☩教皇「核兵器のない世界」実現を改めて訴えー核拡散防止条約・再検討会議へ

非核/

 (2022.8.1 Vatican News staff writer)

 教皇フランシスコは1日、同日からニューヨークの国連本部で始まった核拡散防止条約(NPT)再検討会議向けてツイートを送られた。

 教皇はその中で、「世界は誤った安心感を与えるだけの”テロの均衡”として核兵器を利用するのではなく、平和と安定のための”真の対話”に向かって進む必要がある」と訴えられ、「核兵器の使用、そして核兵器を保有すること自体が不道徳です」と改めて強調された。

 NPT再検討会議に日本の首相として初めて出席‎岸首相は日本時間2日未明の演説で、「ロシアによるウクライナ侵略の中で核による威嚇が行われ、核兵器の惨禍が再び繰り返されるのではないかと、世界が深刻に懸念している。『核兵器のない世界』への道のりは、いっそう厳しくなっている」と述べた。

 そのうえで、「NPTは、軍縮・不拡散体制の礎石として国際社会の平和と安全の維持をもたらしてきた。会議が意義ある成果を収めるため、協力しようではないか。わが国は、ここにいる皆さまとともにNPTをしっかり守り抜いていく」と述べ、NPT体制の維持・強化に向けて各国に建設的な対応を呼びかけている。

 教皇の1日のツイートは、このような日本などの前向きな姿勢を後押しするものだ。教皇は今年6月に開かれた核兵器禁止条約(TPNW)の第1回締約国会議にもメッセージを送られ、「核兵器の使用、そして保有すること自体が不道徳です」とされ、核兵器禁止条約の「勇気あるビジョン」を称賛し、締約国会議の開催は「これまで以上にタイムリーに見える」と語られていた。

 核保有国が参加しないTPNW第1回締約国会議に対して、5年ごとに開かれるNPT再検討会議には米、英、仏、露、中の主要核保有国5か国が参加しており、はるかに”実効性”が高い。 ロシアによる”核の脅し”を背景にしたすウクライナへの軍事侵攻で核の脅威が高まる中で始まった会議では、国際社会が核軍縮に向けて一致できるかどうかが焦点になっている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年8月2日