・新型コロナ禍に乗じた民主派リーダーたち逮捕に香港のカトリック教会が抗議

Diocese asks police to stop arresting activists until a probe committee submits its re

Church group seeks to stop repression of Hong Kong activists
Protesters throng central Hong Kong on June 16, 2019, in a protest against an extradition bill. Police have arrested 15 pro-democracy activists over the mass protests that rocked the former British colony last year. (Photo: UCA News)

(2020.4.22 カトリック・あい)

 新型コロナウイルスの感染危機で民主・人権派の活動が弱まっているのに乗じて、中国政府を背景にした香港政府が、リーダーたちを相次いで逮捕するなど規制を強めているのに対し、香港のカトリック教会は警察当局によるそうした弾圧をやめるよう、要求した。バンコクに拠点を置くカトリック系のニュース・サイトUCA Newsが香港発21日付けで報じた。

 香港では警察当局が18日、「香港民主の父」と言われる李柱銘氏ら民主派の重鎮15人を、昨年のデモに絡んだ容疑で一斉逮捕したことが、世界の主要メディアで伝えられた。15人は即日釈放されたものの、5月18日に裁判が行われることになっている。

 UCANewsによると、カトリック香港教区の正義と平和委員会が声明を発表し、中国の共産党政権下にある香港行政区でにおける逮捕は「政治的弾圧」の一部である、と批判し、香港行政区に対し、逮捕の根拠となっている公安条例の廃止を要求した。英国の植民地だった時代からあるこの条例は、警察当局の許可なしに3人以上が集まった場合、無許可集会として取り締まれることになっており、「条例廃止は、香港市民の行進、集会の自由を回復するために必要」を声明は主張。さらに、「プライバシー保護の為、逮捕者から没収した携帯電話を所有者に返却する」よう求めている。

 2019年6月に香港で民主化反対の抗議行動が始まって以来、警察は暴動と暴力に関連して約7,000人を逮捕している。その多くは若い学生たちだったが、今回の逮捕には、1997年に香港が英国から「一国二制度」を条件に中国に返還されて以来の民主主義運動のリーダーだった李氏はじめ、香港特別行政区立法会の元議員らも多く含まれていたことから、香港はもとより米政府関係者など内外から、新型コロナウイルス感染拡大を止めるための集会規制などを利用して民主化勢力を封じ込めようとする、中国政府・共産党の意向を反映したもの、と強い批判が出ている。

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2020年4月22日