改・発足50周年のアジア司教協議会連盟の10月総会前の典礼の集いー教皇も教会刷新へ励ましのメッセージ

‎ 今総会のテーマは「“Journeying Together as People of Asia…. ‘and they went a different way.’(アジアの民として共に旅する…別の道を歩んできた)」とされているが、メッセージの中で教皇は、このテーマは「互いに耳を傾け、対話し、識別する、という世界の教会が歩む”シノドスの道”の幅広い文脈に最もかなったもの」とされ、アジア地域の教会指導者たち140人以上の参加が予定される10月の総会が、アジアの教会が国や地域を超えて、名実ともに”シノドスの道”を歩む契機になることを願われた。‎

 アジアは今、コロナ世界的大感染、ロシアのウクライナ軍事侵攻によるアジアを含む世界の政治・経済・社会への影響、中国の台湾への武力威嚇、そして、ミャンマー国軍の国内少数民族や民主活動家の弾圧、中国政府・共産党による新疆ウイグル自治区でのイスラム系少数民族への虐待、中国国内のカトリック”地下教会”への弾圧、香港の陳日君・枢機卿や民主運動家への弾圧など、信教の自由を含む基本的人権、それ以上に多くの人々の生命が深刻な脅威にさらされている。さらに教会内部でも、聖職者による女性や弱者への性的虐待と高位聖職者による隠ぺいなど、信頼を大きく損ない、信徒離れをもたらす事態がアジアでも散見されている。

 「FABCは各国の司教協議会による”任意団体”として作られ、実行はそれぞれの司教協議会に、最終的にはそれぞれの司教の判断に委ねられている。つまり、FABCがアジアの教会をその決定に従わせるような仕組みは、存在しない」(スリランカの著名な人権擁護家で the Young Christian Workers Movementの指導司祭などを務めるReid Shelton Fernando神父。La Croixへの寄稿で)と指摘されるFABCが、発足半世紀を迎えた記念すべき総会で、アジアの教会が直面する緊急の課題について、どこまで真剣な議論を進め、在り方そのものも含めて成果を出すことができるか注目される。

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2022年8月20日