いつも活気に満ち、早朝から人々の生気で賑わう市場、私のタイでの生活になくてはならない足繁く通うお気に入りの場所です。自転車で買い出しに行く度に、喝が入り、命が湧いてくるのを感じます。
駐車場に止めてキャスター付きの鞄を引いて、値段と品を見定めながら市場を先ずは一巡り。とにかく広い。ある時、どっさり魚を買って預け、後で持って帰ろうとして、店が見つからず困ったこともありました。
今は通い慣れた横丁、良い品をいい値段で買出し、前の籠、後ろの荷台、ハンドルにもフラフラするぐらいぶら下げて、汗だくで帰ります。帰ってから仕分け、使い勝手を考えながら捌いたり拵えたり、生きているって感じしますね。姉妹たちの食事の世話は大切な仕事、家庭と宣教の足場作りで、私は企画編集の傍、炊事
の役も兼ねています。
この市場は「インチャルーン」と言う名で、バンコク郊外にある最大の私設市場。総面積15,000平方メートルの敷地には、約1,600店が軒を連ね、野菜、肉、魚、米、果物などタイ各地から集まるあらゆる食料品を中心に、衣料品雑貨、あらゆる日常品が揃っていて、1日2万人のお客さんで賑わうとか。
タイの国土は日本と逆、平地の割合が広く、歌にもある様に「種を巻けば必ず芽を出し豊かに実」り~で、産地と結ばれた市場には新鮮な食材が常に豊富に並んでいます。生活を支える活気ある市場が、タイ中のここそこにあり、人々が交錯する生活の銀座です。
今年は猪年、タイでは豚です。人の命を養ってくれるありがたい生き物の数々、感謝して頂き、嬉々として生きて行きましょう。
コラム愛読者の皆さん、謹賀新年!
(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)