☩「イエスの友情は、違いを豊さとして生きることを可能にする」‐12月3日「国際障害者デー」へ

教皇、国際障害者デーに向けメッセージ教皇、国際障害者デーに向けメッセージ  (©Minerva Studio – stock.adobe.com)

(2021.11.25 バチカン放送)

  12月3日の国際障害者デーを前に、教皇フランシスコが、世界の障害を持つすべての人に向けたメッセージをおくられた。

 教皇はメッセージで、「あなたがたは私の友である」(ヨハネ福音書15章14節)というイエスの言葉を示しながら、「教会は皆さんを愛し、福音宣教の使命のために皆さん一人ひとりを必要としています」と呼びかけられた。

 そして、「最後の晩餐でイエスご自身が弟子たちに『あなたがたは私の友である』と言われたように、イエスは私たちの友なのです」と強調。

 さらに、「イエスとの友情は解くことのできないものであり、たとえイエスが沈黙しているかのように思われる時でも、イエスが私たちを見捨てることは決してありません」と語られた。

 こうしたイエスとの個人的で信頼に満ちた友情は、すべての人が体験する自らの限界を受け入れ、自分の状況と和解して生きるための霊的な鍵だ、と説かれているが、私たちの社会生活の様々なレベルで「偏見や無知、一人ひとりのかけがえのない価値を理解しない文化」を原因とする差別が、いまだに存在することに注意を向けられた。

 そのうえで、教会において存在する「秘跡に与ることを妨げるなどの霊的配慮の欠如」は、最悪の差別、と批判され、そうした教会内の差別に対し、すべての人に与えられるイエスの友情は、「私たちを救い、違いを豊さとして生きることを可能にしてくれるのです」と説かれた。

 また、「イエスの友情は、私たちを試練の時から守ってくれます」とされ、新型コロナウイルスの世界的大感染がもたらしている危機が障害者の人々に与えている困難や不便を思いつつ、ご自身と教会の寄り添いを表明された。

 さらに教皇は、「私たちキリスト者の召命もまた、イエスの友情から生まれたもの」であり、「イエスは『あなたがたが行って実を結び、その実が残るように』と私たちを選ばれたのです(ヨハネ福音書15章16節参照)…。イエスは私たち一人ひとりの幸福と聖性を願っておられ、その御言葉は私たちを慰めるとともに、回心へと招いています」と言明。

 メッセージの最後に、障害のある人々がイエスと出会い、その人生がイエスによって深く変えられ、イエスの証し人となっていったことを思い起こし、「主はご自身を信頼する人々の祈りを注意深く聞かれます」とされ、「特にこのコロナ禍の今、共にこの危機を抜け出せるように祈って欲しい」と、「祈り」の使命を一人ひとりに託された。

*国際障害者デー(International Day of People with Disability)は、障害者問題への理解促進、障害者が人間らしい生活を送る権利とその補助の確保を目的とした国際的な記念日1982年12月3日に第37回国連総会で「障害者に関する世界行動計画」が採択されたのを記念して、1992年の第47回国連総会で毎年12月3日を「国際障害者デー」とすることが宣言された。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年11月26日