☩「バチカンと教会に本当に重要なのは人々の”ハート”と”マインド”の刷新」バチカン改革使徒憲章の本の中で

 

Pope Francis with Cardinal Oscar Rodriguez Maradiaga (archive photo)Pope Francis with Cardinal Oscar Rodriguez Maradiaga (archive photo) 

 教皇フランシスコが3月にバチカン抜本改革の使徒憲章「Praedicate Evangelium(Preach the Gospel・仮訳=福音を宣べ伝えよ)」を公布され、聖霊降臨の主日、6月5日に発効することになったが、この使徒憲章に関する、枢機卿評議会議長、ロドリゲス・マラディアガ枢機卿との会見の内容を一冊の本にされ、その中で、教皇は「この使徒憲章は、バチカン改革にとって非常に重要なものだが、改革の”大きな仕事の一部”に過ぎない」とし、「改革で本当に重要なのは、人々の”ハート”と”マインド”の刷新です」と強調された。

 この使徒憲章は、教皇がこれまで進めて来られたバチカンの改革をさらに徹底し、世界の現地教会と福音宣教の活動を支援、活性化する機能を果たせるようにするのが狙い。本のタイトルは、「Praedicate Evangelium:A new curia for a new time」。

 教皇は、本の中で、現在進めている改革は、第二バチカン公会議にルーツをもち、前教皇が聖パウロ六世に遡って追求してきたもの、とされ、ご自分が教皇に選ばれた教皇選挙の直前の枢機卿総会で、マラディアガ枢機卿が『新教皇は、新たなバチカン改革に着手せねばならない』と強く主張したことを思い起こされた。

 そして、この本で使徒憲章の狙いなどを的確に引き出した枢機卿の功績をたたえるともに、使徒憲章は、非常に重要な部分ではありますが、バチカン改革のより大きな仕事の一部にすぎない、と指摘。「構造的、組織的な改革は、確かに必要ですが、本当に重要なのは人々のハートとマインドの刷新なのです」とされた。

 また教皇は、改革作業は教会にとって絶えない心配の種であり、「諸法律と文書類には常に限界があり、ほとんどいつも短命」と指摘。「世界が絶え間なく変化していく中で、教会は、その世界と、起源と伝統への忠誠に基礎を置いた対話を続け、時とともに変化を続ける状況に、自身の活動と人間的組織構造を合わせていくのだ、ということを、私たちに思い起こさせられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2022年4月23日