☩「あなた方は未来の『傍観者』ではない、『主役』だ」-イタリアの「平和の学校」の生徒たちに

 

 教皇フランシスコは19日、バチカンのパウロ6世ホールで、イタリアの「平和の学校」ネットワークに参加する6千人の生徒たちとお会いになった。「未来を変えよう」をテーマにしたこの集いは、5月25、26両日に行われる世界のカトリック教会で行われる初の「世界子どもの日」の準備の一環として企画され、「平和の学校」ネットワークに関わる学校の教師や、大学関係者、社会・平和問題の専門家も出席した。

 教皇はあいさつで、「不正義や暴力が人間の尊厳を歪めている今日、無気力の誘惑に負けずに、『未来を作る工事現場』で情熱をもって取り組む人々」に感謝を表明。「今日こそ、責任を持ち、前を向いて、未来の実りのために毎日平和の種を蒔き続けることが必要です」と強調された。

 そして、9月にニューヨークで開かれる「国連未来サミット」に言及され、採択が予定されている「未来のための協定」「未来の世代についての宣言」を「単に紙に書かれたものとせず、具体的に実現させるためにも、皆の貢献が求められています」と語られた。

 そのうえで教皇は、集いに参加した生徒たちに「あなた方は、未来の『傍観者』ではない。『主役』として呼ばれています」とされ、「国連未来サミット」は、「私たち皆が、より良い未来の構築に招かれているだけでなく、特にそれを皆で構築する必要を思い起させるもの」と指摘。「平和とは、武器の轟音がしないこと、戦争がないことだけでなく、寛大と信頼と愛に満ちた環境も意味します。それは、思いやりある関係に基礎を置く社会においてこそ可能になるのです」と説かれた。

 そして、「人々の必要に耳を傾け、傷を癒し、慈しみと癒しの道具となること、それは人類に、特に最も立場の弱い人々に、示されたイエスのいたわり。互いにいたわり合うところから、平和と対話に基づいた受容性ある社会が生まれるのです」と強調された。

 最後に、「戦争が影を落とす今日、私たちが共に暮らす地球が兄弟愛あふれる場所となるように、平和の作り手、受容性ある社会の主役、未来の構築者となってださい」と生徒たちに求められた。

(編集「カトリック・あい」)

 

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2024年4月20日