☩「あなたがたの努力と奉仕なしでは、教会は前に進めない」ー「シノドスのための小教区主任司祭」国際会議で

教皇フランシスコ 小教区主任司祭の国際ミーティング参加者と 2024年5月2日 バチカン・シノドスホール教皇フランシスコ、小教区主任司祭の国際ミーティング参加者とバチカン・シノドスホールで  (Vatican Media)

(2024.5.2 バチカン放送日本語版)

 教皇フランシスコは2日、バチカン主催の「シノドスのための小教区主任司祭」国際会議の参加者たちとお会いになった。

 会議は、教皇が主導して2021年から世界の小教区レベルから始められ、昨年10月の世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会・第1会期を迎えた”シノドスの道”の当面の仕上げとなる今年10月の同総会第2会期への準備の一環として開かれた。

 世界各国のカトリック教会から選ばれた小教区主任司祭300名が参加した会議は、4月29日から5月2日まで、ローマ郊外サクロファーノを会場に、傾聴と、祈り、識別の体験を共にし、最終日の2日、バチカンのシノドスホールで、教皇と会見した。

 教皇はこの席で、司祭たちと対話された後、書簡を発表され、その中でまず、「小教区の主任司祭たちの努力と奉仕なしには、教会は前に進むことができません」と念を押されたうえで、世界のあらゆる場所に福音の種を蒔く、司祭たちの日々の働きに深く感謝された。

 そして、「人口の多い大都会の郊外から、人口の少ない地方に至るまで、また欧州の都市中心部に見られるような高齢者の多い古い教会から、自然豊かで子どもたちの声が響く場所に至るまで、司祭たちが働く小教区の環境は様々ですが、皆さんは、ご自分の小教区が置かれた環境と人々の暮らし、その苦労や喜び、必要や豊かさを内側から知っておられる。シノダル(共働的)な教会は、共に歩むことを学ぶために、まさにあなたがたを必要としているのです」と強調。

 「小教区共同体のすべての信者たちが『福音を告げる』という唯一のミッションに参加しないなら、私たちは共に歩む宣教的な教会には決してなれません。小教区がシノダルで宣教的な性格を持たないなら、『教会』とは言えません」と言明された。

 

 

*「共に歩む宣教的教会の築き手」となるための三つの助言

 

 そのうえで、教皇はこの書簡で、小教区の主任司祭たちが「共に歩む宣教的教会の築き手」となるために、司祭生活と司牧活動に霊感を与える三つの助言をされた。

 一つ目は、「小教区の信者一人ひとりに与えられた様々な形の固有のカリスマを見出し、励まし、活かすこと」。それは、「人間的な現実世界を福音宣教する上で不可欠」とされた。

 二つ目は、「共同体的な識別の技術を習得し実践すること」。特に、現在歩んでいる”シノドスの道”で、そしてシノドス総会・第1会期でも、大いに役立った「聖霊における会話」を活かすよう促された。

 そして、最後に、「司祭間の、あるいは自分たちの司教との分かち合いと兄弟愛に、すべての基礎を据えること」。「何よりも自分たちが子となり、兄弟とならなければ、人々の真の父となることができず、司祭たちや司教との間に交わりや分かち合いがなければ、自分たちに託された共同体でそれを生み出すことができません」と説かれた。

 教皇は、国際会議「シノドスのための教区司祭」に参加した人々を、まず彼ら自身の間で、そして帰国後は仲間の教区司祭たちとともにシノドリティの宣教師となるよう招待した。 教区評議会などの聖体拝領の構造だけでなく、他の多くの分野でも同様に多くの良い実が結ばれている」と氏は語った。

 

 最後に教皇は、この会議に参加した主任司祭たちに、まず自分自身が、そして、それぞれの国に戻って、仲間の教区司祭たちとともに、「シノダルな宣教師」となり、小教区にとどまらず、多くの場でよい実が結ばれるように努めることを求められ、また、世界の司教はじめ教会指導者たちに、今回の会議にとどまらず、これからも小教区の司祭たちの声に耳を傾け続けることを強く求められた。

(編集「カトリック・あい」)

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2024年5月3日