・河北省の有力”地下教会”司教が再度、逮捕・軟禁に、身障者孤児施設閉鎖の脅し(BW)

 最近起きたのは、河北省で多くの信徒に敬愛されている正定教区の賈治国・司教が逮捕されたことだ。司教は中国河北省晋州武邱村に生まれの83歳。1981年に正定教区担当の司教として叙階され、教区の15万人の信徒、約100人の司祭、同数の修道女を司牧して来た。

 司教は、司教館の敷地内に体の不自由な孤児たちを世話する施設を30年にわたって運営しているが、当局は施設を閉鎖し、公営の施設に移すよう強要し続けており、今回の逮捕はそれに応じないことへの見せしめとみられる、という。司教は、政府・共産党とその指示を受けた現地当局の指導・管理に抵抗を続け、これまでに20回以上も逮捕・監禁を繰り返されている。

賈治国・司教

Children in the orphanage run by Bishop Jia.                                司教が運営する身障者孤児施設

 現地の関係筋によると、8月10日、司教は地元のホテルに連行され、「新型コロナウイルスの蔓延を防ぐために当局が指示した、礼拝の場所で禁止規則を破った」として、軟禁された。当局は、「信徒の一部が8月9日夜に教会で聖歌を歌うことを許可した」というのがそれに該当する、といい、「そのような活動は地方政府の許可なしに行えない」としている、という。

 また別の関係筋は、8月10日に逮捕された際、司教は「私はCPCAに参加することができない。(注:監禁先で)死ぬことになるだろう」と語った、と高齢の司教の安否を心配している。

   教区のある信徒は、最近の司教の日常について、「常時、当局の監視下に置かれていました。毎晩、床に就く時に自分の写真を撮り、当局に報告することを義務付けられ、どこにいて、何を食べたかについても、写真をとらねばならず、行動に全く自由がなかった」と説明した。

 また司教は、体の不自由な孤児のための施設は、閉鎖して、入居者を公営の施設に移す同意書に指名するよう、当局から繰り返し圧力をかけられ続けた。、6月下旬には、70人以上の警官と25人の福祉施設職員がやって来て、50人の入居者のうち半数を、強制的に公営施設に移した。その際、司教館の敷地一帯は封鎖され、写真撮影やインターネットで画像を流すことを厳禁する措置がとられた、という。

 それから2週間も経たないうちに、当局は司教に対し、残りの子供たちを引き渡すように命じ、司教が拒否すると、脅迫が続けられ、8月10日の逮捕に至った。施設に入居している孤児の1人は「友だちが連れ去られたのは悲しい。役人が来るととても怖くて、いつも隠れます。いつ連れ去られるか、と思うと怖い」と訴えている。

 別の関係者は、「司教は、当局がまず、施設から子供たちを連れ出し、次にその世話をしてきた修道女たちを追い出して、修道院を閉鎖してしまうことを懸念されていました。当局の最終的な狙いは、司教の住まいにもなっている司教館を閉鎖し、当局の管理・監督に従わない(CPCAへの加盟を拒否する)教会をなくしてしまう事です」

(翻訳・編集「カトリック・あい」)

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2020年9月3日