☩「祈りは世界を救う」-教皇、ウクライナと世界の平和を願うロザリオの祈り、世界の信徒と共に

(2022.5.31 Vatican News  Linda Bordoni)

   教皇フランシスコが31日、ローマの聖マリア大聖堂の「平和の元后マリア」像の前で、ロザリオの祈りを唱えられるでウクライナと世界の平和へ聖母マリアの取り次ぎを願うロザリオの祈りを捧げ、世界のキリスト教徒たちと共に祈った。

  教皇は冒頭に、「神の母、平和の女王であるマリアよ。新型コロナの感染が続く中で、私たちはあなたの執り成しを願うために、あなたの周りに集まりました」と祈られた。そして、病いの人を助け、医療従事者を力づけることを願うキリスト教徒たちの祈りを思い起こされ、瀕死の人々に憐れみを、沈黙と孤独に苦しむ人々に慰めをくださるように、次のように懇願された。

 「今宵、あなたに捧げられた月の終わりに当たって、私たちは改めて平和の女王であるあなたを前にして懇願します。平和という素晴らしい贈り物をお与えください、世界の様々な地域で何十年にもわたって引き起こされている戦争、欧州大陸を今、襲っている戦争を一刻も早く終わらせてください」

 さらに教皇は、「平和は、交渉だけでも、政治的合意だけでも得られない、何よりも、聖霊のイエス復活の賜物であることを、私たちは知っている」とされ、戦争をしている国々をマリアの無原罪の御心に奉げ、回心という素晴らしい賜物をくださるように求められた。

  「私たちは、祈り、断食、施し、そしてあなたの恵みの賜物によって、人々の心と全世界の運命が変えられる、と確信しています」

 教皇はまた、暴力と復讐に満ちた心を和解に導き、安易な豊かさへの欲求に目がくらんだ思考を正し、「地球上にイエスの平和が永遠に続きますように」と、聖母に御子への執り成しを求められた。そして、「戦争と武力紛争によって残酷な試練に遭っている人類」をマリアに託し、「世界中の教会や家族と共に、平和のためのロザリオの祈りを捧げます」とされた。

 さらに「戦争の犠牲になっている人たち、特に抵抗力の無い子供たち、高齢の人たち、病気に人たちのために祈りましょう。戦いの中で 引き裂かれた家族のために、 子供たちの帰りを待っている父親と母親、そして戦場からの父親と母親の帰りを待っている子供たちのために祈りましょう」と呼びかけられ、「誰も不当に苦しめられてはなりません」と言明された。

 そして最後に、「戦争に苦しむ人々に希望の言葉と信仰の慰めをもたらす司祭、奉献された人々、そしてすべての人々のために祈りましょう… 彼らが、常に慈しみをもたらす道具となりますように」。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「平和の元后マリア」像は、第一次世界大戦の終結を願う教皇ベネディクト15世により、1918年、聖マリア大聖堂の左側廊に設置されたもの。

 ロザリオの祈りには、ローマ在住のウクライナ人やシリア人、ベネズエラ人の家族など、戦争による暴力や虐待の被害を直接、間接に受けている人々、避難民、移民、そして従軍司祭、被災者たちを助けるボランティアなども参加。

 さらに、インターネットなどで結ぶ形で、ウクライナ・ザルバニツィアの神の母巡礼聖堂、イラク・バグダッドの救いの聖母大聖堂、シリア・ホムスの平和の元后大聖堂、バーレーン・アワリのアラビアの女王マリア大聖堂など、戦争や政情不安の中にある国々の巡礼聖堂はじめ、ルルド(フランス)、チェンストホバ(ポーランド)、ロレート(イタリア)、ポンペイ(イタリア)、ノック(アイルランド)、グアダルーペ(メキシコ)などの国際的な巡礼聖堂も、祈りに加わった。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2022年6月1日