・菊地大司教の日記㊸「シノダリティ」について/東京教区修女連新年研修会@イグナチオ教会

2019年1月21日

シノダリティについて

 東京教区の皆様には、新年の教区ニュースの冒頭でお願いしているとおり、宣教司牧の基本方針を策定するために、今年の聖霊降臨までに、多くの方の意見を伺いたいとお願いしているところです。(教区ニュースへのリンクです

 具体的なお願いの詳細については、あらためて短い文書で、月末までに、各小教区にお願いをいたします。

 でもその前に、今回のご意見を伺うに当たって、是非とも心にとめて頂きたい言葉があります。それが、「シノダリティ」です。

 昨年10月のシノドス閉会ミサ後のお告げの祈りでの、教皇様のメッセージを、是非ともお読みください。このリンクに、中央協議会の翻訳があります。是非、ご一読を。

 その中で、教皇様は、次のように言われます。

「それは『いやしと希望』のときであり、何よりも『傾聴』のときでした。傾聴するためには、時間、注意力、さらには心と気持ちを開け放つことが必要です。しかしその行程は、日々、いやしに変わっていきました」

 互いの話に耳を傾け合うことの重要性です。その上で、

「傾聴というこの基本的な手だてを通して、わたしたちは現実を解釈し、現代のしるしを把握しようとしました。そして、みことばと聖霊の光のもとに、『共同体としての識別』が行われました。それは、主からカトリック教会に与えられたもっとも素晴らしいたまものの一つです。つまり、まったく異なる状況にある人々の発言や表情を集め、つねに福音の光のもとに、その現象の利点と複雑性を考慮に入れながら解釈しようとしたのです」

 神の求める道はどこにあるのかを、識別するのです。それも一人でそうするのではなく、共同体としての識別です。そして、

「書面の文書を作成することを第一の目的としない『シノドス様式』です。書面の文書も貴重で有益なものですが、それ以上に、現状に即した司牧的選択をするために、老若男女が集まり、協力しながら傾聴と識別を行う方法を推進することが重要です」

 「シノドス様式」と訳されている「シノダリティ」。東京教区の宣教司牧の方針を定めるに当たっても、シノダリティの道を歩みたいと思います。互いの意見に耳を傾けあい、共同体としての識別を重ねたいのです。

 ですから、今回、意見を求めるにあったては、個々人の方のご意見ではなくて、二人三人が集まって形成する「共同体」の識別の結果を伺いたいと願っています。小教区全体では無理としても、何らかの形での複数の方の互いの分かち合いと傾聴と、その上での識別の結果をお聞かせ願えればと思います。

・・・・・・・・・・・・・・

2019年1月12日 (土)

Shujot1904

 東京教区の修道女連盟主催で、毎年この時期に行われる新年研修会と新年の感謝ミサが本日1月12日午前9時半から午後3時まで、四谷のイグナチオ教会を会場に開催され、教区内の各地から300名を超えるシスター方が集まりました。

 今年のテーマは、「真の喜びに生きる教会」で、ミサと講話を今年もまた私が担当。昨年も初めてでしたので、ミサと講話を担当しましたが、そのときに話しきれなかったことが多々あったので、(たぶんそういう意味でも)、今年もミサと講話を担当することに。

Shujof1903

 テーマは、着座して一年以上が過ぎ、教区の宣教司牧の方針を確立する段階に入ったこともあり、現在の課題について話すことが主眼でした。同時に、先般青年たちの召命や信仰をテーマとしたシノドスがあったことから、「青年と召命」もサブテーマに。

 とはいえ、シノドスの最終文書の英語訳は数日前に発表されたばかりで、今回には読み込みが間に合いません。

 そこで、シノドス最終日の教皇様のメッセージ(お告げの祈り)と、閉会時に発表された短いメッセージを基にして、いくつかお話しさせて頂きました。

 その中で触れたのは、シノダリティ(シノドス様式とかシノドス的とか)のことです。

 今回のシノドスの終わりに当たっての教皇様のメッセージには、今回は参加者と青年たちがともに道を歩みながら互いに傾聴を心がけ、聖霊に導かれて識別を行い、神の呼びかけに応えることを目指したのであり、文書を作成することが最終目的ではなかったと言う言葉がありました。

 多くの人が互いの話に耳を傾けあい、自らの体験を分かち合い、祈りをともにし、神の民として一緒に道を歩みながら識別を重ねるところに、シノダリティの本質があるのだと言うことでしょう。

 教会のあShujof1905り方を考えるときに、この点を教皇様はしばしば強調されているように思います。

 東京教区にあっても、宣教司牧の方針を定めるに当たって、そういったともに歩みをともにし、互いに耳を傾け合って、祈りのうちに識別を進める道を進みたいと思います。

 準備してくださったシスター方と、イグナチオ教会の皆さんに感謝します。

 ところで、2019年度の教区の人事異動に関して、第一次の人事発表が、教区ホームページに掲載されていますので、ご覧ください。このあと、修道会なども含めて、数次にわたり、人事異動が発表されることになります。

(菊地功=きくち・いさお=東京教区大司教)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年1月13日