☩「洗礼を受けていなくても・天国に行くかは神がお決めになる」ローマ・十字架の聖パウロ教会

ローマのコルヴィアーレ地区、十字架の聖パウロ教会を訪問する教皇フランシスコ – AP

 (2018.4.15 バチカン放送)教皇フランシスコが15日、ローマ市内の十字架の聖パウロ教会を訪問された。

 教皇はまず、教会の外で、カテキズムを勉強中の子どもたちとお会いになり、子供たちの「福音書のどの一節が好きですか」との質問に「マタイ福音書の、イエスが収税人マタイを弟子にする場面です」と答えられた。

 また「洗礼を受けていない人も神の子ですか」という問いには、「神は皆を創造し、皆を愛され、それぞれの心に善悪を見分ける心を与えられましたが、洗礼を受ける時、その心に聖霊が入られ、より強く神と結ばれた者にします」と説明された。

 教皇はさらに、父親を昨年亡くしたばかりで「信者ではなかった父が今、天国にいるでしょうか」と心配して泣き崩れた少年に寄り添い、「お父さんは信仰の恵みはなくても、子ども全員に洗礼を受けさせ、あなたのような勇気を持った子どもを育て、良い心を持った人でした。誰が天国に行くのかをお決めになるのは神様です」と力づけられた。

 続いて、教会の集会室でお年寄りや、病者、生活に苦しむ人々とお会いになり、地域の教会がこれらの人々と常に共にあり、霊的・物的支援を配慮していることを喜ばれ、「人間は誰もが苦しみや傷を負っていますが、決して希望を失ってはいけません。イエスはご自分の傷口をもって、皆を贖われたからです」と話された。そして、イエスの愛を思いながら前進するようにと人々を励まし、「私たちもまた他人に良いことを行い、互いに祈り合いましょう」と勧められた。

 最後に教会でミサを捧げられ、復活したイエスに心を開き、「キリストは生きておられる。復活なさったのだ」という喜びを知る信仰の恵みを、神に祈り求めるよう呼びかけられた。

 十字架の聖パウロ教会は、ローマ市の西郊外、コルヴィアーレ地区にある。小教区として1977年に設立され、教会は1983年に献堂された。教会の前には、1970年代後半から80年代前半に建設された大規模な公団マンション「ヌオーヴォ・コルヴィアーレ」がそびえている。約1kmに渡って伸びる特徴的な長い建造物は、その姿から「セルペントーネ(長い蛇)」とも呼ばれ、9階建てで、1200戸、6千人以上が生活しているが、老朽化が進み、生活の不便、治安上の不安、若者の流出、住民の高齢化などの問題を抱えている。

({カトリック・あい」が編集しました)

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2018年4月17日