☩「私たちは本当に、福音の証人となっているだろうか?」主の昇天の主日・正午の祈り

Pope Francis prays the Regina CoeliPope Francis prays the Regina Coeli  (Vatican Media)

 教皇フランシスコは29日、主の昇天の主日の正午の祈りの説教で、この日のミサで読まれたルカ福音書の箇所(24章46-53節)を取り上げ、父のところへ昇られても、決して私たちを放っておかれない、イエスの開かれた愛 について語られた。

 教皇はまず、復活されたイエスが弟子たちと最後に会われ、父なる神のもとに昇られる前になさった、「弟子たちへの聖霊の賜物を告げ」と「弟子たちを祝福される」という二つの行為に注目された。

*御霊の賜物

 教皇は、「イエスが父のもとに行かれる時、人類を見捨てられませんでした。見捨てるどころか、共に歩み、導き、使命を果たすよう支え、霊的な戦いで守ってくれる聖霊を送る約束をされたのです」とされ、 「このような行為をみても、イエスが私たちを愛しておられることが分かります。イエスは私たちのために空間を残されています。なぜなら、真の愛には、抑えつけず、私たちをその代理者とする”親密さ”を生み出す空間が必要だからです」と説かれた。

 そして、「イエスの昇天によって、彼が少数の人々のそばにとどまるのではなく、聖霊の賜物で全ての人のそばにいることができるようになるのです。聖霊は、時間と空間の壁を越えて、私たちの中にイエスを存在させ、私たちをこの世界のおけるイエスの証人とするのです」と強調された。

*神の祝福

 また、昇天の前にイエスがなさった二つ目の行為について、教皇は「祭司としての行為ー使徒たちを祝福すること。福音書は、イエスが私たちの人生の大祭司であることを伝えようとしています。イエスは仲介者として、私たちの人間性を父なる神に示されるために上って行かれます。そうして、父の目の前で、ご自身の人間性をもって、今あり、これからもある私たちの人生、私たちの希望、私たちの傷を示されるのです」と説かれ、「イエスは、天の父なる神と共に私たちのために場所を準備なさるために、天に昇られます」と付け加えられた。

*他者を愛し、他者のために祈る

 さらに、教皇は、「イエスの祝福に対する私たちの応えは、福音の証人となることであり、私たちが神から受けるのと同じ愛で他者を愛することでなければなりません」とされたうえで、 「私たちが本当に福音の証人であるかどうか?私たちが他者を愛し、自由にし、彼らのための場所を作ることができるか?」と自問するよう勧められた。

 最後に教皇は、世界のすべてのキリスト教徒に対して、私たち自身の利益ではなく、互いのために祈り、他者に奉仕するよう促され、「この世界の希望と苦しみ、平和に介在することで、仲介の祈りを習得しましょう。そして、自分の目と言葉で、日々出会う人々を祝福しましょう!」と呼びかけられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2022年5月29日