☩9月の世界難民・移民の日へー「より幅広い『私たち』に向かって一致した努力を」

教皇フランシスコと移民たちとの出会い 2017年10月1日 イタリア・ボローニャ訪問で教皇フランシスコと移民たちとの出会い 2017年10月1日 イタリア・ボローニャ訪問で 

 教皇フランシスコが6日、9月26日に予定するカトリック教会の「第107回世界移民・難民の日」に向け、メッセージを発表された。

 メッセージで教皇は、回勅「Fratelli Tutti(兄弟の皆さん)」で訴えられた「新型コロナウイルスの世界的大感染終息後の世界が、消費主義や利己主義に再び陥ることなく、正義と、平和、受容性に満ちたものとなるように」との思いを改めて示された。

 そして、「救いの歴史は最初から最後まで『私たち』を見つめ、その中心には『すべての人を一つにしてください』と祈り、死に、復活された『キリストの神秘』がありますが、今日、神が望まれたその『私たち』は壊され、傷つけられ、歪められてしまった」と指摘。

 この傾向は、特に現在のコロナ危機の中で、これまでよりも顕著になっており、閉じた国家主義や極端な個人主義が「私たち」を分裂させたことに対し、代償を払うのは「私たち以外の人、つまり外国人、移民、疎外された人々」だが、「実際には、私たちは同じ船に乗っており、皆が他人同士ではなく、ただ一つの『私たち」となるように求められているのです」と訴えられた。

 さらに、「いかなる時代においても、生きているべき『カトリック教会の普遍性』」を強調され、「外国人、移民、難民が提供する多様性との出会いと異文化対話の中で、私たちは教会として成長し、相互に豊かになる機会を与えられています」と語られた。

 「行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。病人をいやし、死者を生き返らせ、重い皮膚病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい」(マタイ福音書10章7-8節)という、イエス・キリストが弟子たちに託した使命に従い、「私たち一人ひとりが自分の置かれた共同体から出発し、より共にある教会を目指し取り組むように」と世界の信徒たちに呼びかけられた。

 メッセージの最後に、教皇は「教会と共同体の『私たち』の中に迎え入れた難民に対する行為を祝福してください… 私たちの地球が、すべての兄弟姉妹の共通の家となるように」と神に祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年5月6日