・カトリック精神を広める ⑥野外ミサが好きだ!

 一般の人が驚くのは、ミサ聖祭が行われている最中に、パン(白くて丸いホスチア)とぶどう酒(赤ワイン)が、キリストの血と肉に変化すること、ではないだろうか。これをカトリック教会では「聖変化」と呼んでいる。もちろん、実際にはそのような変化が起る訳ではないが、信者は、パンとぶどう酒が、キリストが十字架上で流された血と肉になったと精神的に考え、それを頂くことで、キリストの十字架上での救いの出来事に思いをはせ、キリストと一体化する、ということを味わう。

 毎日曜日、カトリック教会ではミサ聖祭が行われ、ホスチアを頂くのはこのような理由であろう。現在は、ぶどう酒は省略され、ミサの最中に頂くのはホスチアだけになっている。ただし、特別なミサの場合などに、バンとぶどう酒の両形態で行わることもある。

  聖パウロ女子修道会のHPによれば、ホスチアとは、「聖別用に用いられる円形の薄いパンのことで、「聖体」となるパンのことを言います。その語源は、ラテン語の“hostia”「いけにえの供え物」です。水と小麦粉だけで作られ、イースト菌が入っていない「種なしパン」で、聖別されてキリストの御体、つまりいけにえとなります。」と説明されている。一昔前までは、キリストが最後の晩餐の時、パンを割いて弟子達に分け与えたように、実際のパンを供していたのだが、それでは大量のパンが必要となるため、サレジオ会を創立した聖ドンボスコが現在の白くて丸いホスチアに変えたと聞いている。

 

   ミサで思い出すのは、筆者が子供の頃、よく野外ミサが行われていたことだ。またよく道路で行列を作って、祈ったり、聖歌を歌っていたものだった。当時は、日蓮宗の一団であろうか、太鼓を叩きながら南無妙法蓮華経と唱える僧たちの一団もよくみかけたものだ。

   野外ミサで特に思い出すのは、筆者が中学生の時に、千葉県の房総半島先端にある館山の臨海学校の一環で、離れ小島に渡って、キャンプを張った時に行われた野外ミサである。草を刈り、薮に分け入って、土の上にテーブルが置かれ、その上に、ミサに使うろうそく等が並べられ、神父様が東京から持参した司祭服に身を包み、30人程の生徒の眼前でミサを捧げたのだが、青空の下、まるで神様が今まさにここにおられるという雰囲気になった。これだから、野外ミサが好きなのだ。

 

    また、2019年11月、現フランシスコ教皇が1981年のヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶり2度目の来日となった際に、長崎県営野球場にて約3万人が参列した野外ミサが、今も語り草になっている。当日、大雨が降っていたのが、ミサが始まった時には、うそのように晴れ渡り、青空の下、ミサが執り行われたのだ。参列した人は、奇跡のようだったと、今も興奮気味に語っている。

 

(横浜教区信徒 森川海守=ホームページ:https://www.morikawa12.com

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2024年4月30日