(2024.5.5 Vatican News Thaddeus Jones)
教皇フランシスコは5日、復活節第6主日のRegina Coeliの祈りに先立つ説教で、この日のミサで読まれた福音を取り上げ、イエスが使徒たちに語られた言葉-「私はもはや、あなたがたを僕とは呼ばない… 友と呼ぶ」(ヨハネ福音書15章15節)を引用して「主との友情を育み、それを分かち合うように」勧められた。また、先月末から続いているブラジルの洪水の被害者のために、そして理不尽な戦争に苦しめられ続けているウクライナや、パレスチナ、イスラエルで対話を通じて速やかに和平が実現するよう祈られた。
説教で教皇は、この日読まれたヨハネ福音書で、イエスが使徒たちに「私はもはや、あなたがたを僕とは呼ばない… 友と呼ぶ」と言われたことを取り上げ、聖書に登場する モーセ、ダビデ王、預言者エリヤ、聖母マリアを思い起しながら、神が誰に宝を置いているかに注意を向け、さらに、「イエスがいかに私たちに対して、神と友情を結ぶことを望んでおられるか」を説明された。
*友情の素晴らしさ
「友情の経験は、おそらく私たちが玩具や最も貴重な贈り物を友人と共有する幼少期に始まり、十代の頃に友人に打ち明けて忠誠を捧げ、そして大人になってお互いの重荷や思い出を分かち合うときに、人生の物語となる」と話された教皇は、「友人たちのことを思い起し、彼らについて主に感謝するように」と勧められた。
*友情は嵐を乗り越える
そして、「本当の友情は、私たち共通の人間性を認識するものであり、計算や強制の結果ではなく、裏切りに直面しても崩れることはありません」とされ、箴言の「友はどのような時でも愛してくれる」(17章17節)を引用し、「真の友人は、間違いがあっても、見捨てず、正し、叱責するだけでなく、赦すのです」と説かれた。
*あらゆる期待を超えて
また教皇は、今日の福音でイエスが、私たちをどれほど神の友であるかを語られ、「私たちを、あらゆる功績や期待を超えて、心から愛されており、手を差し伸べ、愛、恵み、御言葉を差し出し、ご自身にとって最も大切なもの、そのすべてを分かち合っている者とされていること」を、父から聞いて語っておられる、と指摘。「主は、私たちの手に御身を委ねてくださいます。それは、主が私たちを愛しておられ、私たちの善を望んでおられ、私たちがその恩恵にあずかれることを望んでおられるからです」と強調された。
そのうえで教皇は、「私たちが自分の生活の中で、主をどのように見ているか」を考えるよう勧められ、私たちに対する神の無限の愛を受け入れ、それを自分の人生の中で兄弟姉妹、特に間違いを犯して赦しを必要としている人たちと分かち合うことができるように、私たちを御子との友情を育むのを助けてくださるように、聖母マリアに願われた。
*ユリウス暦の復活祭を祝う東方教会へ
さらに、教皇は、ユリウス暦に従って復活祭を祝う正教会と東方カトリック教会に祝福の言葉を捧げ、「復活の主が、すべての地域社会を喜びと平和で満たし、逆境に直面している人々を慰めてくださいますように」と祈られた。
苦しみと世界平和への祈り
Regina Coeliの祈りに続いて、教皇は、 大規模な洪水に見舞われたブラジル最南端のリオグランデ・ド・スル州に思いを向け、犠牲となった人々の魂の安らぎと、その家族や家を追われた人々に対する主の慰めを祈られた。
さらに戦乱が続く世界の国や地域、特にパレスチナとイスラエル、そして、「苦悩のウクライナ」の平和のために祈り続けるよう、世界の人々に呼びかけられ、「戦争にノー、対話にはイエス!」と強調。和平が速やかに実現するように、対話が進み良い実を結ぶよう祈られた。。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)