(2022.12.21 Vatican News Edoardo Giribaldi)
教皇フランシスコは21日の水曜恒例一般謁見の最後に、ロシアの執拗な軍事攻撃にさらされ続けるウクライナの子供たちの苦しみに改めて思いをはせられ、「子供たちの多くが『笑うことさえ難しい』と感じていることに気付きました」と語られた。
教皇は「子供たちが笑顔を失ったら、それは大変なことです」とされ、「この戦争で苦しんでいる、とても苦しんでいるウクライナの子供たち」に懸念を表明された。
そのうえで、教皇は「神が幼子となられるになる祝祭の機会に、ウクライナの子供たちのことを考えようではありませんか」と世界の人々に呼びかけ、「ウクライナでの戦争の悲劇ー極めて非人道的で過酷な悲劇ーが続く中で子供たちを負わざるを得ない重荷」に心を寄せるように求められた。
そして、「今年のクリスマス、厳しい寒さと日常生活に欠かせない物資の欠乏に耐えているウクライナの子供たちのために祈りましょう。そして、生き残るために必要な物が確保できず、暖房もないウクライナの人たちのために、 主が一日も早く平和をもたらしてくださるように、祈りましょう」と、世界のすべての人に勧められた。
また教皇は、ポーランドの信徒たちにあいさつを送られ、「クリスマスイブに家族が、予期しない客のためにテーブルに席を取っておく」という同国の伝統を思い起され、「今年、その席は、あなたがたが非常に寛大に家の扉を開いてくれるウクライナからの多数の避難民によって占められるでしょう」と期待を込めて語られ、次のように祈られた。
「ベツレヘムで生まれた神の御子が、あなたとあなたの家族、そしてあなたが助ける人々を、愛で満たしてくださいますように」
(バチカン放送)
集いの終わりに、教皇は捕虜となったウクライナ兵の妻と子とお会いになった。捕虜の男性の夫人の話に耳を傾けられた教皇は、度重なる攻撃で破壊されたウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所の写真集・カレンダーを受け取られた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)