☩「ウクライナ戦争は”愛の社会”が緊急に求められていることを示している」

Pope Francis greets a member of the FIAT AssociationPope Francis greets a member of the FIAT Association  (Vatican Media)

(2022.4.23Vatican News Devin Watkins)

 教皇フランシスコは23日、FIAT協会が主催するシンポジウムの参加者と会見され、「私たちの世界を揺るがすさまざまな危機を克服するために、『思いやりと愛情のある社会』を構築することが、緊急に求められている」と強調された。

 参加者たちに、教皇は、「教会の使命の核心である福音宣教に欠かすことのできない務め」に注意を集中するよう求め、「これまで以上に、私たちは聖霊の励ましの下で、”外に出て行く教会”の主役となるように求められています」と励まされた。

*人間としての尊厳のために共に戦う

 教皇は、「世俗化が世界社会に深く浸透している今、教会は、信仰の宣言と”希望の炎”の説得力のある証しをすることを、キリスト教徒に求めています」とされ、世界が直面している沢山の危機、特に「”愛の社会”が緊急に求められていること」を呼び起こさせるウクライナでの戦争ーを指摘。

 「戦争の恐怖の犠牲になった私たちの兄弟姉妹の瞳の中に、『尊厳、平和、そして愛によって特徴づけられる命への深く、差し迫った要請』を見て取ることができます」と語られ、「乙女マリアは、私たちがその兄弟姉妹に心を開く時、苦しんでいる人々の近くで福音宣教の精神を持って生きる方法を、私たちに教えてくれるのです… 私たちは彼らと共に歩み、彼らの人間としての尊厳のために共に戦い、そして神の愛をあらゆる所に広めねばなりません」と説かれた。

 

*友愛を基盤とする社会の建設を助けよう

 さらに、教皇は、友愛的な関係と他者の人道的扱いを基盤とする社会の建設を助けるよう、世界の教会に呼びかけられ、ご自身が出された回勅「 Fratelli tutti(兄弟の皆さん)」を引用する形で、「他者への愛は、私たちを他者の命を守るために最善を求めるように、私たちを動かします。互いの関係を築く方法を磨くことによってのみ、誰一人として排除しない、すべての人に心を開く友愛が可能となるのです」と説かれた。

 

*言葉と行動を通して、人間性にあふれたメッセージを

 教皇は最後に、FIAT協会のシンポジウムに参加した人たちに対して、自分たちの言葉と行動を通して、人間性にあふれたメッセージを世界に発信するように、強く求められ、次のような祈りで締めくくられた。

 「皆さんが、祈りと福音宣教の使命を通して、『前向きな見通しと愛、希望、思いやり、そして優しさのこもった眼差し』と『傷つきやすく、社会からのけ者にされている人々への特別な関心』をもって世界を見るために、善と真理の源から着想を得、復活したキリストとの交わりの中に力を見い出すことができますように」。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2022年4月24日