☩「宗教間の対話は平和と多様性の尊重を促進する」バチカンと世界伝統宗教代表の第一回コロキアムで

Pope Francis speaks to participants in the First ColloquiumPope Francis speaks to participants in the First Colloquium  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

(2024.4.4 Vatican News   Devin Watkins)

 教皇フランシスコは4日、「バチカンと世界の伝統的宗教の代表たちとの第1回コロキアム」の参加者と会見され、あらゆる宗教の人々の間で多様性、平和、被造物への配慮を促進するよう、強く希望された。

 参加者たちへのあいさつで教皇は、宗教間対話の促進に努めているカザフスタン共和国に感謝を述べるとともに、「今回のコロキウムは、バチカンの諸宗教対話省とナザルバエフ・センターが署名した覚書の『最初の重要な成果』」と称えられ、また、2022年9月に同国を訪問され、アスタナで開かれた第7回世界宗教指導者会議と伝統宗教指導者会議に参加されたことを思い起こされた。

 そして、このコロキウムの活動について、「多様性の尊重」「私たちの『共通の家』への取り組み」、そして「平和の促進」の三つの側面があることを指摘。

 まず、「多様性を尊重」について、「多様性は、人々が調和して暮らすのに役立つ民主主義にとって不可欠な要素です」と強調され、「カザフスタン共和国では、宗教と政治を混同せず、社会の共通利益に奉仕する上で宗教が果たす役割を認識する『健全な世俗主義』を実現している」と語られた。

 そして、「平和と社会の調和」は、雇用、公共サービスへのアクセス、国家の政治的・社会的生活への参加に関して、さまざまな民族、宗教、文化的要素を公正かつ公平に扱うことで、促進される。 そうすることで、誰もが自分の特定のアイデンティティを理由に差別されたり優遇されたりしている感じることがなくなります」と述べられた。さらに、被造物を維持し守る必要性を強調され、「それは私たちの隣人、そして将来の世代にとって、創造主への愛の不可欠な結果となるもの」と説かれた。

 続けて教皇は、「悲しいことに、世界では好戦的なレトリックが再び流行していますが、そうした時代には、宗教間の対話こそ、平和の促進に役立ちます」とされ、「憎しみの言葉は、戦争で人々を死に至らしめる。そうした言葉の代わりに、私たちは平和について語り、平和を夢見、平和への希望に創造性と実質を与える必要があります。そうすることが、個人と人々の本当の希望だからです。すべての人が対話し、あらゆる努力が払われるべきす」と訴えられた。

 最後に、教皇はコロキアムの取り組みが今後も進むように、コロキアムが他の宗教の人々を「互いに成長するための価値あるパートナー」として見る方法のモデルとなるように、期待を表明され、「皆さんが友愛に満ちたこの機会を最大限に生かし、友情と有望な将来の計画を立てて、自分の仕事の成果を実りあるものとして分かち合うことを、願っています」とあいさつを締めくくられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年4月5日