倣われた

(2021.3.17 Vatican News)

 このように 語られた時、教皇は明らかに、さる2月28日にミャンマーのカチン州で起きた”事件”を思い起こされていた。

 同州の州都の街頭で、一人の勇気あるシスター、ローズ・ラサン・ヌ・ソーン平和行進をしている人々に警察の治安部隊が暴力で抑えつけようとするのを、思いとどまらせたことを。彼女は、治安部隊の前に1人で立ちふさがり、跪き、祈った。彼女を追い出そうとした治安部隊の責任者に「どうしても私をどかせたいなら、撃ちなさい。抗議している人たちは武器を持っていない。平和的に彼らの要求をしているだけです」と語り、それを拒んだ。結局、治安部隊はそれ以上の行動を諦めて退散したのだった。

 彼女の大胆な行為を撮影した動画は、(注:「カトリック・あい」を始め)さまざまなメディアネットワークで、ソーシャルメディアで世界的な話題になり、英国国営 BBCを含む報道機関でも取り上げられた。

 ミャンマーでは2月1日の軍事クーデターで選挙で選ばれた政府を追放し、その指導者であるアウンサン・スーチー女史を拘束して以来、混乱状態にある。軍、警察の治安部隊による激しい弾圧にもかかわらず、クーデターに対する抗議と市民的不服従キャンペーンが続いている。政治囚人支援協会の活動家グループによると、180人以上の抗議者が殺害された。

 こうしたミャンマーの軍、警察の残虐行為に国際社会の批判が強まる中で、カトリック教会も、教皇フランシスコはじめ、世界中のいくつかの国の教会指導者、司教協議会が、民主選挙によって国民から選ばれた指導者たちの解放、民主政治の復活を求め、対話と平和回復を訴えてきている。

 (翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年3月17日