☩「モンゴルの草原の『果てしなく、静かな広がり』のように、視野を広く持とう」水曜恒例の一般謁見で

(2023.9.6  Vatican News  By Deborah Castellano Lubov)

    教皇フランシスコは6日、モンゴルから帰国後初となる水曜恒例の一般謁見で、同国訪問を振り返り、「私はアジアの中心に行ってきました。それは私にとって良い結果をもたらしました」とされたうえで、「神がいかに”素朴な心”を求め、愛されているか」を改めて知った、と語られた。

教皇は、一般謁見で、祈りとともに、モンゴル訪問に同行してくれたすべての人に感謝し、またご自身を歓迎してくれたモンゴルのすべての人、特に「ありあまるほどの誠意と愛情を示してくれた”高貴で賢明”な人々に改めて感謝を表明された。

 そして、「『教皇は、なぜ、遠く離れた小さな信者の群れを訪問したのか』と疑問に思う方もおられるかも知れません… 私がそうしたのは、スポットライトを浴びている舞台から遠く離れた所に、外見ではなく、心の中に神の臨在のしるしが見られることがよくあるからです」とされ、「主は舞台の中央に立つことを求めておられません。それよりも、(舞台の中央に)姿を見せず、目立たず、主を求め、愛する人たちの素朴な心を求めておられるのです」と強調。

 教皇は、モンゴルで「『神の御心に抱かれた謙虚で喜びに満ちた教会』との出会い、という大きな恵みを受けたこと」を喜ばれ、「教会の中心にいることを彼らが喜びとしていること」を短い訪問の間に実感した、と語られた。

 また教皇は、モンゴルの教会の心動かされる歴史に目を向けられ、「この国の教会の歴史は、30年前、神の恵みを受けて福音宣教に情熱を燃やす何人かの宣教師たちの『使徒的熱意』から始まりました。 彼らは話す言葉も、出身国も様々でしたが、一致団結して、カトリック教会共同体を作り上げました」と振り返られ、「このような共同体こそ、真のカトリック教会共同体-自分たちが住む場所の良いものを見出し、共に暮らす人々に奉仕する、普遍性を具体的に実行する共同体です」と指摘。

 「これこそ(主が望まれる)教会の生き方。(主の教えに)従順で、言葉より先に、命をかけてイエスの愛を証しし、真の豊かさ、主とその兄弟姉妹への奉仕に満ち足りる生き方です」と念を押された。

 そして、「信仰の最高の証しである慈善の活動を始めることから、この若い教会が生まれました」とされたうえで、そして、今回の訪問中に教皇が開所を祝われた慈善活動のための施設「慈しみの家」のことを喜びとともに振り返られ、「私たちのそれぞれの教会共同体が、まさにこのような『慈しみの家』―悲惨な状況にある人たちが恥じることなく受け入れられ、高められ、癒してくださる神の慈しみに触れることのできる、外に開かれた場所—になるよう求められているのです」と訴えられた。

 また、モンゴル滞在中に首都ウランバートルのフン劇場で開かれたキリスト教諸宗派、諸宗教の代表との会合についても、意義深い出会いだったことを振り返られた。

 最後に教皇はモンゴルの人々の印象を 「自分たちのルーツと伝統を大切にし、年長者を尊敬し、環境と調和して暮らす人々… 彼らは空を見上げ、創造の息吹を感じる民族」と讃え、モンゴルの(草原の)「果てしなく静かな広がり」を回想しつつ、「私たちの視線の境界を広くし、他者の良い点を見分け、さらに視野を広げることができるように、努めましょう」と、一般謁見に参加した信者たちに呼びかけられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2023年9月6日